僕は伝説の神獣らしい

第一章

8

するとお互いの左中指に小さな虹色の模様が現れた。
これは神獣によって色が違うらしい。
火を操る神獣なら赤、水を操る神獣なら青というように。

「ルル…本当によかったのか？」

「よかったの！これからはお互いがどこにいるか分かるし何かあったり何もない時でも呼んでね！僕、すぐに行くから！！」

「そんな事しねーよ。ルルが俺の契約獣てだけで満足だ。他に何も望まねぇよ。これからも俺がここに来るから」

「カインはやっぱり優しいね。僕と出会った日から今日まで誰にも話さないと言う約束も守ってくれてたし僕はカインの事、信用出来るよ。でも、もう僕達は繋がってるし他の人間さん見てみたいしたまにカインのとこに遊びに行く！」

「いや！それだけはダメだ！」

「えぇー、なんで？」

「色々とあんだよ」

それだけ言って、ふぅ。とカインは遠い目をした。
いいもん！黙って行っちゃうから！
口には出さずにそう決心した。

心の中でガッツポーズをしているとカインが話し掛けて来た。

「ルル…もしも…契約を解除したくなったら言ってくれ。俺は何も反対しないし言わないから」

「絶対にならないから大丈夫！！それを言うなら僕の方だよ」

「俺も絶対にない」

お互いに見つめ合い沈黙が訪れたけど、2人して吹き出した。

契約を解除するには契約する時と一緒。
お互いがお互いの同意を得て、血が交わってるから血を返す意味を込めてまた交わらせたらお互いの指にある模様が消える。

契約を解除する事は滅多にないらしいけど、神獣が人間さんに酷い扱いを受けていたり理不尽に力を使われていたりする時は上位種の神獣しか持たない特別な力を借りれば、神獣側から一方的に解除出来るらしい。

僕はこんなに優しい人と契約解除する事なんてないと思うけど。
何より僕の心がポカポカする意味を知りたい。
こんな事、初めてだから。