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第一章
9 カインサイド
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あれからルルと別れ、いつものように作られた道を歩いていた。
するとそこへ真っ黒な狼の神獣が2頭、目の前に現れた。
足を止め、驚いていると1頭が話し掛けて来た。
「我が名はバルカ。こいつはガイル。ルルがこの世に生まれた時より今までの18年間ずっとルルを守って来た者だ。ルルはそなたの知っている通り、伝説の神獣。よって我ら神獣達により人間にルルの存在を今まで隠して来た。だが、どういう訳か我らが細工した森はそなたを認め、ルルのいる場所まで通した。そしてルルが認めた契約者、我らは歓迎しよう。契約者が出来た以上、人目は避けられん。どうかルルを頼む」
「騎士団団長の名にかけて決してルルを粗末に扱う事はしないと誓う。なるべく人目にも出ないように配慮する。認めてもらい感謝する」
そう言うともう1頭が口を開いた。
「ルルが悲しみ、絶望に打ちひしがれた時、我ら神獣は敵になる事だろう。契約獣も含め、全てだ」
「肝に銘じる」
答えを聞くな否や黒い狼達は遠吠えをあげ、黒い煙となり消えていった。
王と向き合う時でさえ、あまり緊張をしないこの俺が黒い狼達に緊張していたのだと気付いた時にはもう森から出た後だった。
森から城の中にある騎士団寮へ向かう。
騎士団寮へ着いた時、俺の悪友、第一騎士団副団長のレオン・マーデルが話し掛けて来た。
「カインお疲れ!また神の森に行ってたのかよ!前はたまーにしか行ってなかったのに最近はしょっちゅう行くよな。何か神の森にあんの?」
「お疲れ。いや、特には」
会話をしながら食堂へ向かう。
行き交う部下達が挨拶して来るのを手で返しながら行っていると左側にいたレオンがガッと俺の左手を掴んだ。
「お前…これ…」
心底驚いた表情で俺の左手を見ていた。
左手には、もちろん先程、ルルと契約をした印が刻まれている。
見える所に印が着くのは分かっていたから遅かれ早かれ俺にも契約獣が出来た事はバレるだろうとは思っていたので焦りはしない。
「あぁ…俺もとうとう契約獣が出来た。それだけだ」
「お前!それだけだ。じゃねーよ!何であんなに上から言われても契約したがらなかったのにいきなり契約獣が出来てんだよ!?てか、この模様の色、何!?虹色!?お前どんな神獣と契約したんだよ!!」
息継ぎもなしによくもまあ、そんな噛まずに言えたな。と関心する。
レオンの声で周りがザワザワしだした。
「声デカい。お前には話しとこうと思ってたんだ。後で俺の部屋に来い」
それだけ言ってレオンを置いて食堂へ向かった。
するとそこへ真っ黒な狼の神獣が2頭、目の前に現れた。
足を止め、驚いていると1頭が話し掛けて来た。
「我が名はバルカ。こいつはガイル。ルルがこの世に生まれた時より今までの18年間ずっとルルを守って来た者だ。ルルはそなたの知っている通り、伝説の神獣。よって我ら神獣達により人間にルルの存在を今まで隠して来た。だが、どういう訳か我らが細工した森はそなたを認め、ルルのいる場所まで通した。そしてルルが認めた契約者、我らは歓迎しよう。契約者が出来た以上、人目は避けられん。どうかルルを頼む」
「騎士団団長の名にかけて決してルルを粗末に扱う事はしないと誓う。なるべく人目にも出ないように配慮する。認めてもらい感謝する」
そう言うともう1頭が口を開いた。
「ルルが悲しみ、絶望に打ちひしがれた時、我ら神獣は敵になる事だろう。契約獣も含め、全てだ」
「肝に銘じる」
答えを聞くな否や黒い狼達は遠吠えをあげ、黒い煙となり消えていった。
王と向き合う時でさえ、あまり緊張をしないこの俺が黒い狼達に緊張していたのだと気付いた時にはもう森から出た後だった。
森から城の中にある騎士団寮へ向かう。
騎士団寮へ着いた時、俺の悪友、第一騎士団副団長のレオン・マーデルが話し掛けて来た。
「カインお疲れ!また神の森に行ってたのかよ!前はたまーにしか行ってなかったのに最近はしょっちゅう行くよな。何か神の森にあんの?」
「お疲れ。いや、特には」
会話をしながら食堂へ向かう。
行き交う部下達が挨拶して来るのを手で返しながら行っていると左側にいたレオンがガッと俺の左手を掴んだ。
「お前…これ…」
心底驚いた表情で俺の左手を見ていた。
左手には、もちろん先程、ルルと契約をした印が刻まれている。
見える所に印が着くのは分かっていたから遅かれ早かれ俺にも契約獣が出来た事はバレるだろうとは思っていたので焦りはしない。
「あぁ…俺もとうとう契約獣が出来た。それだけだ」
「お前!それだけだ。じゃねーよ!何であんなに上から言われても契約したがらなかったのにいきなり契約獣が出来てんだよ!?てか、この模様の色、何!?虹色!?お前どんな神獣と契約したんだよ!!」
息継ぎもなしによくもまあ、そんな噛まずに言えたな。と関心する。
レオンの声で周りがザワザワしだした。
「声デカい。お前には話しとこうと思ってたんだ。後で俺の部屋に来い」
それだけ言ってレオンを置いて食堂へ向かった。
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