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第一章
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むかーしむかし。この大陸全土は干からびていました。
照りつける太陽に雲1つなく雨も降らない為、飲水も井戸から出る湧き水が頼りでしたが段々少なくなって行き、作物も育たず人々は弱っていってしまったのです。
人々は祈りました。
神様。お願いします。
私達を助けて下さい。
しかし弱っている人々はもう手を合わせる事が出来ない状態までになっていました。
そんな中で、毎日毎日熱心に祈る者がいました。
その者は力の出ない体にムチをうち、両膝を着き、両手を合わせ祈りました。
どうか我々を見捨てないで下さい。
赤ちゃんを…
ご老人を…
人々の家族を…
生きるもの全てにまだこの地で生きる栄誉をお与え下さい…。
そう願いながらその者は力尽きたかのように倒れ込んでしまいました。
もう駄目なのか…。
そう思いながら一筋の涙が顔を伝いました。
その涙が地に落ちる時、その者を柔らかな光が包み込んだのです。
その者の頭からは真っ白な耳が生え、お尻にはフサフサとした立派な尻尾が揺れています。
背中には大きくて真っ白な翼が存在感を主張するように広げて生えていました。
その者は驚きに目を見開いたが、自分にみなぎる力が出て来たのを実感しました。
まず最初にしたことは大陸全土を見ること。
空高く飛び、干からびた大地が続く大陸を眺めました。
何故かは分かりませんが体が勝手に動きます。
最初から分かっていたかのように神力の溜め方もすぐに出来ました。
その溜めた神力をフゥッと吹くとバラバラになり散って行ったのです。
散った神力は干からびた大地に次々と吸収され、吸収された場所から小さな芽が出ました。
その芽は水もなしにすくすくと育ち、やがて美しい黄金の花を咲かせました。
黄金の花から水滴が1滴落ちると大地はみるみる艶を取り戻していったのです。
1滴また1滴と水滴が落ちる度に緑が生え、小さな花を咲かせ湧き水も出るようになりました。
その者が瞬きをするだけで暖かなそよ風が吹き、その者が笑うだけで新たな小さな芽が出ました。
その小さな芽から生まれたのが神獣達でした。
その者の名はペガールノ・サステン。
みなはペガサス様と呼び、神様の使いだと称え、感謝の祈りを毎日していました。
が、人間は時間が経つにつれ豊かになればなる程、欲というものが出て来ました。
あの者を自分の言いなりに。
あの者を閉じ込めよう。
あの者を我に。
我に。
我に!!
ペガサス様を捕まえようと躍起になって追い詰めてしまったのです。
ペガサス様は自分の存在が人々をそうさせてるのだと悲しみ、その涙からペガサス様の周りに広大な森が出来、身を隠してしまいました。
その森に入ろうものなら神獣達に阻まれます。
人々は後悔しました。
何て我々は愚かなんだと。
そんな時、負の感情から魔物が生まれてしまいました。
魔物は人々を襲い、ふたたび絶望の縁に立たされたのです。
後悔してもしきれません。
これは我々に与えられたバツなのだ。と人々は戦うことを止め、諦めてしまいました。
そんな時、一瞬にして魔物が消えたのです。
人々は驚きました。
まさか…。
その先には真っ白な馬が翼を広げ立ってこちらを見ていました。
すぐにペガサス様だと誰もが分かりました。
陽の光を浴びたペガサス様は何と美しいことか。
人々は涙を流し、膝を付き感謝を伝え、そして謝罪をしました。
それを受け入れるかのようにひとつ瞬きをして森の中へ姿を消しました。
その暖かなそよ風を受けながら、人々がペガサス様を見た姿が最後でした。
それから神獣と契約出来る者が現れたりしたが大陸全土を救ったペガサス様のお話は伝説となり語り継がれて来たのです__
照りつける太陽に雲1つなく雨も降らない為、飲水も井戸から出る湧き水が頼りでしたが段々少なくなって行き、作物も育たず人々は弱っていってしまったのです。
人々は祈りました。
神様。お願いします。
私達を助けて下さい。
しかし弱っている人々はもう手を合わせる事が出来ない状態までになっていました。
そんな中で、毎日毎日熱心に祈る者がいました。
その者は力の出ない体にムチをうち、両膝を着き、両手を合わせ祈りました。
どうか我々を見捨てないで下さい。
赤ちゃんを…
ご老人を…
人々の家族を…
生きるもの全てにまだこの地で生きる栄誉をお与え下さい…。
そう願いながらその者は力尽きたかのように倒れ込んでしまいました。
もう駄目なのか…。
そう思いながら一筋の涙が顔を伝いました。
その涙が地に落ちる時、その者を柔らかな光が包み込んだのです。
その者の頭からは真っ白な耳が生え、お尻にはフサフサとした立派な尻尾が揺れています。
背中には大きくて真っ白な翼が存在感を主張するように広げて生えていました。
その者は驚きに目を見開いたが、自分にみなぎる力が出て来たのを実感しました。
まず最初にしたことは大陸全土を見ること。
空高く飛び、干からびた大地が続く大陸を眺めました。
何故かは分かりませんが体が勝手に動きます。
最初から分かっていたかのように神力の溜め方もすぐに出来ました。
その溜めた神力をフゥッと吹くとバラバラになり散って行ったのです。
散った神力は干からびた大地に次々と吸収され、吸収された場所から小さな芽が出ました。
その芽は水もなしにすくすくと育ち、やがて美しい黄金の花を咲かせました。
黄金の花から水滴が1滴落ちると大地はみるみる艶を取り戻していったのです。
1滴また1滴と水滴が落ちる度に緑が生え、小さな花を咲かせ湧き水も出るようになりました。
その者が瞬きをするだけで暖かなそよ風が吹き、その者が笑うだけで新たな小さな芽が出ました。
その小さな芽から生まれたのが神獣達でした。
その者の名はペガールノ・サステン。
みなはペガサス様と呼び、神様の使いだと称え、感謝の祈りを毎日していました。
が、人間は時間が経つにつれ豊かになればなる程、欲というものが出て来ました。
あの者を自分の言いなりに。
あの者を閉じ込めよう。
あの者を我に。
我に。
我に!!
ペガサス様を捕まえようと躍起になって追い詰めてしまったのです。
ペガサス様は自分の存在が人々をそうさせてるのだと悲しみ、その涙からペガサス様の周りに広大な森が出来、身を隠してしまいました。
その森に入ろうものなら神獣達に阻まれます。
人々は後悔しました。
何て我々は愚かなんだと。
そんな時、負の感情から魔物が生まれてしまいました。
魔物は人々を襲い、ふたたび絶望の縁に立たされたのです。
後悔してもしきれません。
これは我々に与えられたバツなのだ。と人々は戦うことを止め、諦めてしまいました。
そんな時、一瞬にして魔物が消えたのです。
人々は驚きました。
まさか…。
その先には真っ白な馬が翼を広げ立ってこちらを見ていました。
すぐにペガサス様だと誰もが分かりました。
陽の光を浴びたペガサス様は何と美しいことか。
人々は涙を流し、膝を付き感謝を伝え、そして謝罪をしました。
それを受け入れるかのようにひとつ瞬きをして森の中へ姿を消しました。
その暖かなそよ風を受けながら、人々がペガサス様を見た姿が最後でした。
それから神獣と契約出来る者が現れたりしたが大陸全土を救ったペガサス様のお話は伝説となり語り継がれて来たのです__
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