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第一章
44 メイア王国では
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ルル達がアレク達と話をしている頃、メイア王国では緊急会議が開かれていた。
それは隣国の応援要請に派遣していた騎士団から1通の報告書から始まった。
その手紙を受け取った騎士団の総司令官であるナディエル・ロイナーは読んでいる内に、手に汗をかき鼓動が激しくなるのを必死で押さえ最後まで報告書を読んだ。
読み終えた頃には鳥肌が立っていたがガシガシと荒く腕を擦ると近くで待機していた団員に宰相を呼んで来るように頼んだ。
総司令官の只事ではない気迫にその団員も慌てて部屋を飛び出し宰相を呼びに行った。
総司令官であるナディエルは宰相が来るまで何度も何度もその報告書を読んだ。
まさか…。
その言葉しか頭に浮かばない。
ナディエルはずっと夢見ていた。
小さい子供達は必ず伝説のペガサス様の話を聞かされる。
そしてペガサス様の心の美しさに焦がれ、強さに憧れ、無礼な民をも許し、助けるその姿に誰もが一度は会ってみたいと思うもの。
その気持ちがナディエルは人一倍強かった。
ペガサス様とまではいかないもののペガサス様のように強く慈悲の心を持ち民を助けたい。
そう思い、がむしゃらに国の為に働いた。
気付けば第四騎士団まである騎士団の長。
総司令官にまで上り詰めていた。
そんな彼が受け取った手紙には
[伝説のペガサス様が現れ、隣国共に救って下さりました]
と書かれていた。
そんな。まさか。
何度も自分の目を疑ったが確かにそう書かれていた。
しかも、契約者はあのカイン・ライザー。
史上最年少で騎士団長にまで上り詰めた男。
そんな奴が断固として神獣と契約をしなかったのが、いきなり契約獣が出来たと騒がれていた。
しかも契約紋は虹色。
何の神獣と契約したかは本人も口をつぐみ決して言わないと噂されていた。
ナディエルでさえもそれとなく聞いてはみたが、上手いことはぐらかされた事は記憶に新しい。
どうやってカインはペガサス様と出会ったのか。
契約に至るまでの経緯はなんだったのか。
ペガサス様と会えるのではないかと胸の鼓動が今でも激しい。
そんな事を考えていると宰相がノックをし入ってきた。
「ナディエル。お前の部下が慌てた様子でお前が俺を呼んでいると聞いたが何かあったのか?」
そう声を掛けた男。
名をレイス・ウォッカ。御年48歳。
この国の宰相である彼と総司令官であるナディエルは同じ歳の旧友である。
「ナディエル…?」
声を掛けたにも関わらず、いつもはすぐに返事をするはずのナディエルが1枚の紙を握りしめ、ジッとその紙を見つめていてレイスが来た事に気付いていない様子である。
「ナディエル!!」
レイスが少しばかり声を張り上げ名を呼べば、ハッとし目を見開いてナディエルはこっちを向いた。
それは隣国の応援要請に派遣していた騎士団から1通の報告書から始まった。
その手紙を受け取った騎士団の総司令官であるナディエル・ロイナーは読んでいる内に、手に汗をかき鼓動が激しくなるのを必死で押さえ最後まで報告書を読んだ。
読み終えた頃には鳥肌が立っていたがガシガシと荒く腕を擦ると近くで待機していた団員に宰相を呼んで来るように頼んだ。
総司令官の只事ではない気迫にその団員も慌てて部屋を飛び出し宰相を呼びに行った。
総司令官であるナディエルは宰相が来るまで何度も何度もその報告書を読んだ。
まさか…。
その言葉しか頭に浮かばない。
ナディエルはずっと夢見ていた。
小さい子供達は必ず伝説のペガサス様の話を聞かされる。
そしてペガサス様の心の美しさに焦がれ、強さに憧れ、無礼な民をも許し、助けるその姿に誰もが一度は会ってみたいと思うもの。
その気持ちがナディエルは人一倍強かった。
ペガサス様とまではいかないもののペガサス様のように強く慈悲の心を持ち民を助けたい。
そう思い、がむしゃらに国の為に働いた。
気付けば第四騎士団まである騎士団の長。
総司令官にまで上り詰めていた。
そんな彼が受け取った手紙には
[伝説のペガサス様が現れ、隣国共に救って下さりました]
と書かれていた。
そんな。まさか。
何度も自分の目を疑ったが確かにそう書かれていた。
しかも、契約者はあのカイン・ライザー。
史上最年少で騎士団長にまで上り詰めた男。
そんな奴が断固として神獣と契約をしなかったのが、いきなり契約獣が出来たと騒がれていた。
しかも契約紋は虹色。
何の神獣と契約したかは本人も口をつぐみ決して言わないと噂されていた。
ナディエルでさえもそれとなく聞いてはみたが、上手いことはぐらかされた事は記憶に新しい。
どうやってカインはペガサス様と出会ったのか。
契約に至るまでの経緯はなんだったのか。
ペガサス様と会えるのではないかと胸の鼓動が今でも激しい。
そんな事を考えていると宰相がノックをし入ってきた。
「ナディエル。お前の部下が慌てた様子でお前が俺を呼んでいると聞いたが何かあったのか?」
そう声を掛けた男。
名をレイス・ウォッカ。御年48歳。
この国の宰相である彼と総司令官であるナディエルは同じ歳の旧友である。
「ナディエル…?」
声を掛けたにも関わらず、いつもはすぐに返事をするはずのナディエルが1枚の紙を握りしめ、ジッとその紙を見つめていてレイスが来た事に気付いていない様子である。
「ナディエル!!」
レイスが少しばかり声を張り上げ名を呼べば、ハッとし目を見開いてナディエルはこっちを向いた。
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