俺の前に出るな

マグロ

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学園生活開幕

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先程のことと青欄会の者達はローライズに見られているということもありガッチガチに緊張していた。

「とっ…徒会長のルーランド・マクベスだ。階級はS」

「ふっ…副会長のライト・キーンズです。階級はA」

「しょ…き…のアート・エレク。階級…はA」

「会っ…会計のララ・ハトソンです!階級はA」

「しっ…執行長のヤマト・ハロビンです。階級はA」

「青欄会…補佐のビル・ドールです。階級はS」

「以上が今年度、青欄会のみな様です」

自己紹介が終わりいよいよローライズの番が来た。

みんな見ているだけで緊張をし一言一句聞き漏らすまいとローライズに意識を集中させた。
まだ口はひっついている状態なので騒ぐ奴はいない。

ローライズはゆっくりと立ち上がり気品溢れる歩き方で壇上に上がった。

姿だけでもひと目見ようと体をズラしたり後ろの方は立ったりしだした。

それに気にも止めることなく喋り出した。

「勉学や部活動に励み、共に学園生活を謳歌しよう。これは俺から、これからの学園生活をより有意義に過ごせるように、今日ご足労頂いた来賓の皆様に細やかなプレゼントだ」

そう言うとパンッと一つ両手を叩いた。
すると明るかった会場内が真っ暗になり周りが見えなくなる。
声が出せない為、周りは軽くパニックになっている時、暗闇からポッポッと光の粒が表れた。

それは段々と上空に広がって行き、夜空の中にたくさんの星が散りばめられたようにキラキラと綺麗に輝いていた。

そのキラキラとした光が動き出し次はみんなのいる周りを飛び出した。

まるで歓迎しているかのように。
これからの学園生活を応援しているかのように。

最後に光が一気にまとまり上で花火のように大きく弾けた。
弾けた後、キラキラの粉のようなものが降り注ぎ、そして消えた。

それらの光景は今までに見たことのない綺麗なものであり見た者は一生忘れないだろう。

闇属性と光属性を同時に持つローライズしか出来ないことだった。

「俺からは以上だ」

ローライズはそう言って指をパチンと鳴らし自分の座っていた場所に戻って行った。

途端に口がくっついていた者達は喋れるようになり、一気にワアァァっと拍手喝采が起こった。

が、先程のことを誰もが思い出しすぐに静かになった。

この入学式でさまざまな事が起こり会場にいる全ての者はローライズの力の強さを見せつけられた。
絶対に逆らってはいけない人物。
美しく男前でお心も寛大な人物。

そう会場にいた全ての者が心に刻んでいた。
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