俺の前に出るな

学園生活開幕

4 徒会長ルーランドサイド

今日は待ちに待った入学式。

入学式が楽しみなんじゃなくて、あの！！ローライズ様が入学されると聞いた。

全世界でたった1人ＳＳＳ階級で全属性持ち。
神の模様と同じアザがあり存在しないはずの銀色の髪に金色の瞳らしい。

まだ誰もローライズ様のお姿を見たことはない。
王室に籠もっているらしくどのような人物かは分からないし1つ下だが俺の憧れの存在だ。

ローライズ様はこの国の王子であり全世界の絶対的な存在の為、簡単にお声は掛けられない。
喋れるとしたらローライズ様から話し掛けて来ない限り接触は出来ないのだ。

少しでもそういった機会が欲しい。
ローライズ様が入学するという噂を聞き、あれだけ面倒で嫌なはずだった青藍会。
藁にもすがる思いで徒会長になることを二つ返事で了承したくらいだ。

ローライズ様の到着を今か今かとすでに着席しているみんなで待つ。

(ちなみに俺の席は壁に椅子が並んである１番前の席)

すると入口の方から徐々にざわめきが起こり始めた。
だんだんざわめきが近付いて来る。

そしてやっとお姿を現したローライズ様を見れた時、一瞬、息が止まってしまった。
スラリと背の高い美丈夫。
短く切りそろえられた見事な銀色の髪に長いまつ毛に縁取られたキラキラした金色の瞳。
目や鼻、口は小さいお顔に完璧な位置に納まっている。
制服の隙間から見え隠れする首元の複雑な模様のアザ。

あぁ…やっと…やっとローライズ様のお姿を拝見することが出来た。
こんなに美しい方を見たことがない。
それは周りも同じようで会場内の視線を全て集めていた。

ローライズ様の近くにずっといた方は執事のアベリー・ラック様。
彼もローライズ様の執事とゆうことで有名で大変、優秀らしい。

俺がその座に付きたかった。
ローライズ様の執事の条件は必ずＳ階級であること。
幸い、俺もＳ階級だ。
もっと努力をしこの学園の徒会長という名誉とローライズ様への忠誠心を見せればもう1人お側に置いてはくれないだろうか。

そんな事を考えながらローライズ様を見つめていればアベリー・ラック様は礼をし離れて行った。

するとローライズ様は隣に座っているリロイ・クラッシュに話し掛けていた！

なっ…なんと羨ましい！！
羨ましい羨ましい羨ましい！！

そう言えばリロイもＳ階級だったな。
クソっ！あの場に俺も居たかった！

リロイとどんな話をしているのだろう。
リロイを気に入ったらどうしよう。
俺も早くローライズ様と接触しなければ…！

どうすればいい？
どうしたらローライズ様とお話出来る？

あまりの嫉妬で顔が歪んでいたと思う。
リロイを通してチラッとローライズ様がこちらを見た気がした…。