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学園生活開幕
7 徒会長ルーランドサイド
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入学式の後片付けが終わり職員室で用事を済ませ、俺は青藍会室に向かう為、誰もいない静かな廊下を1人歩いていた。
ずっと頭にあるのは入学式でのローライズ様。
ローライズ様を見た時からずっと考えてる。
「おい」
すると後ろから声を掛けられた。
誰もいなかった筈の廊下。
人の気配も何もなかった。
しかし、この声は忘れるはずもない。
たった今の今まで考えていたお方の声だ。
まさか…まさかまさかまさか!
認識した途端に入学式の時の様な震えが起き出す。
「おい。2度呼ばせるな」
怒気を含んだ声に素早く振り向く。
そこには焦がれてやまないローライズ様が壁にもたれながら2つの金色の瞳でこっちを見ていた。
あぁ…ローライズ様の瞳の中に俺だけが映っている。
ローライズ様から俺に接触して下さっている。
あまりの嬉しさに目が潤み出す。
足が震えているのもあり簡単に泣き崩れてしまった。
「何故泣く?」
静かな声が俺に問い掛けて来た。
「もっ…申し訳ありません。まさかローライズ様からこんなに早くお声を掛けて下さるとは思っておらず嬉しさのあまり…」
すぐに涙を拭き、足に力を入れ立つ。
「こんなに早く?嬉しい?お前、入学式の時、リロイか俺を睨んでいたな。あれは何故だ」
「にっ!睨んでなんかおりません!私は小さい頃からローライズ様にお慕いしております。なのでローライズ様と話をしていたリロイ君に恐れ多きながら嫉妬をしてしまったのです」
「俺の事は赤子の誕生の時以外、知らないはず。どこに慕う要素がある?」
「全てでございます!確かに容姿や性格は噂でしか聞いた事はありません。ですが、小さい頃からローライズ様の階級や全属性を操れるお力に憧れを抱きました。そして今日、ローライズ様のお姿を拝見し、粋な計らいにより素晴らしいショーを見せて頂いて、更にお心を掴まれてしまいました。私の小さい頃からの夢はローライズ様のお側で仕える事でした。今もその気持ちは変わっておりません」
涙は止まったはずなのにまた声が震えて来てしまった。
そしてローライズ様の射抜くようなトゲのある追求に全て包み隠さず答えた。
ローライズ様に嫌われたくない。
嫌われてしまったらもう生きて行く価値がない。
「合格」
ふいにローライズ様がそう言った。
「え?」
聞き返すと同時にローライズ様が手の平を上に向け、人差し指だけを出しクイッと自分の方に向ける仕草をした。
すると俺の体が物凄い速さでローライズ様の所へ飛んだ。
ぶつかる!と目を瞑ったが衝撃はなく、ローライズ様のすぐ目の前で止まった。
呆然としていると
「お前の気持ちはよく分かった。悪い気はしない。俺の近くにいる事を許そう。ルーランド」
そう言って下さったのだ。
初めて名前を呼ばれ近くにいる事を許された。
まさかこんなに早くローライズ様のお近くにいることを許されるとは思っていなかった。
嬉しさのあまりまた涙が出て来てしまった。
「もったいなきお言葉でございます…」
それしか言えなかった。
ずっと頭にあるのは入学式でのローライズ様。
ローライズ様を見た時からずっと考えてる。
「おい」
すると後ろから声を掛けられた。
誰もいなかった筈の廊下。
人の気配も何もなかった。
しかし、この声は忘れるはずもない。
たった今の今まで考えていたお方の声だ。
まさか…まさかまさかまさか!
認識した途端に入学式の時の様な震えが起き出す。
「おい。2度呼ばせるな」
怒気を含んだ声に素早く振り向く。
そこには焦がれてやまないローライズ様が壁にもたれながら2つの金色の瞳でこっちを見ていた。
あぁ…ローライズ様の瞳の中に俺だけが映っている。
ローライズ様から俺に接触して下さっている。
あまりの嬉しさに目が潤み出す。
足が震えているのもあり簡単に泣き崩れてしまった。
「何故泣く?」
静かな声が俺に問い掛けて来た。
「もっ…申し訳ありません。まさかローライズ様からこんなに早くお声を掛けて下さるとは思っておらず嬉しさのあまり…」
すぐに涙を拭き、足に力を入れ立つ。
「こんなに早く?嬉しい?お前、入学式の時、リロイか俺を睨んでいたな。あれは何故だ」
「にっ!睨んでなんかおりません!私は小さい頃からローライズ様にお慕いしております。なのでローライズ様と話をしていたリロイ君に恐れ多きながら嫉妬をしてしまったのです」
「俺の事は赤子の誕生の時以外、知らないはず。どこに慕う要素がある?」
「全てでございます!確かに容姿や性格は噂でしか聞いた事はありません。ですが、小さい頃からローライズ様の階級や全属性を操れるお力に憧れを抱きました。そして今日、ローライズ様のお姿を拝見し、粋な計らいにより素晴らしいショーを見せて頂いて、更にお心を掴まれてしまいました。私の小さい頃からの夢はローライズ様のお側で仕える事でした。今もその気持ちは変わっておりません」
涙は止まったはずなのにまた声が震えて来てしまった。
そしてローライズ様の射抜くようなトゲのある追求に全て包み隠さず答えた。
ローライズ様に嫌われたくない。
嫌われてしまったらもう生きて行く価値がない。
「合格」
ふいにローライズ様がそう言った。
「え?」
聞き返すと同時にローライズ様が手の平を上に向け、人差し指だけを出しクイッと自分の方に向ける仕草をした。
すると俺の体が物凄い速さでローライズ様の所へ飛んだ。
ぶつかる!と目を瞑ったが衝撃はなく、ローライズ様のすぐ目の前で止まった。
呆然としていると
「お前の気持ちはよく分かった。悪い気はしない。俺の近くにいる事を許そう。ルーランド」
そう言って下さったのだ。
初めて名前を呼ばれ近くにいる事を許された。
まさかこんなに早くローライズ様のお近くにいることを許されるとは思っていなかった。
嬉しさのあまりまた涙が出て来てしまった。
「もったいなきお言葉でございます…」
それしか言えなかった。
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