俺の前に出るな

マグロ

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学園生活開幕

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朝を迎え、横を見るとルーランドが寝ていた。
久々に人の温もりを感じた。

限られた人の中でしか育っていなかったローライズでもそれなりに性教育は受けていた。

むしろ精通の早かったローライズに王が心配したのだ。
力でも容姿でも魅力のあるローライズ。
そんなローライズは世に出たら周りはほっとかないだろう。
その前にちゃんとさせて置きたかったのだ。


性教育を教える為に選ばれた教師は娼婦の中でも1番有名な女がローライズを受け持った為、性的なテクも半端なく上手かった。 

男相手は初めてだったがローライズには関係なかったようだ。

ローライズはあまり性欲は強い方ではなかったが溜まるととことんヤッてしまう為、抱き潰してしまう。
今回もそうだった。

「んっ…ローライズ様…」

しゃがれた声で起き上がろうとするルーランド。

「今日は休め。俺から言っておく」

それだけ言いローライズは制服に着替え、出て行った。

アベルが帰って来ていたのかローライズの部屋の前に立っていた。

「おはようございます。ローライズ様。ルーランドは中に?」

「あぁ、今日はもう動けないだろう。後は頼む」

「かしこまりました」

後はアベルに任せれば大丈夫だろう。
そう思って朝食を食べ、学園へ向かった。

ルーランドの担任に今日は休む事を伝え、教室に入った。
するとそこにはもうライトが来ていた。

「おはようございます。ローライズ様」

「おはよう」

「ローライズ様に話があります。別室に移動して頂けますか?」

「あぁ、分かった」

そう言って別の教室に入った。

「いきなり申し訳ありません。ローライズ様。初めての学園生活はどうですか?」

「それなりに楽しんでる」

「そうですか。それはよかった」

「なんだ」

「学園生活を楽しんで頂きたいのは私達の願いなのですが少しばかり変更がございます」

「と言うと?」

「ローライズ様はこの学園を卒業されれば絶対的王者…すなわち全世界の王の頂点になることがお生まれになった時から決まっております。そこで各国を周って頂き、その目で各国を見てからその地位に着いた方があなた様の為だと王宮会議で決まりました。先日の件があり、あなた様の事を何も知らない奴らも居られます。事前に防げる物は防いで置きましょう。よってこれからあなた様は特別授業。1週間後よりこの学園を出て頂き、まずは隣国であるラーカス王国へ行って下さい。ラーカス王国の王宮にはもう知らせてあります」

「で?」

「アベルにももう伝えてあります。アベルもお供するでしょう。ルーランドはまだ未熟者ですので学園へ残って頂き、ローライズ様の為に私が指導致します。卒業してからでも遅くはないでしょう」

「分かった」

「この学園へローライズ様が再び戻る時は約1年半後、3年生になる頃だと想定しています。過酷かとは思いますがご無事をお祈りしております。これも運命なのです」

ライトが苦痛な顔をしながらそう言った。
俺が生まれた時から言われ続けたこと。

これも運命

昔は何が何だか分からなかったがもう決まっていたこと。
今更、騒いだりしない。

「分かった」

それだけ言い、先に部屋を出た。

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