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41,まさかのツンデレだった。
しおりを挟むもうこれも読み飽きたな、なんて考えながら本をテーブルの上に置く。ローレンの淹れてくれたフルーツティーは、この前アートラスから頂いたものだ。
「何度も言っていますが、俺が茶を淹れるのはこれで最後ですからね。次からは侍女に…」
「んー……俺、ローレンが淹れてくれたお茶の方が安心して飲めるんだよね。…ダメ?」
「うっ……」
こう言えば何も言えなくなること間違い無しだったのだけれど、今日のローレンは食い下がってきた。
「いや、ですが!いいですか!!この城で信用出来る者など誰もいないのです!信用できるのは陛下だけでいいんです、分かりましたか!?」
「…ローレンって可愛いよね、よく見たら」
「は!?」
「なんだろ?ロイス……じゃない、アグシェルト様の隣にいたら、余計に可愛く見えて」
「……レイ様、本当に恋人だったとかそういうのでは」
「アグシェルト様と!?ないない!有り得ない!」
兄弟だしね!とは言えないけれど。
「…ローレンさ、アグシェルト様のこと嫌い?」
「……別に嫌いとかじゃないですよ」
「そうだよね、嫌いな人に抱かれたりしないよね」
「っ…だから、もう少しオブラートに包みましょう!?」
すぐに真っ赤になるローレン……女装させたい。よくよく見れば女顔っぽいし、似合うと思うのだけれど。
「ねぇローレン、じょそ」
「今貴方が考えていることが手に取るように分かりますが、言ったらしばらく口を聞きませんよ」
「……勿体無い。アグシェルト様みたいな優良物件そうそう無いよ?」
「アルファ同士じゃないですか」
「結婚は出来るじゃん」
「子供は作れません」
「それってアグシェルト様との結婚とか子供を作ること自体はオッケーってこと?」
「なっ、な、……っ……」
ーーあれ?これ、普通に脈あるんじゃないの?
ロイス兄様、あともう一押しでは!?
と、思ったとき。噂をすれば何とやら、外から侍女の声が聞こえる。
「王妃様、ロイス・アグシェルトが見えております」
「お通しして」
ちらりとローレンを見ると、どうしたのか、さっきとは打って代わって平常モードだ。
「王妃様、ご挨拶申し上げます」
「ロ……アグシェルト様、どう致しました?あ、ローレンですか?」
ここしばらくはこの部屋に、というより徹底的にローレンを避けていたように思えたのだけれど。
「…いえ、少し視察で遠くまで行ったものですから、地方の珍しい菓子を持って参りました」
「お土産っ?」
パッと目が輝いたレイに、ロイスがくすりと笑う。
「本当に昔から、甘いものが大好きだな」
「えへへ…」
また、覚えててくれた。嬉しい。自分が兄のことで覚えていることはあまり多くない。幼いこともあったし、会うのはいつだって人目につかない場所だった。
「先程侍女に渡したので、毒味が済み次第どうぞ召し上がりを」
「ありがとうっ!」
早く持ってこないかな、ともう考えるだけで幸せになってしまう。糖分は正義だ。
「…あと、それから」
ロイスが横に立っていたローレンの方を向く。
「貴方のように美しい花だと思って」
ロイスが差し出したのは、淡い青色の花弁が特徴のトルピーという花が挟まれたしおりだ。東の地に、それも少量しか繁殖せず、とても高価だ。
「本がお好きだと聞いたものですから」
「…ありがとうございます」
「いえ、気に入って下されば良いのですが」
では仕事がありますのでまた、とロイスが頭を下げる。また来てくださいねとレイが返し、部屋を出ていった瞬間。
「え、ローレン!?」
顔がを真っ赤にしてその場に座り込むローレンに、慌てて声をかける。
「どうしたの!?」
「な、な、なんなんですかあの人、あんな歯の浮くような台詞をっ…」
「…えっ?」
「だ、大体、お、俺が本好きとか、どこで聞いたんですか本当にもうっ…!」
「……えええええええ!?え、貰ったときめっちゃ平然としてたじゃん!?ちょー冷めた顔してたじゃん!?」
「…べ、別にあの人のこと好きとかじゃないし、」
「ツンデレなの!?なにそれツンデレだったの!?」
と、その時だ。
「好きでもない人に抱かれたりするわけないでしょう…!」
「……えっ」
えっ?
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