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都市伝説、怪談、怖い話
ヘルメットの中に囁く声
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バイクで林道を走るのが趣味の人に聞いた話
林道ツーリングにはアスファルトを走るのとはまた違った面白さがある、林道でも雑誌に載っているような有名どころもあれば獣道のようなところを探して走ることも出来るのだとその人は言う。
その日も他のオフローダー達が通った轍がないところを探すため、初めて来た山を慎重に走っていたそうだ。
開拓というのは面白さの反面リスクも高く、崖や穴や岩といった障害物がどこにあるかも分からない上に、万が一負傷しても救急車は来てくれない。
それどころか電波が通じないこともあるのだという。
いつもよりも慎重に運転し、ときにはバイクからおりて自らの足で障害物や穴がないかを確認しながら進んでいく。
無事に帰れるように目印を付けることも怠ってはならない。
慎重に進んでいたそうだが、その人はつい楽しくなってしまい帰路に着く予定の時間を過ぎてしまっていたそうだ。
暗くなる前に戻らないと。
日が沈んでしまってはバイクのヘッドライトだけで目印を見つけることも難しくなり、見えているときはなんてことのない障害物も事故の原因になる。
そんなことを考えながら来た道を戻っていると、急に開けたところに出たそうだ。
その一体だけすり鉢のように少し窪んでおり木々が生えていない。
こんなところあったかな?
その人は急にあらわれた空間に驚きながらもバイクをおりて近付いてみることにした。
近付くにつれてすり鉢状になっている丁度真ん中になにかが置いてあることが分かった。
なんだろうアレは、もう少し近付いてみようと思い足を進めようとしたとき
アハハハハハハハハ
アハハハハハハ
急になにかの笑い声が聞こえてきた。
ヘルメットをかぶっているにも関わらずその声は耳元で叫んでいるかのように聞こえてきた。
女性のようなでもあり子どものようなでもある甲高い声なのだが、狂気をはらんでいるような不気味な声だったそうだ。
ここにいてはいけない!
その人の本能がそう告げていた。
そこからの記憶は曖昧だという。
慌ててバイクに跨り、とにかく必死に山を下る。
気が付くと舗装され道路案内の看板もあるアスファルトの道に出ていたそうだ。
帰ろう。途中に温泉でもあったら寄って落ち着こう。
その人は案内看板に書いてある見慣れた地名の方向にバイクを傾け帰路についた。
話を聞かせてくれたときには時間が経過しており、その人の曖昧であった記憶も少し整理がついていたようで。
あの時みたすり鉢状の場所の中心にあったのは大きな猿の亡骸だったと思う。
そう教えてくれた。
その人の耳元で聞こえたあの笑い声の正体はこれ以上来てはいけないという山の神様からの警告なのか、それとも獲物が領域に入ってきたことを喜ぶモノの歓喜の声なのだろうか。
真相は不明だが、山には人が入ってはいけない領域がある。
それだけは確かなことのように思える。
林道ツーリングにはアスファルトを走るのとはまた違った面白さがある、林道でも雑誌に載っているような有名どころもあれば獣道のようなところを探して走ることも出来るのだとその人は言う。
その日も他のオフローダー達が通った轍がないところを探すため、初めて来た山を慎重に走っていたそうだ。
開拓というのは面白さの反面リスクも高く、崖や穴や岩といった障害物がどこにあるかも分からない上に、万が一負傷しても救急車は来てくれない。
それどころか電波が通じないこともあるのだという。
いつもよりも慎重に運転し、ときにはバイクからおりて自らの足で障害物や穴がないかを確認しながら進んでいく。
無事に帰れるように目印を付けることも怠ってはならない。
慎重に進んでいたそうだが、その人はつい楽しくなってしまい帰路に着く予定の時間を過ぎてしまっていたそうだ。
暗くなる前に戻らないと。
日が沈んでしまってはバイクのヘッドライトだけで目印を見つけることも難しくなり、見えているときはなんてことのない障害物も事故の原因になる。
そんなことを考えながら来た道を戻っていると、急に開けたところに出たそうだ。
その一体だけすり鉢のように少し窪んでおり木々が生えていない。
こんなところあったかな?
その人は急にあらわれた空間に驚きながらもバイクをおりて近付いてみることにした。
近付くにつれてすり鉢状になっている丁度真ん中になにかが置いてあることが分かった。
なんだろうアレは、もう少し近付いてみようと思い足を進めようとしたとき
アハハハハハハハハ
アハハハハハハ
急になにかの笑い声が聞こえてきた。
ヘルメットをかぶっているにも関わらずその声は耳元で叫んでいるかのように聞こえてきた。
女性のようなでもあり子どものようなでもある甲高い声なのだが、狂気をはらんでいるような不気味な声だったそうだ。
ここにいてはいけない!
その人の本能がそう告げていた。
そこからの記憶は曖昧だという。
慌ててバイクに跨り、とにかく必死に山を下る。
気が付くと舗装され道路案内の看板もあるアスファルトの道に出ていたそうだ。
帰ろう。途中に温泉でもあったら寄って落ち着こう。
その人は案内看板に書いてある見慣れた地名の方向にバイクを傾け帰路についた。
話を聞かせてくれたときには時間が経過しており、その人の曖昧であった記憶も少し整理がついていたようで。
あの時みたすり鉢状の場所の中心にあったのは大きな猿の亡骸だったと思う。
そう教えてくれた。
その人の耳元で聞こえたあの笑い声の正体はこれ以上来てはいけないという山の神様からの警告なのか、それとも獲物が領域に入ってきたことを喜ぶモノの歓喜の声なのだろうか。
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それだけは確かなことのように思える。
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