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都市伝説、怪談、怖い話
鯨の哭き声
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山口県下関市にある旧クジラ館跡(旧下関水族館)の話
下関はかつて捕鯨で栄えた町であり、現在は食糧捕鯨は衰退したものの鯨を食べる文化や鯨の専門店が現在も残っている。
鯨食の文化を伝えるため、今も学校給食では時折鯨の竜田揚げが出ることがある。
少し特別な感じのあるメニューであるが、年配の方たちにとってはそれこそ豚肉や鶏肉のようなものであったそうで現代以上に鯨が文化に根付いた海の町だったのである。
海の町下関には今も海響館という水族館がある。
シロナガスクジラの骨格標本の展示など世界的にみても非常に珍しい展示がありここでも鯨の存在を感じることが出来る。
この話はその海響館が出来る前にあった旧下関水族館にまつわる話になる。
かつてアジア最大の大きさを誇った旧下関水族館には「クジラ館」というコンクリート製の建物があった。
水族館の脇にある小高い丘の頂上にあったクジラ館は全長約25m
シロナガスクジラを模した建物であり柱で宙に浮いている様は、まるで鯨が宙を泳いでいるかのような壮大なフォルムである。
鯨のお尻あたりに通じる階段を登り扉を開けると鯨にまつわる展示物と、鯨の空いた口にみたてたガラス張りからは関門海峡を望むことが出来た。
現在もクジラ館は残っているが入口は封鎖されており中に入ることは出来ない。
下関水族館は既に解体されて久しく、かつては多くの市民や観光客で賑わった場所に人の声はない。
クジラは小高い丘のうえでひっそりと海を眺めている。
解体されしばらくした頃から水族館跡地で奇妙な噂が囁かれるようになった。
夜になるとクジラ館から悲しそうな声が聞こえてくるのだという。
風の音の聞き間違いや誰かが悪戯をしているのではないかと調べにいった人もいたようだが、そこには誰もおらず鯨が寂しげに佇んでいるだけであったという。
他にも今は入れないはずの鯨の中に人影をみたという人もいた。
平成11年に高波の影響で壊滅的な打撃を受け閉館せざるを得なくなった下関水族館。
鯨は声でコミュニケーションをとる生き物でもある。
突如として途絶えてしまった人の波の恋しさと寂しさで鯨が泣いているのだろうか?
それとも、
かつてクジラ館の中に展示されていたもの中には、鯨の骨だけでなく捕えられた鯨の胎の中にいた胎児の標本や鯨の脳の標本などがあった。
人間の事情で捕らえられホルマリン漬けにされた挙句、死後も展示物とされた鯨達の無念が霊となって鯨を模した建物に宿り哭いているのかもしれない。
だが、クジラ館の中の人影はいったい何者なのだろうか。
クジラ館跡にはなにか秘密が隠されているのかもしれない。
下関はかつて捕鯨で栄えた町であり、現在は食糧捕鯨は衰退したものの鯨を食べる文化や鯨の専門店が現在も残っている。
鯨食の文化を伝えるため、今も学校給食では時折鯨の竜田揚げが出ることがある。
少し特別な感じのあるメニューであるが、年配の方たちにとってはそれこそ豚肉や鶏肉のようなものであったそうで現代以上に鯨が文化に根付いた海の町だったのである。
海の町下関には今も海響館という水族館がある。
シロナガスクジラの骨格標本の展示など世界的にみても非常に珍しい展示がありここでも鯨の存在を感じることが出来る。
この話はその海響館が出来る前にあった旧下関水族館にまつわる話になる。
かつてアジア最大の大きさを誇った旧下関水族館には「クジラ館」というコンクリート製の建物があった。
水族館の脇にある小高い丘の頂上にあったクジラ館は全長約25m
シロナガスクジラを模した建物であり柱で宙に浮いている様は、まるで鯨が宙を泳いでいるかのような壮大なフォルムである。
鯨のお尻あたりに通じる階段を登り扉を開けると鯨にまつわる展示物と、鯨の空いた口にみたてたガラス張りからは関門海峡を望むことが出来た。
現在もクジラ館は残っているが入口は封鎖されており中に入ることは出来ない。
下関水族館は既に解体されて久しく、かつては多くの市民や観光客で賑わった場所に人の声はない。
クジラは小高い丘のうえでひっそりと海を眺めている。
解体されしばらくした頃から水族館跡地で奇妙な噂が囁かれるようになった。
夜になるとクジラ館から悲しそうな声が聞こえてくるのだという。
風の音の聞き間違いや誰かが悪戯をしているのではないかと調べにいった人もいたようだが、そこには誰もおらず鯨が寂しげに佇んでいるだけであったという。
他にも今は入れないはずの鯨の中に人影をみたという人もいた。
平成11年に高波の影響で壊滅的な打撃を受け閉館せざるを得なくなった下関水族館。
鯨は声でコミュニケーションをとる生き物でもある。
突如として途絶えてしまった人の波の恋しさと寂しさで鯨が泣いているのだろうか?
それとも、
かつてクジラ館の中に展示されていたもの中には、鯨の骨だけでなく捕えられた鯨の胎の中にいた胎児の標本や鯨の脳の標本などがあった。
人間の事情で捕らえられホルマリン漬けにされた挙句、死後も展示物とされた鯨達の無念が霊となって鯨を模した建物に宿り哭いているのかもしれない。
だが、クジラ館の中の人影はいったい何者なのだろうか。
クジラ館跡にはなにか秘密が隠されているのかもしれない。
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