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しおりを挟む「馬鹿じゃないの? 感傷的な所悪いけど、ノアの彼女ってナナだけじゃないよ」
トールさんは吐き捨てるようにいった。
視線もどこか冷たい。知っていて結婚している人と関係をもっていたことにあきれられたのだ。
「すみません……」
「僕に謝られても困るよ」
「……そうですよね……私、も、帰りますねっ……」
みじめだし、こんな所で愚図っているのが申し訳なくなってきた。
立ち上がろうとしたら、手を引かれた。そのままトールさんの腕の中に抱き寄せられた。
「僕の部屋から女の子が泣きながら飛び出てきたって近所の噂になったらどうするの?」
トールさんはため息をついた。
でも優しく背中を撫でてくれる。掌が暖かくて涙が溶け出すようにこぼれる。必死でとめようとしても、息が止まって苦しくなるだけだった。
「そんなに悲しいの」
「……す、すみませ……」
「僕にしとけば?」
「……え?」
驚いて見上げるとトールさんの指が顎にかかって、キスをされた。荒い息をついてぼう然としたたま彼の顔を見ていた。
「ノアほどカッコよくないけど、だからこそ横取りされる心配もないよ」
「……え……イドラさんは……?」
「イドラ嬢? 友達だよ」
トールさんは笑って私を抱き上げた。彼の膝の上に抱かれて、子どもにするように視線を合わされる。
「僕のことは嫌い?」
「……そ、そんな……」
「嫌いじゃないならいいよ。ね?」
また唇がかさなる。言葉を探している間にキスが深くなって、舌がまた私のそれに絡みついてきた。
優しいけれどぬるぬると逃げ道を塞がれて、一度は落ち着いた呼吸がまた乱れはじめた。
いつの間にか片手が乳房を揉む。指先で指の飾りを見つけて、服の上からやわやわとそこを刺激した。
「あ、ぁ……トールさん、待っ……」
「声、いつも聞こえてたよ」
「えっ!?」
「もしかして聞かせてた?」
トールさんはあやしく笑った。ノアさんとの行為のことだ。たしかに階段を上がる音さえ聞こえるのだから、むこうの部屋の声が聞こえてたっておかしくない。
「……信じた?」
「えっ!?」
「ごめん、嘘だよ。でももっと聞かせてほしいな」
トールさんは私を抱き直して背後にまわった。うしろから腕が伸びて、服の上からまた両胸の先を指先で撫でられる。
仕草は優しいけれどだんだん身体が痺れていく。逃れようと身をよじると、無理強いしないくらいの力で引きもどされた。
「あ、ぁあ……や、やめ……んんっ……」
髪を上げたうなじに唇が這う。そのまま首筋を食んで耳をべろと舐めた。柔らかくて熱い感触に背筋が泡立つ。
リボンを緩めてブラウスを肩から落とされ、露になった胸の飾りを今度は直に摘まれた。指先でくりくり転がされて我慢できない声が漏れる。
「ん、ぁ、あ……」
「ノアに触られたから、そんなに感じるようになったの?」
「……え!? ちが、ち……あぁぁ……」
乳首をきゅっと摘まれて太ももを擦りよせてしまう。違う? とトールさんが耳元でささやく。片手がスカートの中に入って、痛みすら覚えはじめたそこに触れた。
指がぬるりと滑るのがわかる。指先で入り口を探して、一度に二本の指が中に入ってきた。いつもより圧迫感が強くて背筋が強ばる。じゅぶと音がする。
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