28 / 43
5話 あいつ
1.燐
しおりを挟む小六でうちにきた緑のインコにずっと恋をしてる。
それはこれまでも、こらからもきっと変わらない。
「あずきの写真撮れた?」
「毎日聞くよねそれ」
あつしくんは僕の垢をいぬス○グラムにするつもりだ。
彼と歩くと視線を感じる。見知らぬ女の子がアカウント見てますと声をかけてくる。
当の本人は子犬を追いかけ回してる。
世の中は不思議だ。
「あっ京!」
「燐ちゃん!」
「げっ……リリン」
学内のコンビニから出てきた男にあつしくんは顔をしかめた。
彼の名前は李燐ちゃんという。
人懐こいキツネ目の笑顔でニコニコしてるが、こいつは食わせ者だ。
僕の高校時代の同級生で、一年の頃は同じサークルに所属してた。
しかし彼は先輩の彼女にちょっかいを出して追放されたのだ。あの時は空気がピリついて皆迷惑をこうむった。
あつしが嫌な顔をするのも分かる。
「ねぇこの後飲みに行かない?」
「やだよ。俺この後コイツの家行くもん」
「え? 聞いてないよ」
あつしはあずき(犬)に会わせろとごねる。燐は女と住みはじめたの? と勘違いした。
話がゴチャついて僕もイライラしてきた。
だから三人で飲みに行くかここで解散するかの二択を迫った。
その後ならあずきに会わせてやると言うと、2人とも素直にうなずいた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる