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7話 警告
1.ささくれ
しおりを挟むお風呂から上がったあずきは人間の姿だ。
パジャマ姿で赤茶色の癖毛をタオルでふいてる。
「あずき、こっちおいで」
「なんですかっ」
ソファに呼ぶとトコトコ歩いてきた。
ソファはピーに喰われあずきに掘られボコボコになってる。
熱士くんが今度あまったア○ギフで新しいのを買ってくれるらしい(彼の寝床だから)。
あまった○マギフってなに……?
座らせて両手を手に取ると細い指に小さなささくれができていた。
銀の爪切りで根元のカーブに合わせて甘皮を切る。終わったらオイルをつけてあげた。
あずきはおおと声を上げ自分の手を見つめる。
ささくれのある手は働き者の手だ。
それは立派なことだ。それをこうやって労わる時間がつくれれば人生は少し豊かになると思う。
あずきにささくれができるのは水仕事をしてるからだ。椅子を踏み台にして洗い物をしてくれる。
僕には低い流しがあずきには高すぎる。
子どもに無理して仕事をさせてる気がする。一方で大人の行動を制限してるような気もする。
あずきって何なんだろう。
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