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シーザリアの巫女
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古代に消え去った、エリサニア帝国の継承者である、4つの国で
唯一の大国、シーザリア王国の野望を阻止したい、両国の思惑から
ラーラント王国は北側にある、ミストラル公国と婚姻による
強固な同盟国となっている。
ラーラントの東側、オルトザル山脈との狭間には
どちらの勢力にも、積極的には加担する事はない
トーラル王国が、戦いの情勢を静かに見守る中
シーザリアとラーラントの2つの国を中心に
果てしなき戦いを、1000年もの長きに渡り続けている。
「もたもたするな、敵軍と早くぶつかり、戦わんと飛んでくる
魔法と矢の餌食になるぞ、走れええっ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお~」
主君である王の号令の下、各部隊指揮官の指示により
全軍が進軍を始めたシーザリア軍が、進んでいく速度を、徐々に上げ始めると
シーザリア軍に向かって、ラーラント軍全軍も
負けじと速度を上げ、進軍していく。
「敵の勢いに負けるな、進めえ!」
双方の軍、後方の魔道師隊から、精霊に対して
長き集中と祈りによる時間と詠唱を必要としない
威力の小さな攻撃魔法が、まず互いに向けて放たれ
さらに両軍が接近すると、弓隊による一斉射が互いに浴びせられる。
互いの後方から狙いを定めて、放たれる魔法や矢の標的となり
その場に次々と倒れ、犠牲になった者達に見向きもせず
両軍とも、正面の敵に向かって互いに突き進んでいくと
手に持っていた、短めの槍を敵に向かって、一斉に投げた後
接近して戦うため、鞘に納めていた剣を抜いたり
身体に身に着けていた、棍棒や斧を手に取り、また走り出した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお~」
やがて、戦場となった、渓谷で決して互いに譲れない何かを示すように
両軍が正面から激突し、兵士達がひしめき、押し合いはじめる中
シーザリア軍の後方で、親衛隊の掲げる、魔法で祝福された
無数の巨大な漆黒の大盾に護られ、硬く守護された、魔道師隊の最奥で
まるで、何事もおきていないかのような、静寂につつまれた長きの祈りの後
漆黒のフード付マントを纏った、風の巫女が
静かに閉じた目を見開き、呪文(スペル)の詠唱をはじめる。
「風の精霊メルキルよ
古(いにしえ)に交わされし、血の盟約にしたがい
その力を大気の息吹とし
全てを切り裂く刃として、我に授けよ」
呪文の詠唱を終えると同時に、巻き起こり始めた風に吹かれて
漆黒のフードに覆われていた、巫女の素顔が明らかになる。
少し浅黒い肌に、艶やかな黒い髪と同じ色の黒い瞳をした少女は
人間と精霊の中間のような、神秘的な雰囲気を漂わせており
その小さな耳は先が少しだけ尖っている。
人より精霊に近い、エルフの血を引く、少女の呪文詠唱までの
祈りを捧げ魔力を高めていく時間は、人間より短かい。
「ランドスクレーバー」
少女が最後に呟くと、戦場で、ひしめき合う両軍の上空で
音も無く、舞い始めた風は渦を巻いて
唸りを上げるような旋風(つむじかぜ)となり
ラーラント軍の後方にある、敵軍を指揮し
その頭脳として、中枢となっている
国王親衛隊に守護された、ラーラントの王と
その後方にいる、魔道師隊に向かっていく。
回転の勢いを、さらに増していく旋風(つむじかぜ)は
進路にあるシーザリア軍を襲おうとして
宙にあった無数の魔法や矢にぶつかると
見えない鋭い刃があるように、その全てを切り裂き
なぎ払い、衰えるどころか、ますます回転の勢いを強め突き進む。
「くるぞっ、親衛隊、盾を掲げろ、精霊ヴァルカのご加護を!」
親衛隊長ベルナルドの号令に、親衛隊の兵士達は迫り来る
魔法で生じた旋風(つむじかぜ)に向かって、巨大な無数の白銀の盾を構える。
やがて、親衛隊に向かって、旋風(つむじかぜ)が激突すると
魔法で祝福された白銀の盾が、全てを切り裂かんとする
回転する見えない、風の刃を押しとどめはじめる。
「歯を食いしばるんだ、大地から切り離され
あの風の中に巻きこまれれば助からんぞ!」
自らも決死の覚悟で大盾を掲げ、魔法の脅威に立ち向かう
親衛隊長ベルナルドの警告もむなしく
屈強な精鋭ぞろいの親衛隊の兵士達の命を吸い、魔力に変換し
あらゆる魔法を防御する、魔法の大盾に、全てを奪われたものは力尽きていく。
「もう駄目です、眠い……」
盾を掲げ続ける事に疲れ果て、意識が朦朧としはじめた
親衛隊の兵士の何名かが、唸りを上げる風に巻き込まれ
舞い上げられると、荒れ狂うような、つむじ風の中で、悲鳴を上げながら
纏っている鎧など、何の意味もなさないように
激しく渦を巻く大気の刃で、無残にもズタズタに切り裂かれていく。
「うわああああああああああああ ぎゃああ」
意識を失い、風に舞い上げられ吸い込まれようとする
仲間をなんとか必死に押しとどめようとして
自らも吸い上げられ、供に死の風に巻き込まれていく兵士もいる。
「おい、駄目だ、目を覚ませ、おい、いくな !? うわああ~~~」
「隊長~~~~ ぎゃあああ」
「くっ、もう少しの我慢だ、耐えぬくんだ、我が親衛隊」
唯一の大国、シーザリア王国の野望を阻止したい、両国の思惑から
ラーラント王国は北側にある、ミストラル公国と婚姻による
強固な同盟国となっている。
ラーラントの東側、オルトザル山脈との狭間には
どちらの勢力にも、積極的には加担する事はない
トーラル王国が、戦いの情勢を静かに見守る中
シーザリアとラーラントの2つの国を中心に
果てしなき戦いを、1000年もの長きに渡り続けている。
「もたもたするな、敵軍と早くぶつかり、戦わんと飛んでくる
魔法と矢の餌食になるぞ、走れええっ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお~」
主君である王の号令の下、各部隊指揮官の指示により
全軍が進軍を始めたシーザリア軍が、進んでいく速度を、徐々に上げ始めると
シーザリア軍に向かって、ラーラント軍全軍も
負けじと速度を上げ、進軍していく。
「敵の勢いに負けるな、進めえ!」
双方の軍、後方の魔道師隊から、精霊に対して
長き集中と祈りによる時間と詠唱を必要としない
威力の小さな攻撃魔法が、まず互いに向けて放たれ
さらに両軍が接近すると、弓隊による一斉射が互いに浴びせられる。
互いの後方から狙いを定めて、放たれる魔法や矢の標的となり
その場に次々と倒れ、犠牲になった者達に見向きもせず
両軍とも、正面の敵に向かって互いに突き進んでいくと
手に持っていた、短めの槍を敵に向かって、一斉に投げた後
接近して戦うため、鞘に納めていた剣を抜いたり
身体に身に着けていた、棍棒や斧を手に取り、また走り出した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお~」
やがて、戦場となった、渓谷で決して互いに譲れない何かを示すように
両軍が正面から激突し、兵士達がひしめき、押し合いはじめる中
シーザリア軍の後方で、親衛隊の掲げる、魔法で祝福された
無数の巨大な漆黒の大盾に護られ、硬く守護された、魔道師隊の最奥で
まるで、何事もおきていないかのような、静寂につつまれた長きの祈りの後
漆黒のフード付マントを纏った、風の巫女が
静かに閉じた目を見開き、呪文(スペル)の詠唱をはじめる。
「風の精霊メルキルよ
古(いにしえ)に交わされし、血の盟約にしたがい
その力を大気の息吹とし
全てを切り裂く刃として、我に授けよ」
呪文の詠唱を終えると同時に、巻き起こり始めた風に吹かれて
漆黒のフードに覆われていた、巫女の素顔が明らかになる。
少し浅黒い肌に、艶やかな黒い髪と同じ色の黒い瞳をした少女は
人間と精霊の中間のような、神秘的な雰囲気を漂わせており
その小さな耳は先が少しだけ尖っている。
人より精霊に近い、エルフの血を引く、少女の呪文詠唱までの
祈りを捧げ魔力を高めていく時間は、人間より短かい。
「ランドスクレーバー」
少女が最後に呟くと、戦場で、ひしめき合う両軍の上空で
音も無く、舞い始めた風は渦を巻いて
唸りを上げるような旋風(つむじかぜ)となり
ラーラント軍の後方にある、敵軍を指揮し
その頭脳として、中枢となっている
国王親衛隊に守護された、ラーラントの王と
その後方にいる、魔道師隊に向かっていく。
回転の勢いを、さらに増していく旋風(つむじかぜ)は
進路にあるシーザリア軍を襲おうとして
宙にあった無数の魔法や矢にぶつかると
見えない鋭い刃があるように、その全てを切り裂き
なぎ払い、衰えるどころか、ますます回転の勢いを強め突き進む。
「くるぞっ、親衛隊、盾を掲げろ、精霊ヴァルカのご加護を!」
親衛隊長ベルナルドの号令に、親衛隊の兵士達は迫り来る
魔法で生じた旋風(つむじかぜ)に向かって、巨大な無数の白銀の盾を構える。
やがて、親衛隊に向かって、旋風(つむじかぜ)が激突すると
魔法で祝福された白銀の盾が、全てを切り裂かんとする
回転する見えない、風の刃を押しとどめはじめる。
「歯を食いしばるんだ、大地から切り離され
あの風の中に巻きこまれれば助からんぞ!」
自らも決死の覚悟で大盾を掲げ、魔法の脅威に立ち向かう
親衛隊長ベルナルドの警告もむなしく
屈強な精鋭ぞろいの親衛隊の兵士達の命を吸い、魔力に変換し
あらゆる魔法を防御する、魔法の大盾に、全てを奪われたものは力尽きていく。
「もう駄目です、眠い……」
盾を掲げ続ける事に疲れ果て、意識が朦朧としはじめた
親衛隊の兵士の何名かが、唸りを上げる風に巻き込まれ
舞い上げられると、荒れ狂うような、つむじ風の中で、悲鳴を上げながら
纏っている鎧など、何の意味もなさないように
激しく渦を巻く大気の刃で、無残にもズタズタに切り裂かれていく。
「うわああああああああああああ ぎゃああ」
意識を失い、風に舞い上げられ吸い込まれようとする
仲間をなんとか必死に押しとどめようとして
自らも吸い上げられ、供に死の風に巻き込まれていく兵士もいる。
「おい、駄目だ、目を覚ませ、おい、いくな !? うわああ~~~」
「隊長~~~~ ぎゃあああ」
「くっ、もう少しの我慢だ、耐えぬくんだ、我が親衛隊」
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