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第0話 「女神と魔王」
第0話 ⑤「女神と魔王」〈パナケイア編〉
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アテネ、パナケイア様が宿る神殿に到着した。
「パナケイア様 ! … パナケイア様 !! アテネです ! … パナケイア様 !! 」
そこは、広い広いどこまでも続いている草原と、前が見えない程の真っ白な霧。そのど真ん中に、大きな大きな木だけが、ぼんやり見えた。
大きな大きな木は、ここパナケイアの神殿でエネルギーを貯えているようだ。その奥から、顔は優しい見た目だが、体は大きい、薄ピンク色の衣装を着た神が現れた。
あくびをしながら大きな大きな木の裏から、ヒョイと現れ、歩いてアテネの目の前に現れた。
「うるさい ! 何度も呼ばなくても ! 私はいます !! 」
寝ていたところを起こしてしまったようだった。
「あら、それは失礼致しました。 お久しぶりです ! パナケイア様 ~ … 。」
「そ ー ね 、 お ・ ひ ・ さ ・ し ・ ぶ ・ り 。 … … で ? 、魔王に落ちて、 穢れたアテネが何の用 ?! 」
「 … 酷い言い方ですわね ~ !! … … 」
皮肉な顔をし言った後、咳払いを挟み、真剣な顔にしてから、パナケイアに言った。
「今日は、 頼みがありまして ! … 。 」
パナケイアは、それを聞いた途端、アテネを睨みつけた!。その様子にアテネは、少し動揺しながら、強い心を持ち言った。
「こっこの子を ! どうか、治してください !! 」
パナケイアは、アテネが何をしに来たのか分かっていた。で、こう答えるつもりだった。
「ふん ! 嫌だね ! 」
「なぜです ?! 」
「そのまま、ほっておいた方が死にそうだかさ ! 」
「なっ … !! 」
「だって ! そーだろ ? 。あんたと、魔王の子供なんだから ! … 。」
と、パナケイアに怒鳴られた。実は、アテネは、こうなる事を100%確信していた。
だから、違う作戦を用意していたのだった。
「あら 、 そう ! 。わかった ! 」
アテネは、手から液体が入った瓶を沢山、創り出す。
「だったら、この瓶の中の液体、そこらじゅうに撒き散らすわよ !? 」
「ん ? あなた ! 何言ってるの ? 」
パナケイアは、液体をじっくりと見て、成分を分析し、気づいた。
「その液体って !? !! まさか ! あんたこの神聖な私の土地を枯らすつもり ?? !! 」
アテネは、コクんと大きく頷き、言った。
「本気よ !! リンネを今すぐ治してください ! 。そしたら、 今すぐ辞めるわ ! さぁ、どーするの ? 」
アテネの手の平から、 液体の入った瓶が創り出され、どんどん増えていく !! 。
焦りを見せたパナケイアは、アテネに止めてもらうよう必死になる。
「アテネ ! 悪魔がするような真似しないで ! 」
アテネは、その言葉に腹が立ち、瓶の量をさらに増やす。
「違うわ ! パナケイア様これは脅しと言うのよ ! 。」
「なんでもいいわよ !! それ早くやめなさい !! 」
パナケイアの舐めた態度と言い方にまた、アテネは、腹を立て、今度は、瓶をひとつ手に持ち、蓋を開けた。
「ちょっと !! アテネ ?! … ! 。」
「これをまかれたくなきゃ !! リンネを治して !! 」
パナケイアは、焦りながら言った。
「落ち着きなさい ! アテネ !! 」
アテネは、瓶を逆さにしようとした。すると、パナケイアは、妥協した。
「あ ー 待って !! 。わかったわよ !! その子治すから !! だから ! やめてアテネ !! 」
まだ、やめようとしない、 アテネだったが 。
「それ、ほんと ?! 手を抜いたり、殺したりしたら … … !! 」
アテネは、瓶を逆さに持ち、蓋を開けようとする仕草をとり、パナケイアを脅している。
「わかった !! わかったから 、アテネ ! その … リンネ君 ?? 貸してくれる ?! 」
アテネは、 その言葉を聞き、リンネを神聖なる芝生に優しく寝かし、そばを少し離れる。 パナケイアは、リンネに近づき、治癒を始めた。その間もアテネは後ろで監視する !! 。
パナケイアは、リンネの容態を見るなり、独り言をペラペラと言い始めた。
「あ ー あ ー 、こんなにも血を流して … 。
あ ー あ ー 、 翼が跡形もなく見事なカタルシスね ! 。かなり、痛かっただろうね ! … … 。」
アテネは、パナケイアの後ろをウロウロウロウロしていた。
「 … アテネ !! 後ろに立たないで ! 気が散る !! 」
パナケイアに怒鳴られたアテネは、監視を辞めなかった。何か悪さをしないか心配だったからである。
パナケイアは、しつこくウロウロするアテネに呆れて、後ろは無視と決め込み、リンネを治すことに集中した。
パナケイア のエデン、【癒しの光】を手に込め、 リ ンネの背中辺りに置く。 それに合わせるように大きな木の葉々が揺れ、 木のてっぺんに光りを集め始める。その集まった光は、リンネに向かった。
パナケイアを監視していたアテネなのに、光の美しい光景に見惚れて思わず声を出した。
「わァ ~ 」
しばらく、その美しく綺麗な光景が続き、光が霧に変わっていった。
パナケイアは、光の霧に感心しているアテネにまた呆れて、声をかける。
「終わったよ ! 翼はもう戻らないだろうけど、 命は取りとめた ! 」
アテネ、それを聞き、ほぉ~と安心する優しい表情になった。
「良かったぁ ~ ! 、って ! えっ ?? 翼は戻らない ?! 」
翼が戻らないという言葉の解釈は、後からきたようで、パナケイアにあたった。
「えぇ、そう ! 」
アテネは、また、心配そうな顔になり、泣き崩れた。
「どうして !! 。リンネは、3歳で翼が生えたばかりなのに !! 」
「私にも、無理なものはある ! 命を取りとめてやったんだから、それだけでも感謝して欲しいね !! 」
アテネは、泣きながら立ち上がり、ぺこりと敬意を示した。
「あ 、はい ! それはとても感謝致します ! ありがとうございました !! 」
「はいはい ! ところでアンタ ! 」
アテネは、驚いた。いきなり名前をアンタと呼ばれてたからである。パナケイアは、アテネのことを今まで、アンタと呼んだことがない。
パナケイアは、急に態度を変え、冷たい口調で言った。
「もう、私の前から消えとくれ !! 」
アテネは、当然、疑問に思う。
「なぜです ?! 私のことをお嫌いですか ? 」
パナケイアは、アテネのことを見ず、どこか違う場所を見て、怒るように言った。
「あぁ 、 嫌いだね !! 悪魔の真似をする女神など !! 」
アテネは、真剣に答える。
「パナケイア様 !! あれは脅しです !! 」
「おとしだろうが、 おどしだろうが、どうでもいいだよ !! さっさと去れ !! 」
アテネを追い出すように言ったパナケイアの表情は、急ぎ焦っているようだった。その事になんとなく気づいたアテネは、
「は ー い 、ありがとうございました !! 。パナケイア様 ! 」
と言い、リンネを抱え、サタンのいる所へ帰ろうとした。
パナケイアは、やけに素直だと目をアテネにやった。すると、アテネの周りに瓶が散らかっていたのが見えた。
「あっ !! その下に散らばった瓶 ! 片付けて行きなよ !! 」
アテネは、完全に片付けるのを忘れていたが笑って誤魔化す。
「あっ ! 、あはは、わかっておりますよ ー 」
手の平を下に向け、 1周回す仕草をすると、散らばっていた液体の入った瓶が消えた。一瞬で片付けたのだった。
「それでは、パナケイア様 ! 失礼致しました ~ 」
そう言い、アテネは、リンネを抱えながら、翼を広げ、笑顔で飛んで行った。
そのすぐ直後、入れ違いのようにシヴァという神が現れた。
「パナケイア ! 今、 随分と力を使ったようだね 何をしたんだい ?? 」
パナケイアは、アテネの時には見せなかった、とびきり笑顔をシヴァに向けた。が、聞かれたことには、誤魔化ながら答えた。
「あら 、シヴァ様 ! … … ちょっと、厄介な虫が出た為 … 、追い払っておりました ~ … … 。シヴァ様こそ、どうなさいましたか ? 」
「それなら、いいが !! … 。
あぁ ~ 、いつもの癒薬が切れてね、それを貰いに」
「ほ ~ 、なるほど ! しばらくお待ちください ! 」
「悪いな ! 」
パナケイアは、薬を手元で作りながら、言う。
「全然ですよ ~ ! シヴァ様 ! 」
ものの、1分もかからないうちに薬が出来上がった。
「はい 、 どうぞ ! 」
と、パナケイアは、笑顔で、渡した。
「ありがとう ! 邪魔したね ! パナケイア ! 」
シヴァは、翼で、突風を巻き起こし空へ飛んで行った。パナケイアは、その姿を、ずっと眺めていた。そして見えなくなった頃、メロメロとデレデレが現れ、呟いた。
「シヴァ様 ! 今日も ス ・ テ ・ キ ! ♡ 」
【続く】
「パナケイア様 ! … パナケイア様 !! アテネです ! … パナケイア様 !! 」
そこは、広い広いどこまでも続いている草原と、前が見えない程の真っ白な霧。そのど真ん中に、大きな大きな木だけが、ぼんやり見えた。
大きな大きな木は、ここパナケイアの神殿でエネルギーを貯えているようだ。その奥から、顔は優しい見た目だが、体は大きい、薄ピンク色の衣装を着た神が現れた。
あくびをしながら大きな大きな木の裏から、ヒョイと現れ、歩いてアテネの目の前に現れた。
「うるさい ! 何度も呼ばなくても ! 私はいます !! 」
寝ていたところを起こしてしまったようだった。
「あら、それは失礼致しました。 お久しぶりです ! パナケイア様 ~ … 。」
「そ ー ね 、 お ・ ひ ・ さ ・ し ・ ぶ ・ り 。 … … で ? 、魔王に落ちて、 穢れたアテネが何の用 ?! 」
「 … 酷い言い方ですわね ~ !! … … 」
皮肉な顔をし言った後、咳払いを挟み、真剣な顔にしてから、パナケイアに言った。
「今日は、 頼みがありまして ! … 。 」
パナケイアは、それを聞いた途端、アテネを睨みつけた!。その様子にアテネは、少し動揺しながら、強い心を持ち言った。
「こっこの子を ! どうか、治してください !! 」
パナケイアは、アテネが何をしに来たのか分かっていた。で、こう答えるつもりだった。
「ふん ! 嫌だね ! 」
「なぜです ?! 」
「そのまま、ほっておいた方が死にそうだかさ ! 」
「なっ … !! 」
「だって ! そーだろ ? 。あんたと、魔王の子供なんだから ! … 。」
と、パナケイアに怒鳴られた。実は、アテネは、こうなる事を100%確信していた。
だから、違う作戦を用意していたのだった。
「あら 、 そう ! 。わかった ! 」
アテネは、手から液体が入った瓶を沢山、創り出す。
「だったら、この瓶の中の液体、そこらじゅうに撒き散らすわよ !? 」
「ん ? あなた ! 何言ってるの ? 」
パナケイアは、液体をじっくりと見て、成分を分析し、気づいた。
「その液体って !? !! まさか ! あんたこの神聖な私の土地を枯らすつもり ?? !! 」
アテネは、コクんと大きく頷き、言った。
「本気よ !! リンネを今すぐ治してください ! 。そしたら、 今すぐ辞めるわ ! さぁ、どーするの ? 」
アテネの手の平から、 液体の入った瓶が創り出され、どんどん増えていく !! 。
焦りを見せたパナケイアは、アテネに止めてもらうよう必死になる。
「アテネ ! 悪魔がするような真似しないで ! 」
アテネは、その言葉に腹が立ち、瓶の量をさらに増やす。
「違うわ ! パナケイア様これは脅しと言うのよ ! 。」
「なんでもいいわよ !! それ早くやめなさい !! 」
パナケイアの舐めた態度と言い方にまた、アテネは、腹を立て、今度は、瓶をひとつ手に持ち、蓋を開けた。
「ちょっと !! アテネ ?! … ! 。」
「これをまかれたくなきゃ !! リンネを治して !! 」
パナケイアは、焦りながら言った。
「落ち着きなさい ! アテネ !! 」
アテネは、瓶を逆さにしようとした。すると、パナケイアは、妥協した。
「あ ー 待って !! 。わかったわよ !! その子治すから !! だから ! やめてアテネ !! 」
まだ、やめようとしない、 アテネだったが 。
「それ、ほんと ?! 手を抜いたり、殺したりしたら … … !! 」
アテネは、瓶を逆さに持ち、蓋を開けようとする仕草をとり、パナケイアを脅している。
「わかった !! わかったから 、アテネ ! その … リンネ君 ?? 貸してくれる ?! 」
アテネは、 その言葉を聞き、リンネを神聖なる芝生に優しく寝かし、そばを少し離れる。 パナケイアは、リンネに近づき、治癒を始めた。その間もアテネは後ろで監視する !! 。
パナケイアは、リンネの容態を見るなり、独り言をペラペラと言い始めた。
「あ ー あ ー 、こんなにも血を流して … 。
あ ー あ ー 、 翼が跡形もなく見事なカタルシスね ! 。かなり、痛かっただろうね ! … … 。」
アテネは、パナケイアの後ろをウロウロウロウロしていた。
「 … アテネ !! 後ろに立たないで ! 気が散る !! 」
パナケイアに怒鳴られたアテネは、監視を辞めなかった。何か悪さをしないか心配だったからである。
パナケイアは、しつこくウロウロするアテネに呆れて、後ろは無視と決め込み、リンネを治すことに集中した。
パナケイア のエデン、【癒しの光】を手に込め、 リ ンネの背中辺りに置く。 それに合わせるように大きな木の葉々が揺れ、 木のてっぺんに光りを集め始める。その集まった光は、リンネに向かった。
パナケイアを監視していたアテネなのに、光の美しい光景に見惚れて思わず声を出した。
「わァ ~ 」
しばらく、その美しく綺麗な光景が続き、光が霧に変わっていった。
パナケイアは、光の霧に感心しているアテネにまた呆れて、声をかける。
「終わったよ ! 翼はもう戻らないだろうけど、 命は取りとめた ! 」
アテネ、それを聞き、ほぉ~と安心する優しい表情になった。
「良かったぁ ~ ! 、って ! えっ ?? 翼は戻らない ?! 」
翼が戻らないという言葉の解釈は、後からきたようで、パナケイアにあたった。
「えぇ、そう ! 」
アテネは、また、心配そうな顔になり、泣き崩れた。
「どうして !! 。リンネは、3歳で翼が生えたばかりなのに !! 」
「私にも、無理なものはある ! 命を取りとめてやったんだから、それだけでも感謝して欲しいね !! 」
アテネは、泣きながら立ち上がり、ぺこりと敬意を示した。
「あ 、はい ! それはとても感謝致します ! ありがとうございました !! 」
「はいはい ! ところでアンタ ! 」
アテネは、驚いた。いきなり名前をアンタと呼ばれてたからである。パナケイアは、アテネのことを今まで、アンタと呼んだことがない。
パナケイアは、急に態度を変え、冷たい口調で言った。
「もう、私の前から消えとくれ !! 」
アテネは、当然、疑問に思う。
「なぜです ?! 私のことをお嫌いですか ? 」
パナケイアは、アテネのことを見ず、どこか違う場所を見て、怒るように言った。
「あぁ 、 嫌いだね !! 悪魔の真似をする女神など !! 」
アテネは、真剣に答える。
「パナケイア様 !! あれは脅しです !! 」
「おとしだろうが、 おどしだろうが、どうでもいいだよ !! さっさと去れ !! 」
アテネを追い出すように言ったパナケイアの表情は、急ぎ焦っているようだった。その事になんとなく気づいたアテネは、
「は ー い 、ありがとうございました !! 。パナケイア様 ! 」
と言い、リンネを抱え、サタンのいる所へ帰ろうとした。
パナケイアは、やけに素直だと目をアテネにやった。すると、アテネの周りに瓶が散らかっていたのが見えた。
「あっ !! その下に散らばった瓶 ! 片付けて行きなよ !! 」
アテネは、完全に片付けるのを忘れていたが笑って誤魔化す。
「あっ ! 、あはは、わかっておりますよ ー 」
手の平を下に向け、 1周回す仕草をすると、散らばっていた液体の入った瓶が消えた。一瞬で片付けたのだった。
「それでは、パナケイア様 ! 失礼致しました ~ 」
そう言い、アテネは、リンネを抱えながら、翼を広げ、笑顔で飛んで行った。
そのすぐ直後、入れ違いのようにシヴァという神が現れた。
「パナケイア ! 今、 随分と力を使ったようだね 何をしたんだい ?? 」
パナケイアは、アテネの時には見せなかった、とびきり笑顔をシヴァに向けた。が、聞かれたことには、誤魔化ながら答えた。
「あら 、シヴァ様 ! … … ちょっと、厄介な虫が出た為 … 、追い払っておりました ~ … … 。シヴァ様こそ、どうなさいましたか ? 」
「それなら、いいが !! … 。
あぁ ~ 、いつもの癒薬が切れてね、それを貰いに」
「ほ ~ 、なるほど ! しばらくお待ちください ! 」
「悪いな ! 」
パナケイアは、薬を手元で作りながら、言う。
「全然ですよ ~ ! シヴァ様 ! 」
ものの、1分もかからないうちに薬が出来上がった。
「はい 、 どうぞ ! 」
と、パナケイアは、笑顔で、渡した。
「ありがとう ! 邪魔したね ! パナケイア ! 」
シヴァは、翼で、突風を巻き起こし空へ飛んで行った。パナケイアは、その姿を、ずっと眺めていた。そして見えなくなった頃、メロメロとデレデレが現れ、呟いた。
「シヴァ様 ! 今日も ス ・ テ ・ キ ! ♡ 」
【続く】
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