陰毛ロボット、海へゆく。

たんぽぽ。

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和解

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ウイーーン、ガチャ。

ウイーーン、ガチャ。

ライブラリーで、陰毛拾イ。

ん? 本棚の前に立っているのは、この前ノ……

「あらあなた、この間はどうも」

毛を横取りしたロボットじゃないカ!

「あなたも本を読みにきたの?」

フン、返事してやーらナイ!

ところがソイツはお構いなしに、ボクに話しかけてくル。

「ほら、見てよこれ。素敵だと思わない?」

のっぺらぼうの頭部に、赤い光の曲線が映ル。笑った口ノ形……

「こんなところでサボってるのカ」

思わずボクはしゃべってしまウ。

「ちゃんと博士に許可を取ってるわよ。それより、ほら」

ソイツは大きな本を開いてこちらに差し出しタ。

「なんダ、その青いのハ」

一面に青が広がるページだっタ。

「海っていうのよ。水がたくさんあって、生き物もたくさんいて、波があって、船が浮かんでて……」

ナミ、とか、フネ、とか、よくわからないけれド。

「ホウ、なかなか興味深イ」

とても興味深イ。こんな世界があるなんテ。

「この白いツブツブは何ダ?」

「それはウミネコよ。鳥の仲間で、鳥っていうのはね──」

彼女は海のことをたくさん教えてくれタ。

「ワタシね、いつか本物の海を見るのが夢なの」

「ホウ、いい夢ダ。叶うといいナ」

ボクは心からそう言っタ。
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