陰毛ロボット、海へゆく。

たんぽぽ。

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約束

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彼女は腋毛拾いロボ「WAKKY-SD353」だと名乗っタ。

「ワッキーって呼んでね」

「ボクはINMO-71-D。インモとみんなは呼んでいル」

「インモ。いい名前ね」

また光の点線で笑ウ。

その瞬間ボクは、自分を恥じタ。

彼女は陰毛と腋毛を見分けらレル、いわば腋毛探しのプロフェッショナル。仕事をしていただけなんダ。

旧式ロボットのボクのこと、バカにもしなイ。

それなのにボクは、ヤナヤツだなんテ……

「ワッキーは本が好きなのカ?」

「ええ。腋毛拾いは好きだけど、外の世界も知りたいの」

「また来ていいカ?」

「もちろんよ」
 

それから毎日、ライブラリーに通っタ。

ワッキーと二台並んで、世界中の写真集を見タ。

海はもちろん、空、山。渓谷の花々、極地のオーロラ、田園風景、そして黄昏の世界に沈む太陽──

何故だろウ、彼女といると、ボディの内部があったまるような、そんな気持ちになるんダ……。

「いつか一緒に、世界を見に行こウ」

「ええ、約束よ」

ボクらは指切りしタ。

旧式のハンドと、最新式の細い指とを絡め合っテ。
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