うっかり拾った人ならぬ少年は私をつがいにするらしい。

妓夫 件

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月色の獣

狼の里1※

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ようやく都や町の人の目の届かぬ山里に二人は辿り着き、粗末な家を譲り受けて暮らし始めた。

当初は慣れない生活や旅の疲れもあり、病気がちだった加世も段々とそこに慣れ、やがて供牙の子を身ごもった。


産まれた男の子供は人の形をしていたが、どこか普通のそれとは異なる匂いを供牙は感じていた。


それから今まで知る事は無かったが、自分以外にも人の言葉を話す狼は存在してたようだ。

人間に姿を変える事が出来、力と人智を超えた能力を持つ供牙の元に、どこからともなく同胞が集まってきた。
ただの狼もいたし、言葉を話し理性的な供牙に限りなく近い者もいた。



***
里は少しずつ栄えていき、それでも目立つ事を嫌う供牙によって、ひっそりと五十も超える狼と唯一の人間である加世による、小さな村へと成長していった。

土地は狭くとも整えられ豊かに実る田や畑、森の小動物や小川にいる魚の恵みで、供牙たち家族も食うに困る事はなくなった。


彼女が好んだあの薄紫の花は、血に良いものとされる益母草という薬草だった。
庭にはそれらを始め、怪我や病気に効果のあるという様々な野草薬草が植えられた。

体調の不良を訴える村の仲間を加世はほぼ独学で看た。




「久しく忘れていたがそういえば、お前の実家は薬屋だったな」

「ええ。 多くを持つあなたと違い、わたくしが唯一天より賜ったもの」

「お前はたまにおかしな事をいう」


「……そしてそれは、この子もおなじ」


生まれた時は人だったのに、今は仔犬のような外見の二人の子供が供牙の膝の中で目を閉じて眠っていた。


「こうやってると、あなたの小さな頃そっくりだわ」

「ははは。 私にそう言われるとまた意味合いが違ってくるな」


二人はずっとこんな毎日であればいいと思った。

それはやっとつかんだ幸福なのだと、決して簡単には得る事の出来ないものなのだと解っていたから。


「供牙。 わたくしは思うのだけど、幸せって何かを作り出す事だと思うの。 生まれる子供たちや傷付いた皆を助ける自然の恵み。 あの家にいた頃は、そんな事を考えもしなかったけれど」

「……そうだな」


否定はしない。

それは真理なのだと解っていてもただ。

大切な加世をあんな風に傷付けた人間たちの事を考えると供牙はたまらなくなる。
加世を初めて抱いた男の事を思うと、赤黒い炎にも似た感情に押し潰されそうになる。

けれどそんな事を口にすると加世は悲しむだろう。

体や心を寄せる程、供牙には彼女の心情が視えた。

顔を見るより先に匂いが、声が、供牙にそれを告げるのだ。
加世が悲しむより早く供牙は狼狽え、それから堪らない気持ちになる。

……知らないふりをしてやり過ごせるのならそれは容易い。

加世がもう泣かずに済むのなら。




まだ陽の高いうちにそうする事は珍しかった。


「子を産んだ後の女が一番美しいというが、この所のお前を抱いているとそれが分かる」


狼という動物がそうであるように、供牙の様な人狼もまた本来性には貪欲である。
元々子供が授かり辛かった体質の加世がそれを持てたのも、供牙のその性質の賜物と言ってよかった。


「ハア……っ!あ…供…こんなまだ、明るいわ…ンぁあ」


とはいえ流石に、日中から堂々と寝所で睦み合う訳にもいかない。
着物の下の加世の肌を堪能出来ぬのを残念に思いつつも、供牙は膝の上に加世を乗せて、その美しく熟した肉を味わっていた。

片方だけはだけた紅い乳房の蕾が誘う様に揺れ、供牙がそこに口を付ける。
出産により、以前より丸く膨らんだそれを口内に含んで舐め転がしながら、既に貫いている加世の女陰は充分に潤っていると供牙は思う。

だが本来は静淑な性質の加世に痛みを与えぬ様その雌の器官をひくつかせて、男を迎え入れる程にするには時間がかかった。

ましてや人狼である自分の形状は人のそれとは若干異なる。
狼などにある男性器の根元にある瘤は普通の人間には無いものらしい。

ただでさえ自分の外見も奇異だというのに。

そんな風だったから、供牙が加世を抱く時には細心の注意を払い、その滴る蜜も濃く香って我知らずに供牙を締め付ける、そんな風になるまでじっくりと高めてやる必要があった。

行為において全く理性を失う事はない。

それでもそうする事は、供牙の喜びでもある。

こんな自分を慕ってくれる愛する加世を、人の男として悦ばせる事が出来る。
そんな事を思うと、単なる動物の摩擦行為などとは比ではなく余程供牙を昂らせるのであった。




「あ、ぁあっ…!あぁッ…あ!」

その身の内を穿っている雄の変化を敏感に感じ取り、加世が供牙の首に回している細腕に力を込める。


「こんなに明るいとは言いつつも、淫らに求めているのはお前の方ではないのか」


そんな言葉を加世の耳許に吹きかけながら、激しくは無いが大胆に腟内を扱き上げ、繰り返し快感を植え付ける動きが、加世の口から否定の言葉を奪う。

加世を支えている両の尻にまで繁吹いている愛液が供牙の指にも絡む。
その為にぬめって滑り、急に女陰の奥の深過ぎる所を突き上げた。
そのせいで、せっかくじきに達しそうだった加世は悲鳴を上げてその機会を逃し、供牙は謝罪を漏らした。


「すまぬ。 痛むか」

「……っい、いいんです。 このまま、で」


ぐっと眉根を寄せ、深く途切れ途切れに吐く息は耐えているのか。 様子を見ながらもその代わりに、加世の腰を自分の方へ強く引き寄せる。


「…ッあ!」


根元まで埋めて張り詰めた膣の入り口、その上部には剥き出しになっている陰核がその一部を覗かせ、供牙はわざとそこに自分の恥骨を擦り付ける様に動き始めた。

ずっぽりと咥えられている結合部を少しだけ浮かすと、それと共に秘裂を拡げる強い抵抗と共に圧迫され、押し出された肉の芽が上に擦り上げられる。
直ぐにまた高まってきた加世の喉から、抑えられない嬌声が立て続けに吐き出された。

全てを加世に収めた上で搾り取られそうな根元と、奥の奥まで隙間無く合わさってくる何とも言えぬ快感に、供牙の方も軽く唸りを洩らした。

加世のその躰が細かく震え続け弛緩する直前に、同じく畝っている粘膜の内部に誘われる様に供牙も精を吐き出した。


「まだ離してはやらぬ……」


その射精の時間もまた、獣のそれと同様に長いものである。

精管を通り抜ける度ドクドクと脈打ち、律動が止まず注がれる精液に叩かれ続ける膣奥の快感により、再び加世が二度目の絶頂を迎える。


焦点が定まらず薄目を開き、恍惚とした表情の加世のこめかみに口付けを落とす。
そして供牙は加世への愛おしさに瞳の金の光を和らげるのであった。


「お前は休んでいるといい。 今晩の食事の支度は私やろう」



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