異世界!!_(:3」∠)_ =3 ブッ

のるむ

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光の章

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「お前ら!!、俺がどうして怒っているのかわかっているのか!!。
試合に負けたからじゃない。
どうでもいいと思って最初から舐め腐ってるお前らの態度が気に食わねえ!!。」

ロッカールームで宮前はチームのメンバーに憤りを感じ、
髪が抜け上がるばかりに不快感で静脈を額にうねらせる。

そんな中1人がポツリとつぶやく。

「いい加減にしろよ…。」

それに続くようにまた1人

「ふぅ…。」

「真面目に聞け!!。
裏切りなんだよ。お前らのやってることは。
いいか。朝練のために、毎朝早起きしてご飯つくってくれた母ちゃん。
仕事を休んでまで試合を見にきてくれた親父。
他にもユニフォームを洗ってくれる、せっちゃん。
お前らは支えを、みんなの支えを踏みにじったんだぞ。なあぁあ!!。」

一秒の間にしても、時の歩みが驚くほど遅々として、重く感じられる。

「他人を粗末に扱う優等生よりもお前らのほうが好きだ。
でも今日のお前らは最悪だ。
エレメンタルアーツを舐めているからだ。
人生ってものを馬鹿にしているからだ。
今自分がやっていることをがむしゃらにやらないで、この実践でなんもできるわけ ないだろうが。」

沈黙が深い霧のように室内に淀む。

「考えてもみろ。
相手も同じ魔導師目指してる高校生なんだぞ。
年も背丈も頭だってそんなに変わりはないはずだ。
それなのになんで0対72なんて差がつくんだ。
お前らは無価値な0点人間なのか。」

宮前は沈黙を拳で突き破るような勢いで苛立たしく畳み掛けた。

「なにをやるのも適当で一生0点人間でいいのか。
それでいいのか。
お前ら金玉ついてんのか!!。
悔しくないのかよおおおお!!!!!。
山田!。カルロス!。スジャータ!。」

その瞬間、彼ら心の中に化学変化のような、急激に内部性質を一変するような変化が起こった。

「悔しいですっ!!!。
今まで負けることに対して抵抗感がなかったけど、
きっとごまかしていたんだと思います。
今はすげえ悔しいです!!!。
ちくしょうおおおお!!
チクショウっくくぅうう!!。」

「俺も悔しいですうう!!。」

「くそおおおぉぉ!!チクショウおおおおぉ!!!。せっちゃんのおっぱい揉みてえ!!。」

宮前は鼻に鼻水がたまった気がして目の中が熱くなりながら言った。

「悔しいと思うお前らは腐ってねえ。
でも思うだけじゃ足らん!!。
それでどうしたいんだ。どうするんだ。」

「勝ちたいです!!。」
「ニブルヘイム高校に勝ちたいです!!。」

この言葉に彼は鼻の奥がツーンと痛み、目の縁から涙が染み出した。

「ニブルヘイム高校はたった今、72点も取られた相手だぞ。」

「オレら強くなりたいんです!!。ニブ高がなんだってだよおぉ!!!。」

「ニブルヘイム高校に勝つには並大抵の努力じゃ敵わないんだぞ!!。
血を吐きながら、泥水飲んで、砂食っても、練習し続けなければならん。」

「はい!やります!!。」

「誰も助けてくれんぞ。どんなに苦行でも、言い訳は許されないんだぞ。
それでも勝ちを掴み取りたいのか!!。」

「やり遂げてます!!勝ちます!。うああそおおあおそそ勝ちたいおぉぉぉぅ!!。」

煮えたぎるように湧いてくる感情をせき止めることはできない。

「よく言ったお前ら。俺が絶対に勝たせてやる!!。男に二言はない!!。」

「先生え!。」

「そのために今からお前たち1人1人魂込めて殴る。
痛みなんてものは数日で消える。
だがな、今日の悔しさは一生刻みこめ。
スジャータ!!歯をくいしばれ。」

「はい!!。」

ビシィいイィいいいい!!!

「てめえ、ふざけんなあぁあぁあ!!!。」

宮前の拳はかゆくなるほどの喜びと愛と涙で濡れていた。



こうして打倒ニブ高に向けた男たちの意地とプライドの戦いが幕を上げたのだった。
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