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6話
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「きゃああ、リリーちゃん久しぶりぃ」
「カゲハちゃん! 元気だった?」
どうみても20代のOL同士か何かにしか見えない美女二人は、30年前からの旧友らしい。
三枝百合絵は、緩やかにカーブした栗色の髪の、華やかな美人だった。英国出身だけあって目鼻立ちはくっきりしていて、赤い口紅がよく似合っている。
公称55歳。実年齢は、なんと300歳を超えているらしい。
「ね、せっかく貸切にしたんだからみんなでお茶にしましょうよ! 積もる話もしたいわ」
「いいわねぇ。ほら、メニュー表。好きなもの選んでいいわよ」
「えっ、この店ブラッドソーセージ置いてあるんですね。気が利いてる」
メニューを見た山本くんが、驚きの声を上げた。吸血鬼だからブラッドソーセージが好きなのかな?
「私はクランペットで。ここのお店に来たらやっぱりこれを食べなくっちゃ」
「そういえばこのクランペットっていうの、パンケーキと何が違うんですか?」
見た目は厚手のパンケーキみたいな感じだ。
「これは英国の伝統的な料理で、パンケーキと似ているけれど、ベーキングパウダーじゃなくてイーストで膨らませるの。だからしっとりもちもちしているのよ。せっかくだから一緒に作りましょうか」
練習がてら私も一緒に作ることになった。山本くんと百合絵さんも興味があったらしく、厨房まで見学にくる。
生地はすでに発酵済みのものができているので、練習とは言っても焼くだけだ。
「生地は強力粉と薄力粉を1対1、インフルエンザにかかった人肌程度に牛乳を温めて、ダマを作らないようによく撹拌して作るのよ」
インフルエンザにかかった人肌って、40度くらい? なんだか変わった言い回しでクスッとなってしまう。
冷蔵庫から生地を取り出しながら、カゲハさんはあれこれと説明してくれた。
その足元で、福富がすんすんと鼻を鳴らした。
「いい匂いだにゃ。わたしも食べたいにゃ」
「クランペットって猫が食べても大丈夫なの?」
「わたしはあやかしだにゃ。そんじょそこらの猫と一緒にするなだにゃ」
「そういうもんなんだ」
「さあ、焼いていくわよ」
カゲハさんは温めたフライパンにバターを落とす。じゅんわりと溶けてふつふつとバターが泡立ってきたら、セルクルの中にもったりとした生地を落とした。
蓋をして、三分。その間にお茶の用意をする。
お茶の用意が終わって、蓋を取ると、生地の表面にふつふつと気泡が弾けていた。
「この気泡にバターやシロップが染み込んで美味しいのよ」
セルクルを外し、ひっくり返す。途端に香ばしいイーストの匂いが広がった。
——うわぁ、美味しそう!
香りだけでもう口の中に唾が出て来てしまう。
焼き上がったらお皿に上げて、件さん牧場の手作りバターを乗せてメープルシロップをたっぷりかける。カゲハさんの言った通り、気泡からバターやシロップが染み込んでいく。
「さあ、みんなで食べましょうか」
百合絵さんとカゲハさん、私はクランペット。山本くんはブラッドソーセージとチーズの盛り合わせにしていた。
「いただきます!」
ナイフを入れると、じゅわぁ、とバターが溢れ出した。
口に含むと、外はカリカリ、中はもっちりとした食感が楽しい。有塩バターの塩気とメープルシロップの甘味が相性抜群で、甘じょっぱさがクセになる。
こんなの、無限に食べてしまうじゃないか。
「おいしーい!」
「うふふ、英国料理もなかなかのものでしょう? ご飯がまずいまずいと言われているけれど、粉物はなかなかのものなのよ。スコーンとかもね」
「あ、スコーンもいいですねぇ」
このお店は和風のお菓子が多いので、スコーンは置いていない。クランペットという珍しい軽食を提供しているのは、百合絵さんの好物だかららしい。30年ぶりだというのにずっとお店に置いていただなんて、あやかしの時間感覚はなかなかすごいものだ。
「このブラッドソーセージも美味いっすよ。こんなに臭みがなくて、なのに濃厚なブラッドソーセージ、なかなかないっす。これも百合絵さんのために置いてたんですか?」
「リリーちゃんはいつもクランペットを食べていくわよ。でも、うちは血をこのむあやかしちゃんたちも時々くるからねぇ」
「百合絵さんはブラッドソーセージ食べないんですね。吸血鬼といえば、って感じなのに」
山本くんが意外そうに言う。
吸血鬼といえばブラッドソーセージなんだ。普通に人の生き血を啜っているイメージだったけれど、人間社会に紛れて馴染んでいるあやかしさんたちはずいぶん平和的らしい。
「吸血鬼なのに吸血鬼っぽくないものを食べる これが粋ってやつなのよ」
チッチッチ、と百合絵さんは指を振った。ちょっと芝居がかった仕草も、大女優の美貌とオーラで様になっている。
「マグロ食べてる猫又と、コーヒー飲んでる猫又、どっちがかっこいいと思う?」
わかるような、わからないような。
「俺はやっぱり血が入っている食べ物が一番美味しいと思いますけどねぇ。ポーランドのチェルニナとか、食った時は美味くて感動しましたよ」
「あら、プロポーズでもしたの?」
「まさか。旅行に行った時に飲んだだけっすよ」
私が頭にハテナマークを浮かべていると、百合絵さんが説明してくれた。
「チェルニナっていうのは血のスープで、ポーランドではプロポーズをする時に供されるのよ」
「へぇ……、そんな伝統文化があるんですね」
百合絵さんは長生きしているだけに博識で、いろんな話をしてくれる。
百合絵さんは実年齢300歳だというけれど、そういえば山本くんは何歳なんだろう。
「山本くんって本当は何歳なの?」
「俺はお前と同じ歳だよ。俺の場合中学生の時にたまたま弱っている蝙蝠を助けたら吸血鬼として目覚めたんだ。どうも先祖に吸血鬼がいたらしくて、隔世遺伝だな」
吸血鬼にも隔世遺伝とかあるんだ。
にしても、中学生で吸血鬼に目覚めちゃったりしたら、それこそ中二病になっちゃいそう。
「中二病じゃないからな」
私の考えを読んだのか、山本くんはじっとりした目でこちらを見てくる。
先日言ったことを根に持っているみたいだ。だって、いつも気だるげなのは吸血鬼だからなんて、それこそ思春期の病っぽいんだもの。本人は切実なんだろうけれど。
その日のお茶会は、夕方までかしましく盛り上がったのだった。
「カゲハちゃん! 元気だった?」
どうみても20代のOL同士か何かにしか見えない美女二人は、30年前からの旧友らしい。
三枝百合絵は、緩やかにカーブした栗色の髪の、華やかな美人だった。英国出身だけあって目鼻立ちはくっきりしていて、赤い口紅がよく似合っている。
公称55歳。実年齢は、なんと300歳を超えているらしい。
「ね、せっかく貸切にしたんだからみんなでお茶にしましょうよ! 積もる話もしたいわ」
「いいわねぇ。ほら、メニュー表。好きなもの選んでいいわよ」
「えっ、この店ブラッドソーセージ置いてあるんですね。気が利いてる」
メニューを見た山本くんが、驚きの声を上げた。吸血鬼だからブラッドソーセージが好きなのかな?
「私はクランペットで。ここのお店に来たらやっぱりこれを食べなくっちゃ」
「そういえばこのクランペットっていうの、パンケーキと何が違うんですか?」
見た目は厚手のパンケーキみたいな感じだ。
「これは英国の伝統的な料理で、パンケーキと似ているけれど、ベーキングパウダーじゃなくてイーストで膨らませるの。だからしっとりもちもちしているのよ。せっかくだから一緒に作りましょうか」
練習がてら私も一緒に作ることになった。山本くんと百合絵さんも興味があったらしく、厨房まで見学にくる。
生地はすでに発酵済みのものができているので、練習とは言っても焼くだけだ。
「生地は強力粉と薄力粉を1対1、インフルエンザにかかった人肌程度に牛乳を温めて、ダマを作らないようによく撹拌して作るのよ」
インフルエンザにかかった人肌って、40度くらい? なんだか変わった言い回しでクスッとなってしまう。
冷蔵庫から生地を取り出しながら、カゲハさんはあれこれと説明してくれた。
その足元で、福富がすんすんと鼻を鳴らした。
「いい匂いだにゃ。わたしも食べたいにゃ」
「クランペットって猫が食べても大丈夫なの?」
「わたしはあやかしだにゃ。そんじょそこらの猫と一緒にするなだにゃ」
「そういうもんなんだ」
「さあ、焼いていくわよ」
カゲハさんは温めたフライパンにバターを落とす。じゅんわりと溶けてふつふつとバターが泡立ってきたら、セルクルの中にもったりとした生地を落とした。
蓋をして、三分。その間にお茶の用意をする。
お茶の用意が終わって、蓋を取ると、生地の表面にふつふつと気泡が弾けていた。
「この気泡にバターやシロップが染み込んで美味しいのよ」
セルクルを外し、ひっくり返す。途端に香ばしいイーストの匂いが広がった。
——うわぁ、美味しそう!
香りだけでもう口の中に唾が出て来てしまう。
焼き上がったらお皿に上げて、件さん牧場の手作りバターを乗せてメープルシロップをたっぷりかける。カゲハさんの言った通り、気泡からバターやシロップが染み込んでいく。
「さあ、みんなで食べましょうか」
百合絵さんとカゲハさん、私はクランペット。山本くんはブラッドソーセージとチーズの盛り合わせにしていた。
「いただきます!」
ナイフを入れると、じゅわぁ、とバターが溢れ出した。
口に含むと、外はカリカリ、中はもっちりとした食感が楽しい。有塩バターの塩気とメープルシロップの甘味が相性抜群で、甘じょっぱさがクセになる。
こんなの、無限に食べてしまうじゃないか。
「おいしーい!」
「うふふ、英国料理もなかなかのものでしょう? ご飯がまずいまずいと言われているけれど、粉物はなかなかのものなのよ。スコーンとかもね」
「あ、スコーンもいいですねぇ」
このお店は和風のお菓子が多いので、スコーンは置いていない。クランペットという珍しい軽食を提供しているのは、百合絵さんの好物だかららしい。30年ぶりだというのにずっとお店に置いていただなんて、あやかしの時間感覚はなかなかすごいものだ。
「このブラッドソーセージも美味いっすよ。こんなに臭みがなくて、なのに濃厚なブラッドソーセージ、なかなかないっす。これも百合絵さんのために置いてたんですか?」
「リリーちゃんはいつもクランペットを食べていくわよ。でも、うちは血をこのむあやかしちゃんたちも時々くるからねぇ」
「百合絵さんはブラッドソーセージ食べないんですね。吸血鬼といえば、って感じなのに」
山本くんが意外そうに言う。
吸血鬼といえばブラッドソーセージなんだ。普通に人の生き血を啜っているイメージだったけれど、人間社会に紛れて馴染んでいるあやかしさんたちはずいぶん平和的らしい。
「吸血鬼なのに吸血鬼っぽくないものを食べる これが粋ってやつなのよ」
チッチッチ、と百合絵さんは指を振った。ちょっと芝居がかった仕草も、大女優の美貌とオーラで様になっている。
「マグロ食べてる猫又と、コーヒー飲んでる猫又、どっちがかっこいいと思う?」
わかるような、わからないような。
「俺はやっぱり血が入っている食べ物が一番美味しいと思いますけどねぇ。ポーランドのチェルニナとか、食った時は美味くて感動しましたよ」
「あら、プロポーズでもしたの?」
「まさか。旅行に行った時に飲んだだけっすよ」
私が頭にハテナマークを浮かべていると、百合絵さんが説明してくれた。
「チェルニナっていうのは血のスープで、ポーランドではプロポーズをする時に供されるのよ」
「へぇ……、そんな伝統文化があるんですね」
百合絵さんは長生きしているだけに博識で、いろんな話をしてくれる。
百合絵さんは実年齢300歳だというけれど、そういえば山本くんは何歳なんだろう。
「山本くんって本当は何歳なの?」
「俺はお前と同じ歳だよ。俺の場合中学生の時にたまたま弱っている蝙蝠を助けたら吸血鬼として目覚めたんだ。どうも先祖に吸血鬼がいたらしくて、隔世遺伝だな」
吸血鬼にも隔世遺伝とかあるんだ。
にしても、中学生で吸血鬼に目覚めちゃったりしたら、それこそ中二病になっちゃいそう。
「中二病じゃないからな」
私の考えを読んだのか、山本くんはじっとりした目でこちらを見てくる。
先日言ったことを根に持っているみたいだ。だって、いつも気だるげなのは吸血鬼だからなんて、それこそ思春期の病っぽいんだもの。本人は切実なんだろうけれど。
その日のお茶会は、夕方までかしましく盛り上がったのだった。
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