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第四章 ふたりは恋人! オリビア&リアム

113、恋人はマッチョ騎士(前編)4

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 男性店員は祝いの言葉を述べ、丁寧にお辞儀をした。リアムはオリビアに向かって微笑み、彼を紹介する。

「オリビア嬢、彼はセドリック。彼の父はうちの執事頭アンドレなんだ」

「セドリックと申します。以後、お見知り置きを」

「オリビア・クリスタルです。よろしくお願いします」

 リアムの「恋人」という紹介に照れつつも、なるほど、どうりで見たことがある気がしたんだとオリビアは思った。セドリックとアンドレの違いといえば白髪の有無くらいだ。メガネまで一緒である。彼はメニューを渡して席から去っていった。

「アンドレにそっくりで驚いただろう?」

「はい、メガネまで一緒で驚きましたわ。ここは彼が経営を?」

「いや、実はここは私の母が経営しているんだ。先日まで普通の喫茶店だったんだが、君に触発されて改装したようだ。君にも店内を見てアドバイスをもらえないかと言っていたよ」

「そうなのですか! アドバイスだなんてそんな……そういえば店員が男性だけで執事の格好をしていますわね。店内も明るく清潔感があるし調度品も可愛らしいものばかりで素敵ですわ」

「ありがとう、母がきっと喜ぶ」

 それからオリビアは注文を聞きにやってきたセドリックにオーダーし、アフタヌーンティーセットを頼んだ。少し待つと彼はティースタンドとティーセットを用意して戻ってきた。その場で用意した紅茶を淹れてオリビアとリアムに給仕する。

「おいしいですわ」

「ありがとうございます。ごゆっくりお過ごしくださいませ」

 オリビアが紅茶を飲んで笑顔と共に率直な感想を述べると、セドリックは口角を上げ静かに微笑み礼をして席を去った。その直後、正面に座るリアムがオリビアの顔を覗き込んだ。

「ちなみに、先日私が淹れたお茶とどちらがおいしかったかな?」

「リアム様っ? さすがにここでは言えません。勘弁してください」

「すまない。君がセドリックに可愛い笑顔を見せていたから、つい意地悪なことを言ってしまった」

 白い歯を少しだけ覗かせリアムがいたずらな笑顔を見せている。
 昔は学業、今は仕事一筋の真面目人間だと思っていた彼の印象は少しずつ変わっていたが、恋人に昇格した今、ここまで無邪気に砕けるタイプなのかと新たな一面が見られて嬉しい。
 さらに先ほどからオリビアのことを「君」と呼ぶのも、以前より親しくなれた気がした。

「ふふっ。リアム様もそんなふうに冗談を言うのですね」

「まあね。けれど半分は本気だ、少し妬いたよ」

「まあ、リアム様ったら」

 リアムと見つめ合い、店内のどのメニューよりも甘~い空気を振りまきながら、オリビアは近くの席の客や店員たちの注目を浴びていることに全く気づかず、楽しいひと時を過ごした。

>>続く

ここまで読んでいただきありがとうございます!
息抜きのデート回です😊
引き続きよろしくお願いします(^^)/
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