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3章
会いたくないのに
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あああ、私のバカ! 雰囲気悪くしちゃったじゃない。
せっかくメイちゃんが夢を教えてくれて、明るい話題だったのに!
「で、でも! 時々音楽番組は見るよ。特別、好きなアーティストとかはいないけど……」
あわてて作った笑顔は、わざとらしかったのかな?
メイちゃんとすずちゃんが顔を見合わせた。
ううっ。ごめんね、二人とも。変な空気作っちゃって。
心の中で平謝りしてると、メイちゃんがポンと手をたたいた。
「じゃあ音楽動画は? 今、『RAN』が人気でしょ? れいん、好きそうだけどなぁ」
「RAN?」
きき返すと、メイちゃんがうなずいた。
「うん。シンガーソングライターっていうのかな? 自分で作った曲を歌って、動画を配信してるの。すごく透明感のある声で、ちょっとブームがきてるんだよ」
「へぇ……すずちゃん、知ってる?」
「いや……私は知らない……」
すずちゃんは小さな声で答えて、うつむいた。
「まぁ、まだ始まったばっかりの動画だから、知ってる人も少ないかもね~。RANが有名になったら、私、初めから知ってました! っていばれちゃうな」
メイちゃんがあははっと笑って、私とすずちゃんも笑う。
メイちゃんはいつも明るい。
私とすずちゃんのことにすごく気を配ってくれて、こうやって楽しい方に持っていってくれる。ほんとにいい子だなぁ。
あらためて思ってたら、メイちゃんが校舎の方を見て表情を留めた。
「あれ? 七組の佐倉くんだ」
え……佐倉くん?
メイちゃんの視線の先、黒い襟つきシャツの男の子がこっちへやってくるのが見えた。
ほんとだ。佐倉くんだ。うわ。やばいっ。
急いでベンチの裏にまわって、しゃがみこむ。
「どしたの? れいん?」
メイちゃんが上からのぞきこんでくる。
「ごめん。ちょっと隠れててもいいかな?」
「いいけど……」
メイちゃんとすずちゃんがいぶかしげな顔で前を見た。
うう。今、佐倉くんと会うと、ややこしい。あああ、お願い。こっちに来ませんように!
なんて、私の願いはむなしく、足音がどんどん近づいてきて、ピタリと止まった。
「河野さん」
佐倉くんがメイちゃんを呼ぶ。
「佐倉くん、どうしたの?」
メイちゃんがちょっとうわずった声でききかえした。
「吹奏楽クラブの子が河野さんのこと、探してたよ。坂下先生から話があるんだって」
「え? 話? なんだろ」
メイちゃんの声に緊張が走る。
「あと、倉橋さん。今日の当番の仕事忘れてるって一組の鈴木がブツブツ言ってたんだけど」
「ひえっ? そ、そうだった!」
すずちゃんがあわてて立ち上がる気配がする。
「……音楽室に行ったらいいのかな?」
「うん。そのはず。倉橋さん、鈴木は昇降口でウロウロしてたよ」
「あ、ありがとうっ。うわ。怒ってないといいけど……」
バタバタバタと二人の足音が遠ざかっていく。
あ、あ、ちょっと待って。二人とも行っちゃうの?
待ってと言えるはずもなく、私はしゃがみこんだまま。
しん。と辺りが静まり返る。
「春名さん。かくれんぼしてるの?」
せっかくメイちゃんが夢を教えてくれて、明るい話題だったのに!
「で、でも! 時々音楽番組は見るよ。特別、好きなアーティストとかはいないけど……」
あわてて作った笑顔は、わざとらしかったのかな?
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ううっ。ごめんね、二人とも。変な空気作っちゃって。
心の中で平謝りしてると、メイちゃんがポンと手をたたいた。
「じゃあ音楽動画は? 今、『RAN』が人気でしょ? れいん、好きそうだけどなぁ」
「RAN?」
きき返すと、メイちゃんがうなずいた。
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メイちゃんがあははっと笑って、私とすずちゃんも笑う。
メイちゃんはいつも明るい。
私とすずちゃんのことにすごく気を配ってくれて、こうやって楽しい方に持っていってくれる。ほんとにいい子だなぁ。
あらためて思ってたら、メイちゃんが校舎の方を見て表情を留めた。
「あれ? 七組の佐倉くんだ」
え……佐倉くん?
メイちゃんの視線の先、黒い襟つきシャツの男の子がこっちへやってくるのが見えた。
ほんとだ。佐倉くんだ。うわ。やばいっ。
急いでベンチの裏にまわって、しゃがみこむ。
「どしたの? れいん?」
メイちゃんが上からのぞきこんでくる。
「ごめん。ちょっと隠れててもいいかな?」
「いいけど……」
メイちゃんとすずちゃんがいぶかしげな顔で前を見た。
うう。今、佐倉くんと会うと、ややこしい。あああ、お願い。こっちに来ませんように!
なんて、私の願いはむなしく、足音がどんどん近づいてきて、ピタリと止まった。
「河野さん」
佐倉くんがメイちゃんを呼ぶ。
「佐倉くん、どうしたの?」
メイちゃんがちょっとうわずった声でききかえした。
「吹奏楽クラブの子が河野さんのこと、探してたよ。坂下先生から話があるんだって」
「え? 話? なんだろ」
メイちゃんの声に緊張が走る。
「あと、倉橋さん。今日の当番の仕事忘れてるって一組の鈴木がブツブツ言ってたんだけど」
「ひえっ? そ、そうだった!」
すずちゃんがあわてて立ち上がる気配がする。
「……音楽室に行ったらいいのかな?」
「うん。そのはず。倉橋さん、鈴木は昇降口でウロウロしてたよ」
「あ、ありがとうっ。うわ。怒ってないといいけど……」
バタバタバタと二人の足音が遠ざかっていく。
あ、あ、ちょっと待って。二人とも行っちゃうの?
待ってと言えるはずもなく、私はしゃがみこんだまま。
しん。と辺りが静まり返る。
「春名さん。かくれんぼしてるの?」
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