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1 志信にとって私って?
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無事に財布が戻ってきたし、リボンを買いに行かなきゃ。
と、いうわけで、ゆりちゃんの家に行く前にやってきたのは、ショッピングセンター!
よくお母さんと来るけど、たいていスーパーだけ寄って帰るから、今日はじっくり自分の好きな店を見れる♪
二階の服屋さんでおしゃれなワンピースやスカートを横目で見たあと、新しくできたフルーツジュース屋さんでトロピカルジュースを注文。
喉を潤してから、エスカレーターに乗って三階に来たところで、
「あっ」
見かけた姿に思わず声を出してしまった。
ちょうど本屋さんから出てきたのは、志信。
志信は私に気がつくと、にこりと笑った。
「未央、買い物か?」
「うん。志信は?」
「おれは英語の問題集買いにきた。春に買ったやつ、終わったから」
「ふぁ~。すごいね。私なんてお兄ちゃんのお下がりでもらった問題集、一ページもやってないよ」
「それ、和都くんに報告しようか?」
「はっ、忘れて! さっきの発言はなしでっ!」
必死に両手でバツを作る私を見て、志信はクスクス笑う。
私のとなりに志信が並んで、一緒に歩きだした。
「あのね、さっきフルーツジュース屋さんに行ったんだけど、すっごく種類多かったよ。いちご系だけでも五種類!」
「へぇ。それはすごいな」
「志信が好きなグレープフルーツもあったよ」
「そうか。また行ってみるよ」
志信の返事に、ふわっと胸の奥があったかくなる。
全然、中身のない話なんだけど、志信と話してるだけで楽しい。
どうしてこんなに気持ちがほんわかするんだろう?
「あれ? 和都くんがほしがってたやつだ」
志信が雑貨屋さんの前で足を止めた。
ワゴンに入っているピンク色のクッションを、志信が興味深げに手に取った。
たれ目で口が裂けている宇宙人をかたどった、ぎょっとするようなデザイン。
「……お兄ちゃん、こんなのほしいって言ってたの?」
冷めた目で言うと、志信がうなずいた。
「うん。このフワフワ感がリラックスできそうだし、アイデアが浮かびそうなデザインだから、休憩時間の枕にしたいって。さすが、和都くんだよな。休憩時間をいかに快適に過ごすかも考えて、発明時間の質を高めているんだから」
志信が感心したように、宇宙人クッションを眺める。
「いや、ただ単にダラダラしたいだけだと思うんだけど……しかも、趣味悪いな……」
これがウワサのキモカワってやつだね。確かにお兄ちゃんが好きそう。
志信は昔から、なぜかお兄ちゃんのことをすごく尊敬してる。
しょっちゅうお兄ちゃんのことを「天才だ」ってほめてるし、週に三回は小屋に来てお兄ちゃんと話をしたり、一緒にごちゃごちゃ工作してる。
「これ、和都くんに買っていこうかな」
宇宙人クッションをじっと見つめて、真剣につぶやく志信。
すかさず志信からクッションを取り上げて、ワゴンに戻した。
「いらない、いらない! これ以上、物が増えて散らかると困るもん!」
「……でも、和都くんがリラックスできるなら……」
「リラックスなんて常にしてるよ! あの呆けた顔見たら分かるでしょ? これ以上、物を増やさないで! ってお母さんも言ってるんだから!」
「……そうか」
残念そうにクッションを見つめる志信の背中を押して、私は歩き出した。
はー。もう。どれだけお兄ちゃんのこと慕ってるのよ!
あんないい加減なお兄ちゃんなのに。
でも、そう考えたら。
志信にとって、私はただの「お兄ちゃんの妹」って存在なんだろうな。
こうやって、昔から仲良くしてくれるのも、お兄ちゃんの妹だから。
妹なんて、志信が好きな子の対象にならない……よね?
ぐぐっ。何だか胸が痛いぞ?
と、いうわけで、ゆりちゃんの家に行く前にやってきたのは、ショッピングセンター!
よくお母さんと来るけど、たいていスーパーだけ寄って帰るから、今日はじっくり自分の好きな店を見れる♪
二階の服屋さんでおしゃれなワンピースやスカートを横目で見たあと、新しくできたフルーツジュース屋さんでトロピカルジュースを注文。
喉を潤してから、エスカレーターに乗って三階に来たところで、
「あっ」
見かけた姿に思わず声を出してしまった。
ちょうど本屋さんから出てきたのは、志信。
志信は私に気がつくと、にこりと笑った。
「未央、買い物か?」
「うん。志信は?」
「おれは英語の問題集買いにきた。春に買ったやつ、終わったから」
「ふぁ~。すごいね。私なんてお兄ちゃんのお下がりでもらった問題集、一ページもやってないよ」
「それ、和都くんに報告しようか?」
「はっ、忘れて! さっきの発言はなしでっ!」
必死に両手でバツを作る私を見て、志信はクスクス笑う。
私のとなりに志信が並んで、一緒に歩きだした。
「あのね、さっきフルーツジュース屋さんに行ったんだけど、すっごく種類多かったよ。いちご系だけでも五種類!」
「へぇ。それはすごいな」
「志信が好きなグレープフルーツもあったよ」
「そうか。また行ってみるよ」
志信の返事に、ふわっと胸の奥があったかくなる。
全然、中身のない話なんだけど、志信と話してるだけで楽しい。
どうしてこんなに気持ちがほんわかするんだろう?
「あれ? 和都くんがほしがってたやつだ」
志信が雑貨屋さんの前で足を止めた。
ワゴンに入っているピンク色のクッションを、志信が興味深げに手に取った。
たれ目で口が裂けている宇宙人をかたどった、ぎょっとするようなデザイン。
「……お兄ちゃん、こんなのほしいって言ってたの?」
冷めた目で言うと、志信がうなずいた。
「うん。このフワフワ感がリラックスできそうだし、アイデアが浮かびそうなデザインだから、休憩時間の枕にしたいって。さすが、和都くんだよな。休憩時間をいかに快適に過ごすかも考えて、発明時間の質を高めているんだから」
志信が感心したように、宇宙人クッションを眺める。
「いや、ただ単にダラダラしたいだけだと思うんだけど……しかも、趣味悪いな……」
これがウワサのキモカワってやつだね。確かにお兄ちゃんが好きそう。
志信は昔から、なぜかお兄ちゃんのことをすごく尊敬してる。
しょっちゅうお兄ちゃんのことを「天才だ」ってほめてるし、週に三回は小屋に来てお兄ちゃんと話をしたり、一緒にごちゃごちゃ工作してる。
「これ、和都くんに買っていこうかな」
宇宙人クッションをじっと見つめて、真剣につぶやく志信。
すかさず志信からクッションを取り上げて、ワゴンに戻した。
「いらない、いらない! これ以上、物が増えて散らかると困るもん!」
「……でも、和都くんがリラックスできるなら……」
「リラックスなんて常にしてるよ! あの呆けた顔見たら分かるでしょ? これ以上、物を増やさないで! ってお母さんも言ってるんだから!」
「……そうか」
残念そうにクッションを見つめる志信の背中を押して、私は歩き出した。
はー。もう。どれだけお兄ちゃんのこと慕ってるのよ!
あんないい加減なお兄ちゃんなのに。
でも、そう考えたら。
志信にとって、私はただの「お兄ちゃんの妹」って存在なんだろうな。
こうやって、昔から仲良くしてくれるのも、お兄ちゃんの妹だから。
妹なんて、志信が好きな子の対象にならない……よね?
ぐぐっ。何だか胸が痛いぞ?
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