和ごころシンフォニー

森野ゆら

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3章

丘への坂道で

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 思ったより、ショックだ。
 せっかくきれいな音色をきいて、ポジティブな気持ちになってたのに。
 早玖が生徒会の一員だったなんて。それも、学園長に言いなりの生徒会の。
 だから、わたしが「じいちゃんがいた頃の学園に戻す」って言ったら、微妙な反応だったんだ。
 しかも、あんなにへこへこしちゃって!

「あれ? いつの間に」

 気がついたら丘へと続く坂道まで来てた。
 坂道の途中にある離れ屋は、木造で平屋の建物。
 外壁は焼杉が使われているらしくて、もたれると服に黒い炭がついてしまう。
 だけど、この味わいがいいんだって、じいちゃんが言ってたっけ。
 この離れ屋は一階しかないけど、わりと広い。
 昔、茶道部と華道部が使っていて、時々入らせてもらったことがある。
 茶室のとなりの部屋を邦楽部が使っていて、わたしたちは部活がお休みの日にお邪魔してたんだよね。
 だけど今は、見上げるほどの雑草が生い茂っていて、入口が見えないくらい。

「うわ。ここも汚い」

 花壇にゴミがいっぱいあふれてる。
 昔はここにきれいなキキョウが咲いてたのになぁ。
 じいちゃんに「お星さまが咲いてる」って言ったら、笑ってくれたのを思い出す。
 こうやって、ひとつひとつ思い出すたびに、今のありさまを見て胸が痛くなる。
 でも、その痛みも慣れてきちゃった。嫌だな。
 ポケットからビニール手袋とナイロン袋を出して、ゴミを拾った。
 ひどいよね。拾っても拾っても、毎日ゴミが出てくる。
 先生は一応、軽く注意はするけど、あきらめてるところもあるし。
 ……わたし、中学三年間、ゴミ拾いで終わるのかな。
 前の学園を取り戻すなんて大口たたいてたけど、結局何もできてない。
 でも、何をしたらいいんだろう?
 生徒会もあんなだし。
 あとは……直接学園長に訴えに行く?
 でも、当の学園長はまだ海外旅行中だ。もしかしたら、ずーっとバカンスしてるかも。
 わたし、一人で空回りしてるだけなのかな。
 鼻の奥がつぅんと痛くなった時、

「なにしてるんや」
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