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4章
5 リゼ、学校に現る
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大地先生の話からなんとか解放された時には、もう教室に私しか残ってなかった。
途中、紫央ちゃんが美術部行ってくるね~って前を通り過ぎていったっけ。
階段をおりながら、大地先生からもらった入部届をひらひらかざす。
瑞希、バスケ部に入りたいって言ってたのに。なんで入部してないんだろ。
……もしかして、私のせい?
私がリゼとスパイラルを見つけるって言ってるから、気になって部活どころじゃなくて……
……心配してくれてるのかな。
ドキン、と心臓が鳴る。
って、ええい。瑞希のことなんか知るもんか。
それより、自分だ。自分! 何部に入ろう?
やっぱり、運動部? ソフトボールにテニス部、卓球部にバスケ部……
どれも面白そうで決められないなぁ。
昇降口に来た時、校門の方を見ている女子たちが突然、きゃあっと声をあげた。
「うわっ、誰だろ、あの子!」
「見たことないけど、うちの制服着てるから上級生かな?」
「すごい、髪が銀色だよ⁈」
髪が……銀色?
まさかと思って校門に目をやると、やたらスタイルのいい男子が門柱にもたれて立ってる。
リ、リゼ……!
なんで学校にいるの⁈
急いで靴に履き替えて、校門まで全速力で走っていくと、リゼが私に手を振ってきた。
「やぁ。ひなり」
「『やぁ』じゃないよ! なんでこんなところに! しかも制服まで」
「ひなりの学校に来てみたくて用意したんだ。制服着てたら怪しまれなくていいだろ?」
リゼはサプライズ成功! とばかりにうれしそうに笑う。
いやいや。こんな銀色の髪で紫の瞳の人が校門にいたら、じゅうぶん怪しいから。
「わざわざ学校にまで来て……どうしたの?」
きくと、リゼが声をひそめた。
「実は、本部から、サイリにかかわる手がかりが送られてきてさ」
「えっ」
「でも……ここじゃ話せないね」
リゼが苦笑いしながら辺りをぐるりと見まわす。
「うわっ」
いつのまにかできていた人だかりが私たちを見てる。
「ひなりちゃん、その人だれ?」
「すっごいイケメンじゃん!」
「ひなりちゃんは瑞希くんじゃなかったの⁈」
アイちゃんやクラスメイト、他の学年の人まで押し寄せてきた。
「あ、えっと、こ、この人は……い、いとこなのっ。きょ、今日は親戚でパーティーするんだった。ね、早く帰ろっ、リゼ太郎くん!」
リゼの腕を引っ張って、逃げるようにその場から走り去る。
「リゼ太郎って……」という不満そうな声がリゼから聞こえてきたのは無視した。
途中、紫央ちゃんが美術部行ってくるね~って前を通り過ぎていったっけ。
階段をおりながら、大地先生からもらった入部届をひらひらかざす。
瑞希、バスケ部に入りたいって言ってたのに。なんで入部してないんだろ。
……もしかして、私のせい?
私がリゼとスパイラルを見つけるって言ってるから、気になって部活どころじゃなくて……
……心配してくれてるのかな。
ドキン、と心臓が鳴る。
って、ええい。瑞希のことなんか知るもんか。
それより、自分だ。自分! 何部に入ろう?
やっぱり、運動部? ソフトボールにテニス部、卓球部にバスケ部……
どれも面白そうで決められないなぁ。
昇降口に来た時、校門の方を見ている女子たちが突然、きゃあっと声をあげた。
「うわっ、誰だろ、あの子!」
「見たことないけど、うちの制服着てるから上級生かな?」
「すごい、髪が銀色だよ⁈」
髪が……銀色?
まさかと思って校門に目をやると、やたらスタイルのいい男子が門柱にもたれて立ってる。
リ、リゼ……!
なんで学校にいるの⁈
急いで靴に履き替えて、校門まで全速力で走っていくと、リゼが私に手を振ってきた。
「やぁ。ひなり」
「『やぁ』じゃないよ! なんでこんなところに! しかも制服まで」
「ひなりの学校に来てみたくて用意したんだ。制服着てたら怪しまれなくていいだろ?」
リゼはサプライズ成功! とばかりにうれしそうに笑う。
いやいや。こんな銀色の髪で紫の瞳の人が校門にいたら、じゅうぶん怪しいから。
「わざわざ学校にまで来て……どうしたの?」
きくと、リゼが声をひそめた。
「実は、本部から、サイリにかかわる手がかりが送られてきてさ」
「えっ」
「でも……ここじゃ話せないね」
リゼが苦笑いしながら辺りをぐるりと見まわす。
「うわっ」
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