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5章
3 フルーツ公園へ
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三十分ほど電車にゆられてやってきたのは、星山駅。
歩いてすぐの所に星山フルーツ公園はある。っていうか、駅からもう見えてる。
ゆるやかな坂になってる遊歩道を歩いて、星山フルーツ公園の入り口についた。
「うわぁ。なつかしいなぁ」
むつ子さんと瑞希と私で来た時と同じくらいの青い空。
ここは、夏はぶどう狩り、秋は栗や柿狩りができるんだよね。
今はシーズンオフだから入場料無料で入れるんだ。お得!
ぶどう狩りの時は、人でにぎわってるけど、今日はあまり人がいない。
「さて。スパイラルはっと……」
公園に入ってすぐに、立ち止まって耳をすます。
でも、何も聞こえない。
まぁ、こんな入り口付近にスパイラルなんて作らないよね。
奥を探してみようかな。
キョロキョロしてると、作業服を着たおじいさんがやってきた。
「おや、君、一人で来たのかい? ぶどう狩りはまだできないよ」
「知ってます。ぶどう狩りに来たことありますからっ」
頬をふくらませて言うと、おじいさんがハハハッと笑った。
「それは失礼したのう。悪かった。いや~。この前も君くらいのおかっぱ頭の子が一人で来てウロウロしてたから。子どもがぶどうの時期をまちがえてきたのかなと思ってな。ま、今は花がきれいじゃぞ。花壇はわし達が丹精込めて手入れしてるから、ゆっくり公園内を楽しんでくれな」
「はい。ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げると、おじいさんはホウキを片手に公園の奥へと歩いていった。
ぶどうの時期を間違えて……かぁ。まぁ、確かに今はぶどうも栗もなってないし、イベントもやってないから、子どもが一人で来たらどうしたのかなって思うのかも。
でも、私の他にもこんな所まで来る子どもがいるんだなぁ。
お花でも見に来てるのかな。
花壇のキンギョソウを眺めながら歩いていると、見覚えのある男の人に気がついた。
「あれ?」
園内の案内看板の前で立ってるツンツン頭のあの人…………あれは大地先生だ。
大地先生もここに遊びにきたんだ。お花を見に来たのかな?
そう思ったけど、花壇の花には目もくれず、何やらキョロキョロしてる。
落ち着かなく遠くを見たり、足踏みしたり、ため息をついたり。
すっごく挙動不審だ。
「大地せんせ……」
呼びかけようとしたら、ぱっと目が合った。
ビクリとした大地先生は、すぐに視線をそらして、あわてて逃げるように走っていっちゃった。
あれ? なんで?
おかしいな。人ちがいだったのかな。
それとも、私だって分からなかったのかな?
大地先生が走っていった奥へ追いかけてみたけど、だれもいない。
……変だなぁ。やっぱり人ちがいだったのかな。
くるりと方向変換した時、
ブ……ン……
耳の奥に重低音が響く。
「あ!」
思わず立ち止まって耳をすませる。
この不思議な低い音、スパイラルだ!
歩いてすぐの所に星山フルーツ公園はある。っていうか、駅からもう見えてる。
ゆるやかな坂になってる遊歩道を歩いて、星山フルーツ公園の入り口についた。
「うわぁ。なつかしいなぁ」
むつ子さんと瑞希と私で来た時と同じくらいの青い空。
ここは、夏はぶどう狩り、秋は栗や柿狩りができるんだよね。
今はシーズンオフだから入場料無料で入れるんだ。お得!
ぶどう狩りの時は、人でにぎわってるけど、今日はあまり人がいない。
「さて。スパイラルはっと……」
公園に入ってすぐに、立ち止まって耳をすます。
でも、何も聞こえない。
まぁ、こんな入り口付近にスパイラルなんて作らないよね。
奥を探してみようかな。
キョロキョロしてると、作業服を着たおじいさんがやってきた。
「おや、君、一人で来たのかい? ぶどう狩りはまだできないよ」
「知ってます。ぶどう狩りに来たことありますからっ」
頬をふくらませて言うと、おじいさんがハハハッと笑った。
「それは失礼したのう。悪かった。いや~。この前も君くらいのおかっぱ頭の子が一人で来てウロウロしてたから。子どもがぶどうの時期をまちがえてきたのかなと思ってな。ま、今は花がきれいじゃぞ。花壇はわし達が丹精込めて手入れしてるから、ゆっくり公園内を楽しんでくれな」
「はい。ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げると、おじいさんはホウキを片手に公園の奥へと歩いていった。
ぶどうの時期を間違えて……かぁ。まぁ、確かに今はぶどうも栗もなってないし、イベントもやってないから、子どもが一人で来たらどうしたのかなって思うのかも。
でも、私の他にもこんな所まで来る子どもがいるんだなぁ。
お花でも見に来てるのかな。
花壇のキンギョソウを眺めながら歩いていると、見覚えのある男の人に気がついた。
「あれ?」
園内の案内看板の前で立ってるツンツン頭のあの人…………あれは大地先生だ。
大地先生もここに遊びにきたんだ。お花を見に来たのかな?
そう思ったけど、花壇の花には目もくれず、何やらキョロキョロしてる。
落ち着かなく遠くを見たり、足踏みしたり、ため息をついたり。
すっごく挙動不審だ。
「大地せんせ……」
呼びかけようとしたら、ぱっと目が合った。
ビクリとした大地先生は、すぐに視線をそらして、あわてて逃げるように走っていっちゃった。
あれ? なんで?
おかしいな。人ちがいだったのかな。
それとも、私だって分からなかったのかな?
大地先生が走っていった奥へ追いかけてみたけど、だれもいない。
……変だなぁ。やっぱり人ちがいだったのかな。
くるりと方向変換した時、
ブ……ン……
耳の奥に重低音が響く。
「あ!」
思わず立ち止まって耳をすませる。
この不思議な低い音、スパイラルだ!
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