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番外編 2025/04/08 new !!
銀座を二人でぶらぶらと (3/終)
しおりを挟むベッドの上、布団にくるまったままじとーっと隣で正座をしている男を見上げて無言の圧力を掛けている櫻子がいる朝。
「四代目、誠に申し訳有りませんでした」
詫びを入れる恭次郎は昨晩の自分の衝動を恥じていた。年甲斐もなく奥さんとなる人を心底愛しているからとは言え抱き潰すなどあってはならない。
「……つめ……て」
「指か」
「ばか……」
昨日のお惣菜を朝ごはんがてら一纏めに詰めておいて欲しいと言う櫻子。確かに冷蔵庫の中は昨夜の雰囲気的に押し込むようにしまってしまったのでかなり雑然としている。
実のところ、二人はお風呂も一緒に入っていた。だから始まりから終わりまでそこそこ二人は楽しい時間を長く過ごしていたのだが……。
「恭次郎が本気で私を抱いたらどうなっちゃうんだろ、ね……」
ああ、彼女にバレている。
あれが出力70パーセントくらいで、まだまだ愛せる余地があるなど。
「しねえよ、ンなこと」
「どうかしら」
事実、いつもより情熱的にヤッちまったせいで詫びを入れているのだ。
「恭次郎」
「ん?」
「愛してる」
「!!」
ふふ、と笑った櫻子は言い逃げるように頭まで掛け布団を被ってしまう。そして布団を恭次郎が思いきり引っ剥がし、彼女を抱き締めてキスをするまであと三秒。
そして朝からベッドの上でじゃれ合って握り合うそれぞれの左手に揃いの結婚指輪が通されるまで、あと――。
番外編 おしまい。
少し長めのあとがき&お礼
2025年3月末『東京くらくら享楽心中』はアルファポリス第18回恋愛小説大賞 奨励賞をいただきました。本編完結後の話をまだ書いていなかったのでお礼も兼ね、5000文字程度ではありますがこの番外編を書き、投稿してみました。
文に言い回しの癖が強く出てしまって読みにくい箇所もあると承知の上での長編投稿……そんな緑野の癖や趣味全開で書いたお話に奨励賞をいただき、本当に嬉しかったです。
投票をしてくださった方、読んでくださった方、ありがとうございました。これからも精進したいと思います。 緑野 かえる
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