ムッツリ生徒会長にご教授!

三日月

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受諾

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こっちとしては、至極当然のことを言ったまでなんだが。
生徒会長は、息を呑むと黙り込んでしまった。
なんでこの世の終わりみてぇな顔になってんだよ。
そんな酷いことを言ったつもりはねぇぞ。
俺が睨むと、生徒会長は声を絞り出した。


「そ、それは困る。
あの貴重なデータは、これから先、私の手本として何度も見直そうと思っているんだ」


絶望に震えた声と怯えた目が、本気でそう決めているのだと伝えてくる。


「勝手なことぬかすなっ」


職員室に駆込まれるよかはマシだが、これから先延々コイツに使われるとか⋯気持ち悪さしかねぇわ。
だが、この堅物生徒会長様が本気で大学デビュー目指してんのはわかった。
中身は男子高校生、俺と変わらないってことか。


「あれが無くなると困るんだ」

「勝手に手本にされる方が困るわっ」


切実な生徒会長と断固拒絶な俺。
両者譲らずの平行線。
睨みつけても効果無しで、祈るような目線を返される。
手本にされるのもゴメンだが、気が変わってチクられるリスクが高い。

どうしたら⋯心ん中で頭を抱える俺の目に、渡された資料のタイトルがもう一度入る。
コイツの目的は、大学デビュー、なんだよな。
この堅物生徒会長を上手く変えられるか自信はねぇけど、師匠呼ばわりする俺がデビュー出来ると思わせるくらいは出来んじゃね?
適当に合格したって言ってやれば信じそうな必死さを感じるし。


「よしっ、手本が無くても大学デビューが上手く行くように俺が手伝ってやる。
だから、その暁にはそのデータを俺に寄越せ」


表紙をパンパン掌で叩き、お前の目的はこれだろうと発破をかける。
が。


「手本で復習しなくても上手く行くようになるとは思えない」


冷静な顔で言われると、まぁ確かにと頷きそうになった。
いやいや、ここで折れてる場合じゃねぇ。
どうせ来年の春には、コイツはどっか遠くの難関大学に進学するんだ。
その先のことなんか知るか。
俺としては、コイツに自信を付けさせてデータを奪えばいい話。


「だったら、俺はなんにも教えてやらねぇからな。
他を当たれよ」


こんな無茶苦茶なやり方で、他が指南役を引き受けるとは思えねぇけど。


「他の生徒のやり方は、強引で理想とかけ離れていた。
君が引き受けてくれないのは⋯もっと困る⋯」


おいおい、コイツどんだけ盗聴盗撮してんだよ。
犯罪だぞ。
ドン引きする俺に、渋々生徒会長は右手を差し出してきた。


「⋯よろしく、お願いします」

「交渉成立な」


握手を交わしてデータ奪還に一歩近付けた。
停学になってたまるか。
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