ヘタレαにつかまりまして

32 萩野式

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｢三枝、樟葉の勉強をみることになったんだが一緒にどうだ？｣


期末試験前の一週間、部活動は原則禁止される。
三枝が所属するバスケ部もそれは同じ。
前日の夜、色々と思うことがあって三枝にも声を掛けてみた。


『え、俺もえぇの？
わぁ、助かる～』


三枝の声が、スピーカーを通してもわかるくらいに弾んだのがわかった。
用事も済み、スマホを切ると・・・俺を膝にのせ、後ろから抱き締めていたヤマが深くて長い溜め息をついた。


｢俺も、カナと勉強したいなぁ｣

｢バカ、お前には必要ないし、樟葉が勉強どころじゃなくなるだろう｣


今日まで、休み時間や放課後を利用して樟葉に何度も過去問題を参考にしたミニテストを実施して。
わかるまで柴田と二人で説明もしてみたんだが、なかなかに手強い。

ある程度基礎が必要な英語系統は、理解している文法が少ないし、他の教科も暗記出来る容量に限界があるらしく、覚えた先から零れていく。