例えβに生まれても

13 純情の王子様

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身体が全然動かなくて。

吸い寄せられるように合わさった唇は、しっとり濡れていて。
隙間なく、ピッタリ塞がれて。
アップ過ぎて焦点が合わないんだけど。
目の前にいるのは、清人様に間違いなくて。

清人様に、また、キスされてるぅっ

俺は、もぅ、どうしたらいいんでしょうかっ
感極まって、気付いたら涙が出ちゃってるし。
息も出来なくて、止めちゃってるし。

やんわり、唇をくっつけたまま動かした清人様に、口を開かされていて。
ペロリと、自分の前歯を、歯茎を舐めらる、なんて。
初めて知った感触に身震い。　

ようやく、ようやく、身体が動きましたっ
お、お、お、おかしすぎるよっ
こんなのっっ


｢や....｣


止めてって。
止めて下さいって。
俺は、言いたかっただけなのに。

クチュッ

開いた口の隙間を、清人様の舌が埋めて、そのまま、そのまま、そーのーまーまー......

俺にはレベルが高すぎるキスを、されてしまってました。