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2 Ω
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その時、自分はもうすぐ試合だと控え室で勝利へのイメージを膨らませていた。この日のために身体を絞り、最適な肉体を作り上げ、万全の体調で挑むために準備を怠らなかった。
会場入りのときも、全く不自然さを感じなかった。自分と相手の名前が記された昇りやポスター、開場待ちの人の列。試合前に上がったリングから眺めた会場を、自分を証明する場にするんだと闘志に燃えていた。
だが。
部屋に突然現れた侵入者5人に、ジムの関係者が次々捕まり、ロープや猿ぐつわで拘束されたのは試合開始10分前。動物の顔を模した被り物と変声機を通して聞こえる甲高い声で、それが知っている人間かどうかはわからなかった。いや、こんなことをする人間が自分の知り合いな訳が無い。
「スポーツ関連のΩ狩りってさ、楽なんだよね」
「ドーピング恐れて、発情したら休んじゃうからさ」
「旅行とか嘘ついても調べるのなんて簡単だし」
ゲラゲラ笑いあう侵入者に抵抗しようと腰を上げたが、ジムのメンバーに突きつけられる鉄パイプにそこから身体は動けないでいた。
馬が自分の顔に鼻先をわざと当てながら嗤う。
「ハハハっ、あんた、外見がわかりづらいんだよ。
しかも、試合周期をわざと合わせてたしさぁ。
それなのに自分からさぁ、Ωだってわざわざ公表して。
俺達に見つけて欲しかったんだろ?
見つけるの遅れちゃって、ごめんねぇ」
噂には聞いていた。Ωだと噂されたスポーツ選手や芸能人がつぎつぎ姿を消していると。ただの噂と思いたかった。Ωというだけで、差別された時代は終わったんじゃなかったのか。だから、自分からジム関係者以外にもΩだと公表したんだ。
会場入りのときも、全く不自然さを感じなかった。自分と相手の名前が記された昇りやポスター、開場待ちの人の列。試合前に上がったリングから眺めた会場を、自分を証明する場にするんだと闘志に燃えていた。
だが。
部屋に突然現れた侵入者5人に、ジムの関係者が次々捕まり、ロープや猿ぐつわで拘束されたのは試合開始10分前。動物の顔を模した被り物と変声機を通して聞こえる甲高い声で、それが知っている人間かどうかはわからなかった。いや、こんなことをする人間が自分の知り合いな訳が無い。
「スポーツ関連のΩ狩りってさ、楽なんだよね」
「ドーピング恐れて、発情したら休んじゃうからさ」
「旅行とか嘘ついても調べるのなんて簡単だし」
ゲラゲラ笑いあう侵入者に抵抗しようと腰を上げたが、ジムのメンバーに突きつけられる鉄パイプにそこから身体は動けないでいた。
馬が自分の顔に鼻先をわざと当てながら嗤う。
「ハハハっ、あんた、外見がわかりづらいんだよ。
しかも、試合周期をわざと合わせてたしさぁ。
それなのに自分からさぁ、Ωだってわざわざ公表して。
俺達に見つけて欲しかったんだろ?
見つけるの遅れちゃって、ごめんねぇ」
噂には聞いていた。Ωだと噂されたスポーツ選手や芸能人がつぎつぎ姿を消していると。ただの噂と思いたかった。Ωというだけで、差別された時代は終わったんじゃなかったのか。だから、自分からジム関係者以外にもΩだと公表したんだ。
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