可愛いΩのナカセカタ

三日月

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185 Ω

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「あれ、あれー?
 なぁんだよ、由良ちゃーん。
 何されても、君はお人形さんのはずだろ?
 リングに立ち、俺達αを血祭りに上げた罰を喰らって、魂吸いとられて地に墜ちてた癖に」


 顎を掴んでいなかった左指が、うなじに爪を立てる。何をするつもりなのか・・・一思いに首を掻き切るつもりか?血が混じる生唾を飲み込んだ自分の予想は外れていた。だが、安堵出来たわけじゃない。
 芹沢の爪先が動いた形にギクリと身体が強張る。そこにあるのは、自分が疾風の番であることを示した牙の跡。自分にとっては、疾風に刻んでもらえた繋がりの証。

 触れて欲しくないと、言葉にならない声で抵抗を示せば、芹沢は陽気に嗤う。何をしようとしているのか、思い当たるより先にそれは実行された。
 嗤いながら爪を突き立て、肉をかき混ぜ、芹沢は疾風の歯形を崩した。


「番なんか手に入れて、またリングにでも戻ろうとかバカなこと考えてんじゃないだろうなぁ?」


 疾風の証が・・・っ
 痛みより繋がりを消されたショックで、番を解除されたような絶望に涙が止まらない。芹沢は、自分の右頬を容赦なく拳で殴る。
 今は取り締まられたΩ狩り信者。毎月自分をいたぶりに来ていたこの男と、これだけ言葉を交わしたのは初めてだった。
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