可愛いΩのナカセカタ

三日月

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236 α

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 視線を上げ、た、ことを、俺は後悔した。

 αは、見てくれがβやΩより優遇されて生まれてくる。その中でもコレは、質が違う。格の違いでは言い表せられないくらい、次元が違う。由良の近親者の後ろに現れたαは、群を抜くどころか、同じ場所に存在するのも疑う出来映えだった。

 陶磁器よりも白く透き通った肌と煌めく金色の髪。金髪と一括りにするには、艶めき方が他の金髪と違いすぎる。窓から差し込む僅かな光にさえ反射する黄金の輝き。無造作に後ろに緩く括られていても、その異質さは際立つ。上質過ぎて目につき、その場から浮いて見える。
 薄い色の入った眼鏡から覗く同じ色の瞳も、俺からすればぞっとするほど澄みすぎていた。人心を惑わす気味が悪い瞳。

 片手で一度は閉まった扉を支えながら、座り込んでいるバカの口から手を離し、バカが立ち上がるのに手を貸している。そのバカ相手に下手に出た動きを見て、鳥肌が立つ。こんな奇妙な、違和感まみれの人間を目にするのは初めてだった。コレは、外見だけじゃない。中身も、ヤバイ。


「すみません、久し振りの再会にはしゃぎすぎてるみたいで。
 輝良さん、もうちょっと抑えないと病院出禁になりますよ」


 本人には、そういった自覚がないのか、異質さを抑制できているつもりなのか。萩野の血を引く俺は、ハッキリとその違いを感じてしまう。これだけの違いを見せておきながら、こちらに軽く頭を下げてこられ。全身に、ビリビリ緊張が走り、総毛だち、それを相手に悟られまいと平静を装うのに苦労する。
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