可愛いΩのナカセカタ

三日月

文字の大きさ
286 / 461

283 α 現在

しおりを挟む
「なんだ、くすぐったいだろう?」


 由良は、青嵐の意図がわからずこちらには気付かない。青嵐からちょっかいをかけられたくらいに感じて、楽しそうに微笑んでいる。

 仙人じいさんってのは、由良に畑を貸してる不動産王の藤城(ふじしろ)だったか。見た目は白髭を蓄えた好好爺で、昔青嵐が言い出したおかしな渾名が定着して本人も気に入っているらしい。
 由良は全く気付いてないようだが、藤城はもともと金貸しを古くから商いにしてきた家柄。有り余る土地は、担保を巻き上げた結果手に入れた副産物。人間嫌いでヘソ曲がりで金にはガメツイことで知られている御大に、無償で土地を貸してもらうとか。由良のαタラシが過ぎる。
 御大の身内よりも由良を優遇するから、由良が一時御大の遺産を狙う愛人かと疑られていたくらいだ。今じゃ、そんなことを疑う輩は一掃されて居ないがな。

 「たまたま知り合った良い人」と由良は心底そう思っているが、御大に人生無茶苦茶にされた人間が聞いたら「目を覚ませ」レベルじゃないだろう。だいたい、俺のために小さな土地を御大から借りて野菜を種から蒔いて育て出したくせに、沢山取れるから余った分をママ友に配布。それにファンがついて事業が始まるとか。起業にPTAで知り合ったαが挙って手を貸すとか。由良に心酔するΩやβが増えるとか。

 いや、そもそも、この青嵐が入った幼稚園で由良がPTA会長になった辺りから由良のαタラシが加速し出したんだ。いくら、バース性混在の幼稚園でも、ΩがPTA会長なんて前代未聞。それがすんなりと満場一致。まぁ、由良は最後まで「自分がそんなっ」と辞退しようとしたようだが押しきられたんだよな。
 その辺りから、どんどん由良の周りにαが増えた。

 元凶の青嵐に向かって苛立つフェロモンをぶつけてやると、その喉がヒクンとひきつる。


「お、親父が睨んで恐いんだってばぁっ」
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。読む前に注意!誤字脱字あり。受けが外面は一人称私ですが、砕けると僕になります。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...