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「なんだ、くすぐったいだろう?」
由良は、青嵐の意図がわからずこちらには気付かない。青嵐からちょっかいをかけられたくらいに感じて、楽しそうに微笑んでいる。
仙人じいさんってのは、由良に畑を貸してる不動産王の藤城(ふじしろ)だったか。見た目は白髭を蓄えた好好爺で、昔青嵐が言い出したおかしな渾名が定着して本人も気に入っているらしい。
由良は全く気付いてないようだが、藤城はもともと金貸しを古くから商いにしてきた家柄。有り余る土地は、担保を巻き上げた結果手に入れた副産物。人間嫌いでヘソ曲がりで金にはガメツイことで知られている御大に、無償で土地を貸してもらうとか。由良のαタラシが過ぎる。
御大の身内よりも由良を優遇するから、由良が一時御大の遺産を狙う愛人かと疑られていたくらいだ。今じゃ、そんなことを疑う輩は一掃されて居ないがな。
「たまたま知り合った良い人」と由良は心底そう思っているが、御大に人生無茶苦茶にされた人間が聞いたら「目を覚ませ」レベルじゃないだろう。だいたい、俺のために小さな土地を御大から借りて野菜を種から蒔いて育て出したくせに、沢山取れるから余った分をママ友に配布。それにファンがついて事業が始まるとか。起業にPTAで知り合ったαが挙って手を貸すとか。由良に心酔するΩやβが増えるとか。
いや、そもそも、この青嵐が入った幼稚園で由良がPTA会長になった辺りから由良のαタラシが加速し出したんだ。いくら、バース性混在の幼稚園でも、ΩがPTA会長なんて前代未聞。それがすんなりと満場一致。まぁ、由良は最後まで「自分がそんなっ」と辞退しようとしたようだが押しきられたんだよな。
その辺りから、どんどん由良の周りにαが増えた。
元凶の青嵐に向かって苛立つフェロモンをぶつけてやると、その喉がヒクンとひきつる。
「お、親父が睨んで恐いんだってばぁっ」
由良は、青嵐の意図がわからずこちらには気付かない。青嵐からちょっかいをかけられたくらいに感じて、楽しそうに微笑んでいる。
仙人じいさんってのは、由良に畑を貸してる不動産王の藤城(ふじしろ)だったか。見た目は白髭を蓄えた好好爺で、昔青嵐が言い出したおかしな渾名が定着して本人も気に入っているらしい。
由良は全く気付いてないようだが、藤城はもともと金貸しを古くから商いにしてきた家柄。有り余る土地は、担保を巻き上げた結果手に入れた副産物。人間嫌いでヘソ曲がりで金にはガメツイことで知られている御大に、無償で土地を貸してもらうとか。由良のαタラシが過ぎる。
御大の身内よりも由良を優遇するから、由良が一時御大の遺産を狙う愛人かと疑られていたくらいだ。今じゃ、そんなことを疑う輩は一掃されて居ないがな。
「たまたま知り合った良い人」と由良は心底そう思っているが、御大に人生無茶苦茶にされた人間が聞いたら「目を覚ませ」レベルじゃないだろう。だいたい、俺のために小さな土地を御大から借りて野菜を種から蒔いて育て出したくせに、沢山取れるから余った分をママ友に配布。それにファンがついて事業が始まるとか。起業にPTAで知り合ったαが挙って手を貸すとか。由良に心酔するΩやβが増えるとか。
いや、そもそも、この青嵐が入った幼稚園で由良がPTA会長になった辺りから由良のαタラシが加速し出したんだ。いくら、バース性混在の幼稚園でも、ΩがPTA会長なんて前代未聞。それがすんなりと満場一致。まぁ、由良は最後まで「自分がそんなっ」と辞退しようとしたようだが押しきられたんだよな。
その辺りから、どんどん由良の周りにαが増えた。
元凶の青嵐に向かって苛立つフェロモンをぶつけてやると、その喉がヒクンとひきつる。
「お、親父が睨んで恐いんだってばぁっ」
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