可愛いΩのナカセカタ

三日月

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「疾風と、一緒に住み始めた頃に戻ったみたいだなと思ってな」


 ワンルームに戻り、見渡す必要もないくらい狭い部屋を眺める。あの頃と間取りは殆ど変わらない。真四角の部屋の隅には、段ボールがいくつも未開封で積まれたままで、床に三つ折りに置いたままの布団以外はものが出ていない。

 昨日までは、他に部屋もあったし、子ども達もいた。皆、片付けを進んでしてくれるから散らかってはいなかったんだが。そこと比べると、ここはガランとしている。


「寂しいんだろ?」


 疾風が自分の気持ちを見透かして嗤う。


「こんなに早く、親離れの日が来るなんて思ってなかったしな」


 疾風の問いかけに苦笑。毎日周りに助けられながら、5人の子育てに夢中だった。αだからか、疾風の子どもだからか。皆しっかりした良い子ばかり。年が経つにつれて、自分がしてやれることがどんどん無くなってしまい、別居が決まってからはさせてもらえなかった。離れてしまうと益々してやれなくなる。
 一番下の嵐は、まだ小学生なのにな。いくら萩野家では一人暮らし出来て当たり前の年令で、青嵐達がついているから問題ないと疾風に言われても・・・あぁ、自分の方が子離れ出来ないんだよな。その自覚はある。急に周りから居なくなると寂しい。
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