可愛いΩのナカセカタ

三日月

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「・・・ふぁ」


 掌で隠した唇から、隠しきれない声を漏らして悶える由良。羞恥で赤く染まるうなじには、昨夜つけたばかりの真新しい俺の歯形がクッキリと赤黒く残っている。
 その場所に、永遠に残るはずだった番の証は、由良を拉致られた間にズタズタに崩されてしまった。何度も噛みなおすのは、己れ自身の失態への戒めでもあるんだが。由良にとっては性感帯になるらしく、最中以外でもこの通りの反応を示す。
 あの日のことを思い出し、俺がきつく噛み過ぎて傍目にも痛々しい跡が残っても。由良はその痛みさえ受け入れ、俺にまた噛んで貰えた嬉しさにニヤニヤしてるからな。
 つい、それに甘えて俺は強く噛み跡を刻んでしまう。

 膝に力が入らず、崩れ落ちそうな由良の腰に右腕を回し抱き寄せる。グズグズに内側から蕩ける由良の身体から、蜘蛛の糸のような細くてしなやかな求愛フェロモンが俺を求めて幾筋も伸びてくる。
 

「はぁ・・・」


 胸を揉まれ、熱い息を吐き出す由良。こんな由良に抱かれたいとか、有り得ないだろう。快感でブルブル小刻みに震える身体をまさぐり、服の上から立ち上がった乳首を左手で摘まみ上げたら可愛く啼いて頭を小さく横に振る。
 嫌がるんじゃなく、誘うような仕草が堪らない。

 あの一件は、由良が俺にとってかけがえの無い存在だと実感させられた。αは番相手を何度でも変えることが出来る。が、俺には由良しか居ない。あれがなかったら、由良にこんな言葉をかけることもなかった。
 俯いた耳元に、俺はその言葉を響かせた。


「由良、好きだよ」
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