可愛いΩのナカセカタ

三日月

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 息も絶え絶えな由良を抱き上げれば、焦らされたと勘違いして涙目で訴えてくる。その身体から伸びている求愛フェロモンが、嬉しそうにグルグル俺達の周りを子犬のように回っているのとは対照的だ。目尻にキスを落としてやりながら、部屋の隅の三つ折の布団を蹴飛ばし床に広げた。
 せっかく由良もヤル気になってるし、たっぷり今日も啼かせてやろう。壁を背にもたれさせ、ボロボロ目尻や頬を伝いだした涙を舌で嘗め、肌を強く吸い上げ歯を立てる。


「ふぅ・・・ぁっ」


 慌てて押さえた手は、間に合わず。指の間から興奮した喘ぎ声が漏れた。俺の邪魔をする由良の武骨な手の甲に何度も唇を落とし、嗤いかけてやる。由良、そのままじゃキスが出来ないだろ?掌越しで、満足すんのか?
 舌を出して、これ見よがしにねっとりと人差し指を嘗めてやる。

 由良は、興奮して荒くなった息を震わせながら、俺の首に手を伸ばしてきた。声を殺そうと食い縛っていた歯は半開きで、喉を鳴らして迫ってくる。この時の由良の顔は、恥じらいながらも我慢しきれない色欲に負け負けだからな。自分から唇を合わせる行為に、目の縁は赤く染まり涙が目尻のシワを辿り落ちてるのに、開いた唇は好物を喰らおうと貪欲に向かってくる。

 相変わらず初々しさを捨てきれない反応を示すくせに、隙間なく合わさった唇の内側ではまるで違う。すっかり俺の口内を探り当てることに慣れた舌が、深く奥まで潜ってくる。由良の固くそそり勃つペニスを布越しに握って扱きながら、それに応えて舌を絡ませれば喉を鳴らして唾液をせびる。

 舌の動きが段々鈍るのは、キスだけでイキそうなくらい感じすぎて何も考えられなくなるからだ。由良は基本受身。由良に抱かれたがるヤツがいるなんて、本質が全然見抜けてないだろう。
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