可愛いΩのナカセカタ

番外編

嵐に舞う雪 ６

　この人は、俺のものだ。詳細に語るなら、身請け代金とここで暮らすに辺り必要な経費は親父様が肩代わりしてくれているだけだから、まだ完全には俺のものじゃない。利息がわりに今日のような後始末や雑用を兄弟の中で一番頼まれ、元本は就職してから返済する約束だ。

　親父様が由良にあったのは小学６年のアングラ(=アンダーグラウンド)。奇縁というべきか。俺も同じ歳に雪さんに同じ場所で出会った。

　親父様からは由良には言わないよう厳命されているが、精通や生理を迎えた兄姉は全員アングラで性交に慣れるまでは通わされる。萩野家の血を引く俺達兄弟のぺニスは、性交のときだけ変貌するクリトリスの姉も含めて平均より長く太い。成長しきる前からコントロールする必要があった。
　相手を傷つけず、ヤリ殺さず、互いに気持ちよくなれるまでは親父様のツケでフリーパス。俺も何回目かの性交の練習に来た日、雪さんは遅咲きのしかもアルビノのΩとして売られてきた。

　アングラは、基本売られてくるΩの背景は考慮しない。商売になれば買い取り、教育し、客を取らせる。Ωの人権が見直されても、スタイルは変わらない。管理が他より良心的な萩野に売られたと言うことは、むやみにヤリ殺されたり臓器移植や奴隷として扱われるΩの抑制にも繋がっているから皮肉なものだ。