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番外編
真似っこ、お揃い、あのひとと 13
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◼風音 22歳の場合◼
「ねぇ~、かざにゃ~ん。
彩葉(いろは)ちゃん達は、ショッピングに来たんじゃなかったかにゃ~
あそこに飾ってた服、もうちょっと見たかったにゃ~」
「黙って」
閉鎖された、いかにもな工場跡。捲れたフェンスから侵入し、気配を消し、息を殺し、あたしは歩いてるのに。呑気に喋り続け、愚痴り続け、緩いオツムを披露する従姉、立花 彩葉(たちばな いろは)を睨む。ここに来るまでに説明したよね、何が起こってるか、されてるか。
黙っていれば、御人形。金髪金目に彩りを加えるピンクほっぺも唇も、真っ白な肌もクルルン睫毛も天然物。化粧要らずの外面だけなら、どこの誰より可愛いのは認めるけれど、口を開けば全て台無し。ロクデナシ。自分本意の我が儘駄々もれ、バカ丸だしな不思議ちゃん。今は頼むから黙ってなさい。腰まで伸びた煌めく髪が風に煽られ絡まらないかとか、そんなくだらないことでも気にかけてなさい。
「にゃ~ん、かざにゃん、こわ~いにゃ~」
「糖分とってにゃ~ん」って、食べ掛けドーナツを口に捩じ込もうとしないでっ、そんな場合じゃないんだってば!
たまたま二人でショッピングモールに来ていたら、弟の番、雪ちゃんが歩いてる後ろ姿が見えて。挨拶しようと近寄る前に、雪ちゃんは人に囲まれ姿を消した。
あんなに呆気なく、抵抗なく連れ去られるなんて。多分・・・禁じてのΩにだけ波長を合わせた意識をなくさせるフェロモン、通称拉致フェロモン。じゃなければ、あの雪ちゃんが大人しくラチられる訳がない。
「ねぇ~、かざにゃ~ん。
彩葉(いろは)ちゃん達は、ショッピングに来たんじゃなかったかにゃ~
あそこに飾ってた服、もうちょっと見たかったにゃ~」
「黙って」
閉鎖された、いかにもな工場跡。捲れたフェンスから侵入し、気配を消し、息を殺し、あたしは歩いてるのに。呑気に喋り続け、愚痴り続け、緩いオツムを披露する従姉、立花 彩葉(たちばな いろは)を睨む。ここに来るまでに説明したよね、何が起こってるか、されてるか。
黙っていれば、御人形。金髪金目に彩りを加えるピンクほっぺも唇も、真っ白な肌もクルルン睫毛も天然物。化粧要らずの外面だけなら、どこの誰より可愛いのは認めるけれど、口を開けば全て台無し。ロクデナシ。自分本意の我が儘駄々もれ、バカ丸だしな不思議ちゃん。今は頼むから黙ってなさい。腰まで伸びた煌めく髪が風に煽られ絡まらないかとか、そんなくだらないことでも気にかけてなさい。
「にゃ~ん、かざにゃん、こわ~いにゃ~」
「糖分とってにゃ~ん」って、食べ掛けドーナツを口に捩じ込もうとしないでっ、そんな場合じゃないんだってば!
たまたま二人でショッピングモールに来ていたら、弟の番、雪ちゃんが歩いてる後ろ姿が見えて。挨拶しようと近寄る前に、雪ちゃんは人に囲まれ姿を消した。
あんなに呆気なく、抵抗なく連れ去られるなんて。多分・・・禁じてのΩにだけ波長を合わせた意識をなくさせるフェロモン、通称拉致フェロモン。じゃなければ、あの雪ちゃんが大人しくラチられる訳がない。
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