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1 病室
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笹部は、穂高いや、千里が相当なショックを受けていても気にならない。どんな過程があろうが、千里は自分の妻になっている。それが一番大切で、重要。千里の発情期を待って番になることも、笹部の中では当たり前のこととして組み込まれている。千里の気持ちなどお構いなしだ。
「でさぁ」と呑気な口調でそのまま続ける。
「ちーちゃんの寮の部屋なんだけど、漆戸を俺と交換して相部屋にしといた。卒業まで授業に出なくても良いって話だけど、ちーちゃん学校大好きだし行きたがるんじゃないかと思って。俺としては、αの中に置いときたくないけどさ。ちーちゃんが、推薦取り消された大学にどうしても行きたいって言い出すかもしれないし。あ、そうそう、国立の文学部推薦枠は一応引き継いどいたぜ?俺も副生徒会長三冠達成してるから、推薦枠すんなり変えて貰えた」
「おい、待て!俺の推薦は取り消された、のか?!」自分がΩなんて悪夢としか思えない内容より、千里にはそちらの方が現実味がありショックが大きかった。布団の上にだらりと下がっていただけの腕に力が戻ってくる。ギュッと布団を握りしめ、聞き捨てならないと笹部を睨む。
笹部は、千里がいつもの調子を戻してきたことに気をよくして笑った。寝ている姿も可愛かったけれど、自分より格上の相手にも怯まず挑む千里はキャンキャン吠える子犬のような可愛いさがある。
千里が大学推薦にこだわる理由。それについては、初等部で生徒会長立候補の資格を得る五年生になる前から聞かされていた。千里の野望と言っても良いだろう。
優生αが集まる優生学園の中でも、ほんの一握りしか入ることが許されない生徒会に在籍したことは、α社会で最も重視されるフェロモンの強さとは別にステータスとして価値がある。OB同士の繋がりも深く、生徒会役員出身者のだけが在籍出来る『四季会』という組織を作り、卒業後も情報交換や仕事に役立て互いの価値を利用しあっている。
その四季会の中では、生徒会長を歴任した年数分一目おかれる。初等部の生徒会会計や庶務として立候補出来る三年生になった時、既に千里の将来の夢はエリート官僚になることだった。高等部の生徒会長になれば、その道に進みやすい大学の推薦枠が優遇される。誰も無し得ていない初等部と中等部でも生徒会長をすれば、四季会の繋がりを自分の将来におおいに役立てることが出来る。
生徒会長三冠達成は、千里にとって手堅い将来を得るための手段だった。
の、だが。目の前でヘラヘラ笑う笹部に台無しにされた。
「でさぁ」と呑気な口調でそのまま続ける。
「ちーちゃんの寮の部屋なんだけど、漆戸を俺と交換して相部屋にしといた。卒業まで授業に出なくても良いって話だけど、ちーちゃん学校大好きだし行きたがるんじゃないかと思って。俺としては、αの中に置いときたくないけどさ。ちーちゃんが、推薦取り消された大学にどうしても行きたいって言い出すかもしれないし。あ、そうそう、国立の文学部推薦枠は一応引き継いどいたぜ?俺も副生徒会長三冠達成してるから、推薦枠すんなり変えて貰えた」
「おい、待て!俺の推薦は取り消された、のか?!」自分がΩなんて悪夢としか思えない内容より、千里にはそちらの方が現実味がありショックが大きかった。布団の上にだらりと下がっていただけの腕に力が戻ってくる。ギュッと布団を握りしめ、聞き捨てならないと笹部を睨む。
笹部は、千里がいつもの調子を戻してきたことに気をよくして笑った。寝ている姿も可愛かったけれど、自分より格上の相手にも怯まず挑む千里はキャンキャン吠える子犬のような可愛いさがある。
千里が大学推薦にこだわる理由。それについては、初等部で生徒会長立候補の資格を得る五年生になる前から聞かされていた。千里の野望と言っても良いだろう。
優生αが集まる優生学園の中でも、ほんの一握りしか入ることが許されない生徒会に在籍したことは、α社会で最も重視されるフェロモンの強さとは別にステータスとして価値がある。OB同士の繋がりも深く、生徒会役員出身者のだけが在籍出来る『四季会』という組織を作り、卒業後も情報交換や仕事に役立て互いの価値を利用しあっている。
その四季会の中では、生徒会長を歴任した年数分一目おかれる。初等部の生徒会会計や庶務として立候補出来る三年生になった時、既に千里の将来の夢はエリート官僚になることだった。高等部の生徒会長になれば、その道に進みやすい大学の推薦枠が優遇される。誰も無し得ていない初等部と中等部でも生徒会長をすれば、四季会の繋がりを自分の将来におおいに役立てることが出来る。
生徒会長三冠達成は、千里にとって手堅い将来を得るための手段だった。
の、だが。目の前でヘラヘラ笑う笹部に台無しにされた。
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