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5 統括学園長室
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幼稚舎から高等部まで含む優生学園の総括理事長、茅野 康生は、幼少の頃より将来は世襲制の理事長になることを理解し教育に人生を捧げてきたαである。ただし、開学した幸悦が志した『他のバース性を導く優生αを育成するための学園』ではなく、時代とともにいつしか歪められた志し、『選ばれたαのための学園』を目指していた。
若きαを世に送り出す茅野一族は、どの分野にも巣立った先で活躍する卒業生がいるため顔が広い。また、公にされていない御三家の一角、『智の榊家』に仕えているためαとしての特権階級意識が根強かった。御三家は、仕えるべき始祖神が再来されるまでその存在を秘して生きている。当然、その御三家に仕える一族は繋がりを外部に漏らすことは無く、同じ御三家に仕える一族同士であっても話題に出すときは細心の注意を払っていた。余談ではあるが、御三家の血筋と嘯く一族は嘲笑の的で、あまりに目が余る行動を取れば御三家に報告し任命された一族が粛清に当たっていた。
同じ御三家に使える一族であれば、多少の交流はある。が、他のとなると互いに詮索が許されないため交流はない。康生は、始祖神が再来される日まで他の御三家関係者のことを知ることはないと考えていたのだが。
「まさか、お前が・・・」
苦々しい顔で口から漏れた本音は、間違いなく目の前に座る相手の耳にも入っただろう。総括理事長と保護者の立場であれば、決して良いとは言えない態度を取ってしまっている。が、隠す気にもなれないほど動揺していた。
スーツ姿の康生とは対照的に、学園の卒業生でもある笹部 福は綿パンツにジャケットを羽織ったラフな格好。おまけに、康生に手紙を一通手渡した後はニヤニヤ人の悪い笑みを浮かべ来客用のソファーに深く腰掛けている。
康生と福は、直接担当はしていないが教師と生徒としても多少の関わりがあった。全国から選ばれたαが集う学園は、文武とは別のフェロモンの強さが選別基準になっている。そのため、性格や態度に問題のある生徒も多く、手がつけられない問題児は学園の教師間で情報交換されているのだ。
福本人は過去の問題児であるが、娘の鈴は現役だ。息子の鋼は、生徒会役員として活躍していたため一族からやっと品行方正な生徒が現れたかと安心していたのだが。まさかの、ダークホース。
(笹部 鋼が一番の問題児だったとは・・・)
封蝋の印璽は、御三家に関わる人間であれば把握している『武の薺家』であり、これを直参すると言うことは笹部一族が仕える御三家が薺家であることは明白。秘する御三家は、表舞台に立つことを避ける。関わりのない一族のために一筆とるとは思えないからだ。問題児排出率の高さなら、歴代上位確定の一族がまさか・・・康生は、「休んでいる息子の鋼に関わることだ」と手渡された手紙にもう一度目を落とす。一目見ただけで、紙もインクも最高級品であることがわかる御三家からの封書。開ける前から嫌な予感、いや、悪寒で背筋が震えていた。
若きαを世に送り出す茅野一族は、どの分野にも巣立った先で活躍する卒業生がいるため顔が広い。また、公にされていない御三家の一角、『智の榊家』に仕えているためαとしての特権階級意識が根強かった。御三家は、仕えるべき始祖神が再来されるまでその存在を秘して生きている。当然、その御三家に仕える一族は繋がりを外部に漏らすことは無く、同じ御三家に仕える一族同士であっても話題に出すときは細心の注意を払っていた。余談ではあるが、御三家の血筋と嘯く一族は嘲笑の的で、あまりに目が余る行動を取れば御三家に報告し任命された一族が粛清に当たっていた。
同じ御三家に使える一族であれば、多少の交流はある。が、他のとなると互いに詮索が許されないため交流はない。康生は、始祖神が再来される日まで他の御三家関係者のことを知ることはないと考えていたのだが。
「まさか、お前が・・・」
苦々しい顔で口から漏れた本音は、間違いなく目の前に座る相手の耳にも入っただろう。総括理事長と保護者の立場であれば、決して良いとは言えない態度を取ってしまっている。が、隠す気にもなれないほど動揺していた。
スーツ姿の康生とは対照的に、学園の卒業生でもある笹部 福は綿パンツにジャケットを羽織ったラフな格好。おまけに、康生に手紙を一通手渡した後はニヤニヤ人の悪い笑みを浮かべ来客用のソファーに深く腰掛けている。
康生と福は、直接担当はしていないが教師と生徒としても多少の関わりがあった。全国から選ばれたαが集う学園は、文武とは別のフェロモンの強さが選別基準になっている。そのため、性格や態度に問題のある生徒も多く、手がつけられない問題児は学園の教師間で情報交換されているのだ。
福本人は過去の問題児であるが、娘の鈴は現役だ。息子の鋼は、生徒会役員として活躍していたため一族からやっと品行方正な生徒が現れたかと安心していたのだが。まさかの、ダークホース。
(笹部 鋼が一番の問題児だったとは・・・)
封蝋の印璽は、御三家に関わる人間であれば把握している『武の薺家』であり、これを直参すると言うことは笹部一族が仕える御三家が薺家であることは明白。秘する御三家は、表舞台に立つことを避ける。関わりのない一族のために一筆とるとは思えないからだ。問題児排出率の高さなら、歴代上位確定の一族がまさか・・・康生は、「休んでいる息子の鋼に関わることだ」と手渡された手紙にもう一度目を落とす。一目見ただけで、紙もインクも最高級品であることがわかる御三家からの封書。開ける前から嫌な予感、いや、悪寒で背筋が震えていた。
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