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7 寮-Ⅱ
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千里は、部屋に配置された二段ベッドや机、天井から垂れ下がった歴史を感じさせる照明に配慮し限られた空間の中で竹刀を薙ぎ払う。が、鋼は千里の動きを見切り、立て続けに軌道を躱してみせた。
「もぉー、ちーちゃんてば、部屋の中でそんなの振り回したら駄目だよ?」
「お前が振り回させてるんだっ」
千里は、剣道を幼い頃から兄と一緒に習う有段者だ。一方、それを躱す鋼は特に習い事をしていない。強いて言うなら、求愛給餌特化型の習性を満たすために一族経営の動物園の手伝いをしている程度。鋼が素人と千里もわかっているので、なぜ当たらないのだと苛立ちがつのり動きの精度を落としていた。
一度くらい当ててやろうと、千里が意地になり竹刀を振り回していると、トントントン、と軽いノックが部屋に響く。
「ほらほら、漆戸が来たんじゃない?」
鋼も決して余裕があったわけでは無かったので、胴狙いの軌道を背後に飛んで避けそのまま扉まで走り訪問者を中へ引き入れた。
「おせーよ、漆戸」
「すみませんって、穂高さん、何してるんですか?」
謝り慣れた漆戸は、校舎から寮まで走ってきたんだけどなぁと心中ぼやきつつ頭を下げる。そして、上げた視線の先に部屋の中で竹刀を構えている千里をとらえ驚いた。寮の中庭でよく素振りをしているのは見ていたが、部屋の中でこんな姿を見るのは初めてだ。しかも、怒っているように見える。
(また、なんかしたんだな・・・)
格下千里を引くほど庇護する癖に、いじり倒して怒らせるのが鋼なのだ。
「・・・いや、なんでもない」
千里は、セリフに反して顔を歪めつつ竹刀を定位置に戻した。漆戸は巻き込まれたくはないのでそれ以上は敢えて触れない。手に持っていた鞄を床に置き、中から書類取り出した。ナンバーズが各教科ごとに代わりに纏めていたノートを二人用に清書したものだ。(自分用のノートをわざわざまとめ直させ、最終確認は漆戸が行った)それを二人に手渡す。
「休んでた間の授業は、これで網羅出来ます。わかりにくいところがあれば、俺に言ってください。予習範囲の英訳や課題に出されてる問題も念の為解かしてあります。早いものなら、週明けの授業の分もありますからね」
「それは、助かる」
千里は、ありがとうと微笑んだ。休んでいた間の授業を追ってから予習をしていたのでは、時間が足りない。
「不在中、なんか問題は?」
鋼は、パラパラプリントを確認しながらチラッと漆戸を見る。大きなことがあれば、後で聞くと言外に込められた眼差しに、漆戸はわかってますよと目だけで肯定を示して応える。千里には知らせるとこなく、暗躍した鋼とナンバーズの連携は完璧だ。千里は、何も気付かず漆戸の報告を待っている。
「もぉー、ちーちゃんてば、部屋の中でそんなの振り回したら駄目だよ?」
「お前が振り回させてるんだっ」
千里は、剣道を幼い頃から兄と一緒に習う有段者だ。一方、それを躱す鋼は特に習い事をしていない。強いて言うなら、求愛給餌特化型の習性を満たすために一族経営の動物園の手伝いをしている程度。鋼が素人と千里もわかっているので、なぜ当たらないのだと苛立ちがつのり動きの精度を落としていた。
一度くらい当ててやろうと、千里が意地になり竹刀を振り回していると、トントントン、と軽いノックが部屋に響く。
「ほらほら、漆戸が来たんじゃない?」
鋼も決して余裕があったわけでは無かったので、胴狙いの軌道を背後に飛んで避けそのまま扉まで走り訪問者を中へ引き入れた。
「おせーよ、漆戸」
「すみませんって、穂高さん、何してるんですか?」
謝り慣れた漆戸は、校舎から寮まで走ってきたんだけどなぁと心中ぼやきつつ頭を下げる。そして、上げた視線の先に部屋の中で竹刀を構えている千里をとらえ驚いた。寮の中庭でよく素振りをしているのは見ていたが、部屋の中でこんな姿を見るのは初めてだ。しかも、怒っているように見える。
(また、なんかしたんだな・・・)
格下千里を引くほど庇護する癖に、いじり倒して怒らせるのが鋼なのだ。
「・・・いや、なんでもない」
千里は、セリフに反して顔を歪めつつ竹刀を定位置に戻した。漆戸は巻き込まれたくはないのでそれ以上は敢えて触れない。手に持っていた鞄を床に置き、中から書類取り出した。ナンバーズが各教科ごとに代わりに纏めていたノートを二人用に清書したものだ。(自分用のノートをわざわざまとめ直させ、最終確認は漆戸が行った)それを二人に手渡す。
「休んでた間の授業は、これで網羅出来ます。わかりにくいところがあれば、俺に言ってください。予習範囲の英訳や課題に出されてる問題も念の為解かしてあります。早いものなら、週明けの授業の分もありますからね」
「それは、助かる」
千里は、ありがとうと微笑んだ。休んでいた間の授業を追ってから予習をしていたのでは、時間が足りない。
「不在中、なんか問題は?」
鋼は、パラパラプリントを確認しながらチラッと漆戸を見る。大きなことがあれば、後で聞くと言外に込められた眼差しに、漆戸はわかってますよと目だけで肯定を示して応える。千里には知らせるとこなく、暗躍した鋼とナンバーズの連携は完璧だ。千里は、何も気付かず漆戸の報告を待っている。
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