Ωにしちゃってゴメンナサイ

三日月

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8 食堂

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 漆戸は、頭を掻きながら「ハァ」と軽く息を吐いた。葛籠に明確な根拠は無さそうだし、自分にもそれは無い。もしもそうだったとしても、「異端だ」と責める立場にもないし止めようもないし理解は出来ないしで手詰まりだ。漆戸は、鋼が自分の常識で推し測れないことに慣れているので、いつものように可能性の一つとして頭の隅に置いておくことにした。
「笹部さんの考えを読めるわけないし、深く考えても正解に辿り着くとは限らない。ただ、穂高さんへのガードが固くなったのは事実として受け止めるぞ」
「まぁ、それについちゃ了解だ」
 胡麻も異論はないと頷き、葛籠も「わかりました」と肯定。
「後の3名には、齟齬が無いよう俺から直接話す。自分の群れにも徹底させ、穂高さんを狙うバカは事前にこちらで仕留めるぞ」
 穂高ナンバーズの6名は、鋼の群れに属しながら一人一人が自分の群れを形成していた。鋼の指示系統から見れば、孫受けとも言える。全て力の強いリーダーを中心としたパワー型の群れで、それぞれのリーダから命じられたことにメンバーは従順に従う。胡麻の群れは、穂高ナンバーズになる以前から形成されていた気心の知れた幼馴染のみの少数精鋭。葛籠の群れは、自分から穂高ナンバーズを希望して歯牙にかからなかった者から選抜されたもの。中でも30名を越す大所帯の漆戸の群れは、鋼から制裁を受けた者を監視する意味も含まれていた。
 千里のクラスには勿論、高等部の各学年各クラスに必ず息のかかるメンバーが複数存在しており情報を統制するのに役立っている。ここまで網羅されていると、敵対勢力として頭角を現す前段階から芽を摘むのも容易い。『苛烈姫』の時代を知る教師から、「なんて平和な学園生活!!」と喜ばれるのは、この表向き千里を中心とした群れが学園の細部まで根を張り抑止力として働いているのが実感出来るからだ。
「んじゃ、例の一年はこっちでヤッて良いんだよな?」
 当然許可するよな?と胡麻の目が爛々と輝く。今日の鬱憤を相手にぶつけようとしているのは明らかだ。
「待て、待て。アイツらは、まだ水面化で動いてるだけで証拠不足だ」
「あ"あ"?まだ尻尾捕まえてねーのかよ?!築花ちくはなの野郎、生徒会の仕事にカマかけて手ぇ抜いてんじゃねぇだろうな」
 この場にはいない穂高ナンバーズ第5位の築花 恭ちくはな きょうは、千里を守る警備役だ。下級生のため千里のそばに始終張り付くことは出来ず、自分の群れを使って千里の周りをガードしている。警備役は、当初胡麻の役目だったのだが、千里との距離が益々近くなり鋼が互いの役目を変えさせたのだ。
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