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「えっと、俺、先輩、の、ことを安心させたくて。
急に辞められてから、全く、連絡、と、取れないし。
共通の知り合いから、SNSを辿って遡って調べて・・・半年前にお引越しされてから、かか、彼女が、出来たんですよね。
今日、ここで、結婚されると、彼女さんが呟いてて・・・素敵な式場だなって、パンフレットも取り寄せたんですよ」
瞬は目尻をハンカチで押さえ、グズグズ鼻を鳴らしながら懸命に答えている、が。
怖い、怖い、怖いっ
話してる内容が、完全にこの先輩のストーカーッッ
迷いなくこの部屋に来れたのも、事前リサーチのおかげだったのか。
悠介は、瞬の行動に完全に引いていた。
先輩はそれ以上に恐れ慄き、「か、か、金はちゃんと返すっ、返すからっっ」とガタガタ震え出していた。
「お金?
あれは、その、うまく行かなかったみたいですが、せ、先輩のお店の資金にって、俺から渡したものなので。
それより、あの、俺も新しい彼氏が出来たから、大丈夫ですからねっ」
突っ立っていた悠介の腕に、瞬は強引に自分のを絡ませ仲良しアピール。
降って湧いた設定に、口をあんぐり開ける悠介。
(おい、何を言い出してるんだ、この人はっっ)
「先輩、優しいから、ずっと気に病まれてるかと心配で。
でも、本当に、本当に、俺は大丈夫ですからっ
結婚のお祝いと、それを言いに来たんですっ」
袱紗に包まれた、明らかに自立する太さの金封を懐から出す瞬。
拳銃でも出してくるのかと、咄嗟に身構えた先輩の手に無理やり押し付けると。
「お、お幸せにぃっっ」
瞬は、先輩に背を向けた途端ダバーッと両目から涙を決壊させ、悠介を引きずるようにして部屋を走って出た。
急に辞められてから、全く、連絡、と、取れないし。
共通の知り合いから、SNSを辿って遡って調べて・・・半年前にお引越しされてから、かか、彼女が、出来たんですよね。
今日、ここで、結婚されると、彼女さんが呟いてて・・・素敵な式場だなって、パンフレットも取り寄せたんですよ」
瞬は目尻をハンカチで押さえ、グズグズ鼻を鳴らしながら懸命に答えている、が。
怖い、怖い、怖いっ
話してる内容が、完全にこの先輩のストーカーッッ
迷いなくこの部屋に来れたのも、事前リサーチのおかげだったのか。
悠介は、瞬の行動に完全に引いていた。
先輩はそれ以上に恐れ慄き、「か、か、金はちゃんと返すっ、返すからっっ」とガタガタ震え出していた。
「お金?
あれは、その、うまく行かなかったみたいですが、せ、先輩のお店の資金にって、俺から渡したものなので。
それより、あの、俺も新しい彼氏が出来たから、大丈夫ですからねっ」
突っ立っていた悠介の腕に、瞬は強引に自分のを絡ませ仲良しアピール。
降って湧いた設定に、口をあんぐり開ける悠介。
(おい、何を言い出してるんだ、この人はっっ)
「先輩、優しいから、ずっと気に病まれてるかと心配で。
でも、本当に、本当に、俺は大丈夫ですからっ
結婚のお祝いと、それを言いに来たんですっ」
袱紗に包まれた、明らかに自立する太さの金封を懐から出す瞬。
拳銃でも出してくるのかと、咄嗟に身構えた先輩の手に無理やり押し付けると。
「お、お幸せにぃっっ」
瞬は、先輩に背を向けた途端ダバーッと両目から涙を決壊させ、悠介を引きずるようにして部屋を走って出た。
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