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弥勒過去編(瑛二&白銀)
新学期 1
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「おい、こら、白銀ぇ!」
聞こえてる、聞こえてるっ
聞こえてるからっ
慌てて庭から、走るのも惜しんで宙に浮いて飛んで向かう。
食事、したくないから。
エネルギー抑えたいのに・・・
「どこ、行ってたんだ!?」
僕の、主、瑛二は。
あの日以来、わがまま暴君全開。
今みたいに、稽古を終えて、僕が玄関まで迎えに来ないと大声で呼びつける。
ご飯食べるときは、終わるまで近くに座っていないと食べないし。
お風呂に入ったら、髪を乾かして膝枕をしないとそのまま布団に入ろうとする。
他にもあげたらきりがないけど、必ず視界にいないといけない。
寝るときは、いつでも来いよと毎晩耳元で囁かれ。
僕は、毎回逃げている。
「洗濯物を干していたんだよ」
名前を呼ばれたらすぐに行かないと、機嫌がとても悪くなる。
瑛二のわがままなんて・・・両親が生きていた頃以来じゃないかな。
新鮮で可愛くて仕方ない。
煩わしさより、楽しんでいる僕がいる。
僕に求められることがあるだけで嬉しい。
だから、やめろとか、いい加減にしてほしいとか。
そんなことは思えない。
「そんなの、やらしとけばいーだろ?」
「瑛二が、追い出したんだろっ!」
もう、忘れてるっ
彰姫の結界が無くなり。
僕が死なずに生き伸びたことで、弥勒家は僕たちへの監視を強め。
四六時中、誰かがいる状態に瑛二が切れたんだ。
「・・・あ、わりぃ。
あんだけ居たら、落ち着かねーんだもん」
口、尖らせている姿は、可愛いけどっ
あ”-また、僕の感情がおかしくなってきてるっ
白銀と命名された日から、僕の中で暴走が止まらない。
そんな、可愛いとか思ってるところじゃない。
「もうすぐ、夏休みも終わるんだ。
御飯を食べたら、宿題を終わらせるように。
授業についていく意味でも、勉強もしておかないと・・・」
彰姫のおかげか、仕事は隔日に抑えられている。
宿題が出来ていない現状に、午後からの稽古も空白。
残り一週間切っているのに、瑛二はそれでもまだ終わっていない。
「あ”-、正直、わかんねーんだよ。
習ってない範囲も出てるし」
肩をすくめて、苦笑い。
瑛二は、知らないからな。
来月から行く学校の内部事情・・・
弥勒家は、僕のせいで睨まれていることだろう。
そこに、当主自ら入学。
少しでも、懸念材料は減らすべきだ。
宿題は、しておいた方がいい。
「僕は、高一の冬で中退しているから・・・だれか家庭教師でも雇う?」
「いや、白銀に教えてもらいたい」
料理以外の家事もあるけど・・・仕方ないな。
瑛二の中学校時代の教科書も引っ張り出し。
その日からなんとか二人で宿題を仕上げた。
人間だった頃は、考えられない。
僕が、瑛二と勉強なんて。
もし僕が人間のままだったら。
距離をおいたまま、お互いの道を進んで、こんな時間はないままだったろうな。
僕自身も、実は瑛二に何を求めていたかも知らずに、当主としてその道を全うすることに満足できていたはずだ。
聞こえてる、聞こえてるっ
聞こえてるからっ
慌てて庭から、走るのも惜しんで宙に浮いて飛んで向かう。
食事、したくないから。
エネルギー抑えたいのに・・・
「どこ、行ってたんだ!?」
僕の、主、瑛二は。
あの日以来、わがまま暴君全開。
今みたいに、稽古を終えて、僕が玄関まで迎えに来ないと大声で呼びつける。
ご飯食べるときは、終わるまで近くに座っていないと食べないし。
お風呂に入ったら、髪を乾かして膝枕をしないとそのまま布団に入ろうとする。
他にもあげたらきりがないけど、必ず視界にいないといけない。
寝るときは、いつでも来いよと毎晩耳元で囁かれ。
僕は、毎回逃げている。
「洗濯物を干していたんだよ」
名前を呼ばれたらすぐに行かないと、機嫌がとても悪くなる。
瑛二のわがままなんて・・・両親が生きていた頃以来じゃないかな。
新鮮で可愛くて仕方ない。
煩わしさより、楽しんでいる僕がいる。
僕に求められることがあるだけで嬉しい。
だから、やめろとか、いい加減にしてほしいとか。
そんなことは思えない。
「そんなの、やらしとけばいーだろ?」
「瑛二が、追い出したんだろっ!」
もう、忘れてるっ
彰姫の結界が無くなり。
僕が死なずに生き伸びたことで、弥勒家は僕たちへの監視を強め。
四六時中、誰かがいる状態に瑛二が切れたんだ。
「・・・あ、わりぃ。
あんだけ居たら、落ち着かねーんだもん」
口、尖らせている姿は、可愛いけどっ
あ”-また、僕の感情がおかしくなってきてるっ
白銀と命名された日から、僕の中で暴走が止まらない。
そんな、可愛いとか思ってるところじゃない。
「もうすぐ、夏休みも終わるんだ。
御飯を食べたら、宿題を終わらせるように。
授業についていく意味でも、勉強もしておかないと・・・」
彰姫のおかげか、仕事は隔日に抑えられている。
宿題が出来ていない現状に、午後からの稽古も空白。
残り一週間切っているのに、瑛二はそれでもまだ終わっていない。
「あ”-、正直、わかんねーんだよ。
習ってない範囲も出てるし」
肩をすくめて、苦笑い。
瑛二は、知らないからな。
来月から行く学校の内部事情・・・
弥勒家は、僕のせいで睨まれていることだろう。
そこに、当主自ら入学。
少しでも、懸念材料は減らすべきだ。
宿題は、しておいた方がいい。
「僕は、高一の冬で中退しているから・・・だれか家庭教師でも雇う?」
「いや、白銀に教えてもらいたい」
料理以外の家事もあるけど・・・仕方ないな。
瑛二の中学校時代の教科書も引っ張り出し。
その日からなんとか二人で宿題を仕上げた。
人間だった頃は、考えられない。
僕が、瑛二と勉強なんて。
もし僕が人間のままだったら。
距離をおいたまま、お互いの道を進んで、こんな時間はないままだったろうな。
僕自身も、実は瑛二に何を求めていたかも知らずに、当主としてその道を全うすることに満足できていたはずだ。
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