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弥勒過去編(瑛二&白銀)
白銀 2
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「あ”-、お腹空きすぎて胃が痛い・・・」
結局、僕と瑛二が起き上がったのは、夕方近く。
布団に包まった瑛二は、食卓で裸のまま行儀悪く御飯を食べている。
瑛二の食糧確保のついでに、僕は屋敷を見て回って。
この屋敷から、人がいなくなっていることを確認した。
そこかしこに、彰姫が得意とする囲み歌の痕跡あるが・・・
技自体は、それほど細かくは設定されていない。
追い出すというよりも、侵入を防ぐ方に重きを置いていた。
弥勒家の人間が、僕の死を予測して離れたあとに張られたのだろうか。
僕が作った誕生日の料理は、全てゴミの袋に入れられていたので。
梅干のお茶漬けで済ませてもらった。
これなら、味付けも関係ない。
「茶漬け、うまいな~」
丼で二杯食べつくし、瑛二は満足げに笑っている。
怒っては、いるみたいで。
目は食べている間も、僕を睨んでいた。
「で、白銀、コレ、全部じゃないけどざっくりと読んだ」
空の丼の横。
食卓の上には、僕の日記が並んでいる。
番号はばらばら。
最後の0(ゼロ)も含まれている。
僕は、瑛二の前に正座。
何をいわれても、僕は反論する権利は無い。
「言いたいことは、山ほどある。
特に、コレな」
指で、ゼロの数字をトントンつつく。
まさか、生きている状態でこの日記を瑛二と見ることになるなんて。
僕の計画は、全く上手くいかないな。
「けど、俺は、生きててくれるだけで嬉しい。
だから、こっちから咎めることはしたくない。
ほんと、殴る蹴るじゃ収まらないと思ってたけど。
これからのことを大事にしたいし。
白銀が話したいとき、必要に迫られたときに教えて欲しい」
これからのこと。
未来のこと。
将来のこと。
瑛二のそこに、僕もいるのだと示されている。
「言っておくが、俺はお前をまた抱くからな?」
「え・・・?
もし、食べる必要が出てきたら。
今度は、おとなしく血を飲むから・・・」
思い返すだけでも、自分の痴態にめまい。
また、抱かれたら、僕はどうなってしまうんだろう。
瑛二の傍に居るだけで、僕にはもう十分だ。
血を飲ませてもらうだけで、僕は満足できるはず。
「あ、それ俺ムリだから」
瑛二は、軽く手を横に振って拒否。
な、んで??
「俺、さ。
コレ読んで、イロイロ思い出して。
お前が白銀になってからのことも考えて。
分かったことがある」
至近距離まで近づいてきて。
身体に巻きつけた布団を広げ。
その中に、自分ごと僕を閉じ込める。
「俺、瑛一のことも、白銀のことも、好きだ」
「・・・え?」
「こういうイミで」
ポカンと開いた口を、瑛二にチュッと軽く塞がれ。
そのまま抱きしめられる。
・・・え???
「だから、お前にやんのは、精液と唾液が優先な?」
耳元で優しくささやくその声は。
全然兄に対する声じゃなく・・・
僕は、僕は。
瑛二を突き飛ばし、その場を逃げ出した。
結局、僕と瑛二が起き上がったのは、夕方近く。
布団に包まった瑛二は、食卓で裸のまま行儀悪く御飯を食べている。
瑛二の食糧確保のついでに、僕は屋敷を見て回って。
この屋敷から、人がいなくなっていることを確認した。
そこかしこに、彰姫が得意とする囲み歌の痕跡あるが・・・
技自体は、それほど細かくは設定されていない。
追い出すというよりも、侵入を防ぐ方に重きを置いていた。
弥勒家の人間が、僕の死を予測して離れたあとに張られたのだろうか。
僕が作った誕生日の料理は、全てゴミの袋に入れられていたので。
梅干のお茶漬けで済ませてもらった。
これなら、味付けも関係ない。
「茶漬け、うまいな~」
丼で二杯食べつくし、瑛二は満足げに笑っている。
怒っては、いるみたいで。
目は食べている間も、僕を睨んでいた。
「で、白銀、コレ、全部じゃないけどざっくりと読んだ」
空の丼の横。
食卓の上には、僕の日記が並んでいる。
番号はばらばら。
最後の0(ゼロ)も含まれている。
僕は、瑛二の前に正座。
何をいわれても、僕は反論する権利は無い。
「言いたいことは、山ほどある。
特に、コレな」
指で、ゼロの数字をトントンつつく。
まさか、生きている状態でこの日記を瑛二と見ることになるなんて。
僕の計画は、全く上手くいかないな。
「けど、俺は、生きててくれるだけで嬉しい。
だから、こっちから咎めることはしたくない。
ほんと、殴る蹴るじゃ収まらないと思ってたけど。
これからのことを大事にしたいし。
白銀が話したいとき、必要に迫られたときに教えて欲しい」
これからのこと。
未来のこと。
将来のこと。
瑛二のそこに、僕もいるのだと示されている。
「言っておくが、俺はお前をまた抱くからな?」
「え・・・?
もし、食べる必要が出てきたら。
今度は、おとなしく血を飲むから・・・」
思い返すだけでも、自分の痴態にめまい。
また、抱かれたら、僕はどうなってしまうんだろう。
瑛二の傍に居るだけで、僕にはもう十分だ。
血を飲ませてもらうだけで、僕は満足できるはず。
「あ、それ俺ムリだから」
瑛二は、軽く手を横に振って拒否。
な、んで??
「俺、さ。
コレ読んで、イロイロ思い出して。
お前が白銀になってからのことも考えて。
分かったことがある」
至近距離まで近づいてきて。
身体に巻きつけた布団を広げ。
その中に、自分ごと僕を閉じ込める。
「俺、瑛一のことも、白銀のことも、好きだ」
「・・・え?」
「こういうイミで」
ポカンと開いた口を、瑛二にチュッと軽く塞がれ。
そのまま抱きしめられる。
・・・え???
「だから、お前にやんのは、精液と唾液が優先な?」
耳元で優しくささやくその声は。
全然兄に対する声じゃなく・・・
僕は、僕は。
瑛二を突き飛ばし、その場を逃げ出した。
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