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弥勒過去編(瑛二&白銀)
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「・・・こっちは、殺されかけたってのに、なんでお前が泣くんだよ」
「僕だって、無理やりしたいわけじゃないっ
瑛二、僕は、鬼なんだよ。
僕は、瑛二のことになるとギリギリ踏みとどまってるラインを簡単に超えそうになる。
人間の記憶はあっても、危うい属性持ちの角無し鬼なんだ。
弥勒家の人間が瑛二のことを悪く言うたびに、殺したくなるのを耐えるのだって意識してないと簡単に破りそうになる。
だって、瑛二以外の誰が傷ついても、僕は何も感じなくて。
小石を蹴飛ばすように、人間を簡単に殺せてしまうんだよ」
そう、かつての師匠も、叔父も、幼馴染も。
僕の心にはなんの感傷さえうまない。
記憶はあっても、データでしかない。
「食欲、支配欲に関しては、瑛二のことさえ考えられなくなる。
今だって、瑛二が苦しがっていても、喜んでしまう僕は止められない。
僕だって、好きで・・・好きでこうなったんじゃないっ!!」
泣き崩れる僕の背に。
瑛二が戸惑っているのが伝わってくる。
こんな風に、怒鳴りたかったわけじゃない。
僕は、瑛二を大切にしたいのに・・・自分がコントロールできなくて悔しい。
人間だったときのように、自制が利かない。
力がある分、大抵のことは出来てしまう。
望まなくてもその力で暴走してしまう、なんて厄介な身体なんだ。
爆発した感情も、止めどきがわからずに言いたくなかったことまで口にしてしまう。
「・・・悪かった」
僕の背を瑛二の掌が優しく摩る。
まだ幼い瑛二に宥められて、僕はなんて情けないんだ。
「もう、いっそ、真名で思考も身体も縛ってくれ・・・真名を使えば、瑛二を傷つけることも一切出来なくなる。
僕は、瑛二に嫌われたくないっ」
瑛二の腕をとり、懇願する。
自分の意思なんていらないから、僕の大切なものを守らせて。
「・・・俺は、人形が欲しいわけじゃねーよ。
真名にガチガチに縛られた角無し鬼、戦場で見かけたことがあるけど・・・あんなの、生きてるなんていえねー
俺が、白銀からちゃんと話を聞かなかったのが悪いんだ。
そう、自分ばっかり責めんなよ」
涙を拭われ、よしよしと頭も撫でられる。
でも・・・僕は・・・
「俺も、カッとなって悪かった。
浮かれ過ぎてたんだよ。
こんな可愛い白銀が、俺のものになったから」
プニっと両頬を抓られて、緊張していた身体から力が抜けた。
・・・瑛二は、本当に、カッコいい。
こんなに簡単に僕を許して、笑ってくれる。
「僕、我慢したいんだ」
畳の上に転がる、バイブを掴む。
そう、僕だって。
瑛二を苦しめてるのに、喜びたくない。
「だから、僕をコレで調整して?」
あれ、瑛二が真っ赤になって・・・肩も震えてる?
「あのさ、ソレ・・・調教でいい直して?」
言葉が間違っていたのか・・・恥ずかしいな。
僕は今度こそ間違えないように、両手で掴み直し頭を下げてお願いした。
「瑛二、僕をこのバイブで調教してくださいっ」
瑛二は・・・その場に崩れ落ちた。
「僕だって、無理やりしたいわけじゃないっ
瑛二、僕は、鬼なんだよ。
僕は、瑛二のことになるとギリギリ踏みとどまってるラインを簡単に超えそうになる。
人間の記憶はあっても、危うい属性持ちの角無し鬼なんだ。
弥勒家の人間が瑛二のことを悪く言うたびに、殺したくなるのを耐えるのだって意識してないと簡単に破りそうになる。
だって、瑛二以外の誰が傷ついても、僕は何も感じなくて。
小石を蹴飛ばすように、人間を簡単に殺せてしまうんだよ」
そう、かつての師匠も、叔父も、幼馴染も。
僕の心にはなんの感傷さえうまない。
記憶はあっても、データでしかない。
「食欲、支配欲に関しては、瑛二のことさえ考えられなくなる。
今だって、瑛二が苦しがっていても、喜んでしまう僕は止められない。
僕だって、好きで・・・好きでこうなったんじゃないっ!!」
泣き崩れる僕の背に。
瑛二が戸惑っているのが伝わってくる。
こんな風に、怒鳴りたかったわけじゃない。
僕は、瑛二を大切にしたいのに・・・自分がコントロールできなくて悔しい。
人間だったときのように、自制が利かない。
力がある分、大抵のことは出来てしまう。
望まなくてもその力で暴走してしまう、なんて厄介な身体なんだ。
爆発した感情も、止めどきがわからずに言いたくなかったことまで口にしてしまう。
「・・・悪かった」
僕の背を瑛二の掌が優しく摩る。
まだ幼い瑛二に宥められて、僕はなんて情けないんだ。
「もう、いっそ、真名で思考も身体も縛ってくれ・・・真名を使えば、瑛二を傷つけることも一切出来なくなる。
僕は、瑛二に嫌われたくないっ」
瑛二の腕をとり、懇願する。
自分の意思なんていらないから、僕の大切なものを守らせて。
「・・・俺は、人形が欲しいわけじゃねーよ。
真名にガチガチに縛られた角無し鬼、戦場で見かけたことがあるけど・・・あんなの、生きてるなんていえねー
俺が、白銀からちゃんと話を聞かなかったのが悪いんだ。
そう、自分ばっかり責めんなよ」
涙を拭われ、よしよしと頭も撫でられる。
でも・・・僕は・・・
「俺も、カッとなって悪かった。
浮かれ過ぎてたんだよ。
こんな可愛い白銀が、俺のものになったから」
プニっと両頬を抓られて、緊張していた身体から力が抜けた。
・・・瑛二は、本当に、カッコいい。
こんなに簡単に僕を許して、笑ってくれる。
「僕、我慢したいんだ」
畳の上に転がる、バイブを掴む。
そう、僕だって。
瑛二を苦しめてるのに、喜びたくない。
「だから、僕をコレで調整して?」
あれ、瑛二が真っ赤になって・・・肩も震えてる?
「あのさ、ソレ・・・調教でいい直して?」
言葉が間違っていたのか・・・恥ずかしいな。
僕は今度こそ間違えないように、両手で掴み直し頭を下げてお願いした。
「瑛二、僕をこのバイブで調教してくださいっ」
瑛二は・・・その場に崩れ落ちた。
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