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前日譚(黒曜&雅)
傾く気持ち1
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気付いたら、床に全裸で寝ていた。
引き裂かれた服やサンダルは近くに散らばっている。
「あれ、俺・・・」
ぼんやりと、自分の身体を見て次々記憶がよみがえる。
枝がこすれ、ところどころ赤くなってる肌。
主様に、触られて射精した感覚。
起き上がろうとしても、身体がだるくて重くてゆっくりになる。
「えっと・・・」
頭がうまく働かない。
あ、ちゃんと口が開く。
そういや、床も戻ってるな。
木がニョキニョキ伸びていたところは、何も無かったみたいに元通り。
さすっても、以前と同じざらついた木の感触。
昨日ほったらかしにしていた鏡の破片も見あたら・・・
「うぉっ」
割れていたはずの鏡が、元通りの状態ですぐ傍に立てかけられていて驚く。
ヒビもなくて、ちゃんと映ってる。
全裸で、よつんばな、俺が。
なんて、恥ずかしい格好してんだ!
周りを見渡すと、居た。
定位置みたいになってる窓際で、外を眺める主様。
お、怒ってるよな。
あんな近くに顔があったら、絶対にかかってるし。
全裸のまま近づくのも失礼だよな。
裂かれた服を腰に巻いて、適当に結ぶ。
サンダルを引っ掛け、傍まで近づいた。
「あの、主様」
話しかけると、珍しくちゃんと俺を見てくれたのがわかった。
主様が、まっすぐに、俺を見てる。
「貴様、何者だ?
記憶の呼び出しにも答えぬ奥に、何を隠している。
無臭なのに、血にも、涙にも、精液にも、極上の力が宿っていた」
「え、ってことは、主様、俺の精液舐めたのか」
当たり前だと、肯定されてマジマジと主様の顔を見てしまう。
あ、ありえねぇだろう。
この顔に顔射されて、それ舐めてるって、どんなんだよ。
怒ってなくて良かったけど、ヤバいだろう。
「貴様の身体さえあれば、気付かれずに力を取り戻すことが出来る。
他に知られず、毎日喰われに来い。
今回はすでに日が変わっていたが、今日も来い」
几帳面な指示に、怖いはずの主様が面白く感じてしまう。
わかったと頷いてから、鏡を指差した。
「あれ、直してくれたのか?」
「あぁ、あれか。
貴様の肌を傷つけていたからな。
邪魔になるので戻した」
「たすか・・・ありがとうございました」
礼を言い終え、主様の眉間に皺がよっているのに気付く。
「あの、なにか?」
俺を、見て、だよな??
不意に顔が近づき、すぐに離れていく。
身近で見る、その顔に。
意識が飛ぶまでのアレとかコレとかを思い出し、心臓が跳ねた。
「匂いが、したと思ったが、気のせいか・・・」
チョクチョク出てくる、無臭とか匂いとか。
何のことだ??
また外を見出した主様を置いて、その場を後にする。
外に出て、そーっと扉に鍵をかける。
わからないことばっかりだけど、このときから凄く俺は知りたいと思い始めていた。
主様のことを。
引き裂かれた服やサンダルは近くに散らばっている。
「あれ、俺・・・」
ぼんやりと、自分の身体を見て次々記憶がよみがえる。
枝がこすれ、ところどころ赤くなってる肌。
主様に、触られて射精した感覚。
起き上がろうとしても、身体がだるくて重くてゆっくりになる。
「えっと・・・」
頭がうまく働かない。
あ、ちゃんと口が開く。
そういや、床も戻ってるな。
木がニョキニョキ伸びていたところは、何も無かったみたいに元通り。
さすっても、以前と同じざらついた木の感触。
昨日ほったらかしにしていた鏡の破片も見あたら・・・
「うぉっ」
割れていたはずの鏡が、元通りの状態ですぐ傍に立てかけられていて驚く。
ヒビもなくて、ちゃんと映ってる。
全裸で、よつんばな、俺が。
なんて、恥ずかしい格好してんだ!
周りを見渡すと、居た。
定位置みたいになってる窓際で、外を眺める主様。
お、怒ってるよな。
あんな近くに顔があったら、絶対にかかってるし。
全裸のまま近づくのも失礼だよな。
裂かれた服を腰に巻いて、適当に結ぶ。
サンダルを引っ掛け、傍まで近づいた。
「あの、主様」
話しかけると、珍しくちゃんと俺を見てくれたのがわかった。
主様が、まっすぐに、俺を見てる。
「貴様、何者だ?
記憶の呼び出しにも答えぬ奥に、何を隠している。
無臭なのに、血にも、涙にも、精液にも、極上の力が宿っていた」
「え、ってことは、主様、俺の精液舐めたのか」
当たり前だと、肯定されてマジマジと主様の顔を見てしまう。
あ、ありえねぇだろう。
この顔に顔射されて、それ舐めてるって、どんなんだよ。
怒ってなくて良かったけど、ヤバいだろう。
「貴様の身体さえあれば、気付かれずに力を取り戻すことが出来る。
他に知られず、毎日喰われに来い。
今回はすでに日が変わっていたが、今日も来い」
几帳面な指示に、怖いはずの主様が面白く感じてしまう。
わかったと頷いてから、鏡を指差した。
「あれ、直してくれたのか?」
「あぁ、あれか。
貴様の肌を傷つけていたからな。
邪魔になるので戻した」
「たすか・・・ありがとうございました」
礼を言い終え、主様の眉間に皺がよっているのに気付く。
「あの、なにか?」
俺を、見て、だよな??
不意に顔が近づき、すぐに離れていく。
身近で見る、その顔に。
意識が飛ぶまでのアレとかコレとかを思い出し、心臓が跳ねた。
「匂いが、したと思ったが、気のせいか・・・」
チョクチョク出てくる、無臭とか匂いとか。
何のことだ??
また外を見出した主様を置いて、その場を後にする。
外に出て、そーっと扉に鍵をかける。
わからないことばっかりだけど、このときから凄く俺は知りたいと思い始めていた。
主様のことを。
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