123 / 195
弥勒過去編(瑛二&白銀)
異常 side 瑛二 1
しおりを挟む
「おい!?」
手を差し伸べるが、間に合わなかった。
糸が切れたマリオネットのように力を失い。
瑛一の身体が傾き。
食卓の食器をひっくり返しながら、畳の上に崩れる。
「瑛一っ」
身体を起こすが、反応が無い。
何が、起こったんだ・・・
半開きの瞳は、ピクリとも動かない。
瞳がガラス玉のように無機質で、何も映さない。
さっきまで、普通に話してたのに。
耳を口元に近づける・・・息が浅い。
なにかが、おかしい。
「おいっ!
誰でもいから、急いで来いッ」
バタバタと走ってくる足音。
「お呼びですか?」
瑛一を抱き寄せた、俺の姿を確認しても。
動揺は見られない。
・・・こうなることを、予想していた目だ。
「なぜ、こうなったのか教えろ」
当主になった途端、謙った使用人。
弥勒家の分家から来ている女。
「お疲れなのでは?
弥勒家は角無し鬼には詳しい者はおりませんので・・・
布団を隣の部屋にお持ちしましょう。
こちらの片付けもしておきます」
淡々と答え、さっさと行ってしまう。
あぁ、コイツ。
いや、コイツらか。
弥勒家の人間は、こうなるとわかっていたんだな。
瑛一も、含めて。
腕の中で何の反応もしない瑛一。
凍ったように冷たい身体。
真っ青な唇。
綺麗過ぎる容姿が、まるで人形にしか見えない。
さっきまで、話してたのに。
形ばかりの大丈夫ですか?と、声をかけながら。
布団は用意されたが・・
抱き上げるには俺は非力。
でも、集まってきた女どもはさっさと食卓の片づけを始める。
この異常事態でも、手に触れようともしない・・・か。
何とか引きずり、汚れた着物は剥がして布団に寝かせる。
コイツらが、寝かせておくと判断したのなら。
逆に、寝ていても瑛一は治らないということだ。
「今日の稽古は休む。
伝えておけ」
「かしこまりました」
食卓の片付けも終わり、出て行こうとする女に告げる。
他の人間への指示を出していたから、この女が分家の中でも幅を利かせているのはわかっていた。
どれだけ前日の仕事が長引いていても、休むことを許さなかった稽古。
あっさりと、ソレまで通すとは・・・おかしすぎる。
この、状態。
放っておけば・・・弥勒家が望む事態へ繋がる。
それは、瑛一の、死?
手を差し伸べるが、間に合わなかった。
糸が切れたマリオネットのように力を失い。
瑛一の身体が傾き。
食卓の食器をひっくり返しながら、畳の上に崩れる。
「瑛一っ」
身体を起こすが、反応が無い。
何が、起こったんだ・・・
半開きの瞳は、ピクリとも動かない。
瞳がガラス玉のように無機質で、何も映さない。
さっきまで、普通に話してたのに。
耳を口元に近づける・・・息が浅い。
なにかが、おかしい。
「おいっ!
誰でもいから、急いで来いッ」
バタバタと走ってくる足音。
「お呼びですか?」
瑛一を抱き寄せた、俺の姿を確認しても。
動揺は見られない。
・・・こうなることを、予想していた目だ。
「なぜ、こうなったのか教えろ」
当主になった途端、謙った使用人。
弥勒家の分家から来ている女。
「お疲れなのでは?
弥勒家は角無し鬼には詳しい者はおりませんので・・・
布団を隣の部屋にお持ちしましょう。
こちらの片付けもしておきます」
淡々と答え、さっさと行ってしまう。
あぁ、コイツ。
いや、コイツらか。
弥勒家の人間は、こうなるとわかっていたんだな。
瑛一も、含めて。
腕の中で何の反応もしない瑛一。
凍ったように冷たい身体。
真っ青な唇。
綺麗過ぎる容姿が、まるで人形にしか見えない。
さっきまで、話してたのに。
形ばかりの大丈夫ですか?と、声をかけながら。
布団は用意されたが・・
抱き上げるには俺は非力。
でも、集まってきた女どもはさっさと食卓の片づけを始める。
この異常事態でも、手に触れようともしない・・・か。
何とか引きずり、汚れた着物は剥がして布団に寝かせる。
コイツらが、寝かせておくと判断したのなら。
逆に、寝ていても瑛一は治らないということだ。
「今日の稽古は休む。
伝えておけ」
「かしこまりました」
食卓の片付けも終わり、出て行こうとする女に告げる。
他の人間への指示を出していたから、この女が分家の中でも幅を利かせているのはわかっていた。
どれだけ前日の仕事が長引いていても、休むことを許さなかった稽古。
あっさりと、ソレまで通すとは・・・おかしすぎる。
この、状態。
放っておけば・・・弥勒家が望む事態へ繋がる。
それは、瑛一の、死?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる